岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/07/04
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/09/25配信「脱!貧困!貧乏だから不幸は間違い?貧困問題は解釈の違いを理解することで解決できる!」の内容をご紹介します。
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2016/09/25の内容一覧
- 本日のお題
- 右足指骨折と村上隆と「アメリカ好き」について
- マッチブックの「豊かさ」と江戸の「豊かだけど貧乏」
- 貧困と貧乏は違う、キャリコの街で見た貧困と『火垂るの墓』
- 「貧困かそうでないか」は解釈の問題
- 長谷川豊の人工透析炎上問題と電通不祥事
- 「人気あるものが権力をもっていく」と「接客という演劇性の崩れ」
- 『真田丸』の「見えない構造」の面白さ
- 映画で世界を乗っ取ったアメリカ
- ラスベガスのカジノはパチンコ屋と何一つ変わらない
- 「行方不明になった富野由悠季を探す旅」という夢の話
- 次回告知
映画で世界を乗っ取ったアメリカ
アメリカが好きな理由というのを、ちょっと説明しようと思うんですけども。
そのひとつが「素因数分解」というふうに公式放送のほうで言ったんですけども、今の世界の何割ぐらいかがアメリカで出来ていると、そういうふうに僕は思っていて、その分解をやるのがすごい楽しいんですよね。
たとえば、これ2か月前くらいにとりあげた『アメリカを変えた夏 1927年』という本です。
1927年の時点で、つまりまだ無声映画の時代ですよ、1927年の時点でハリウッドは年間800本の長編映画を製作していた。全世界の制作本数の80%だ。この時点で80%なんですね。それに加えて、短編映画も2万本ばかり毎年制作されていた。
映画はアメリカで4番目に大きい産業で、フォードとゼネラル・モーターズを合わせたよりも多くの人を雇用していた。そして、7億5千万ドルを超える収益をあげて、スポーツすべてと音楽演劇などのライブエンターテイメントとすべてを合わせた収益の4倍も稼いでいた。こういうふうなモンスター産業だったわけですね。
アメリカで、1927年の段階で全米2万館の映画館で売られる入場料は毎週1億枚で、どんな日でも平均するとアメリカ人の6人に1人が映画を見に行っていた、そういうとんでもない時代だったんですね。映画館は、映画館で作品そのものよりも、座席にこだわるようになっていたとある映画館の経営者たちは、より大きくより豪華な映画館を作り、それらはシネマパレスと呼ばれたんですね。
シネマパレスっていうのはピクチャーパレス、大規模映画館と翻訳されているんですけども、僕が前回アメリカで行った、グローマンズチャイニーズシアターというのも、そのうちの一つです。あれは仏教系の寺院というコンセプトで作られたピクチャーパレス、シネマパレスというやつですね。
すべてのそういうふうな映画館というのはものすごく巨大だったんですね。建築家たちは自由に想像力を働かせ、壮大な建築物を、過去の文化様式などを手当たり次第取り入れた。ペルシャ風、ムーア風、イタリア・ルネッサンス、バロック、中米風、金メッキを施したフランスのアンティーク調というようなことで、ツタンカーメン王の墓が発見されたら、即エジプト調が大人気になったと。ティボリシアターの大理石のロビーなども、ヴェルサイユ宮殿をほぼ正確に再現していると言われたと。
ということで、映画館はどんどん巨大化したんですね。大型化する映画館は競って建て続けることは大きな経済的リスクを伴った。しかしオーナーたちは不思議にも、とにかく続けることが自分たちの首の皮をつなげることだと、頑張ったわけですね。
(中略)
ただ、そういう巨大な劇場をどんどん作っていったんですけども、それほど映画館を満員にする映画がいつもあったかというとそういうわけではなくて、映画館のほうはどんどん追い込まれていったわけなんですよ。そこでトーキー、声付きの映画っていうのがはじまったわけですね。
それまでも映画館で、シネマパレスっていう映画館では、この本のなかに書いてあるんですけど、もう映画だけでは客が集まらないので、あらゆる興行形態を試していったなかで、なのでアメリカという国は映画に音をつけるという冒険ができたというんで、ヨーロッパでは映画はあくまでアートの一部で、こんな巨大な劇場を造らなかったので、そんなに大人数の客を入れる必要がなかったんですね。そんなに興行収入をあげる必要がなかった。
だからヨーロッパではいつまでたってもサイレント映画、モノクロ映画っていうのが主流のアートであったんですけど、アメリカはこれだけの大人数の劇場に人を呼び込むだけのヒット作を必要としていたんですね。その結果、トーキー、ジャズシンガーをはじめとする喋る映画が表れて、それで一気にアメリカが映画を制するようになってきたんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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