岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/09/27

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/09/10配信「へたれ異世界転生ものアニメの魅力を語り倒す!」の内容をご紹介します。
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2017/09/10の内容一覧

【捨てT】「成長曲線ベル・カーブ」"HOW THE BELL CURVE WORKS"

 じゃあ、「捨てられないTシャツ」コーナーに行きましょうか。
 今回の捨てられないTシャツは「ベルカーブTシャツ」ですね。これは、いわゆる「成長曲線ベルカーブ」というものをプリントしたTシャツで、「知能指数が普通の人はここら辺(90~110)。でも、俺はココ(120)!」っていうふうに嬉しそうに書いてあるTシャツなんですけども。
 これにちなんで話をするのが、「世界で一番頭の良い女」と呼ばれたマリリン・ボス・サヴァントという人です。

(パネルを見せる。マリリンの写真)

 1946年生まれで、今年71歳だけど、まだ生きています。「スタンフォード・ビネー検査」という、知能指数を測る上での定番になっている検査法があるんですけど、その結果、「IQが228」と言われた女性です。

 IQというと、『バナナフィッシュ』の主人公のアッシュ・リンクスっていうキャラが、同じくスタンフォード・ビネー検査っていうのをマフィアのボスのアジトで受けさせられたことがあって、「知能指数200」というふうに言われてましたね。たぶん、いろんな話に出てくる中で、一番IQが高いと思うんですけど。
 これより高いのは『宇宙猿人ゴリ』のIQ300というのがありますけども。もうもうこの辺になると関係ないですね(笑)。

 だけど、この知能指数というのは、もともとは「6歳とか8歳くらいの子供が、何歳くらいの思考なり解釈ができるのか?」という話であって。例えば、知能指数200というのは「8歳なのに16歳みたいな考え方ができる」みたいな意味がベースになっているんですね。
 今の知能指数の判定法というのはどんどん変わってきて、スタンフォード・ビネー検査というのは、あくまでもその中の一つ。他には「メガテスト方式」とか、いろいろあるんですけど、だいたいそんなもんだと思ってください。
 なので、本当は大人の人に対してあまり知能指数というのをやってもしょうがないんですけど。一応、ギネスにも載っている「人類で最も頭のいい女の人」というのが、このマリリン・ボス・サヴァントという人なんですね。

 1990年、『パレード』という雑誌の中に「Ask Marilyn(マリリンに聞いてみよう!)」という、その名の通り、世界一頭のいい彼女になんでも聞いてみるというコーナーがありました。
 そこには、もう、読者から「これはさすがのマリリンにも、わからねえだろう!」というパズルから、人生相談から、「はたして神は~」みたいな神学相談から、いろんな投稿が寄せられたんですけど。
 その中で、有名な「モンティ・ホール問題」という質問がなされました。

 モンティ・ホール問題というのは、『Let's make a deal!(さあ、賭けよう!)』というテレビ番組で、司会者のモンティ・ホールっていう人がやっていたクイズなんですよ。
 まず、3つのドアを用意する。このうちの1つは当たりで、高級車が入っている。残り2つにはヤギが入っている。……この「ヤギ」っていうのがよくわからないんですけど、まあ、ハズレですね。こういう場合、日本だったら「タワシ」が入ってますよね。
 その番組に出た人は、「3つのドアから1つ選べ」っていうふうに言われます。で、彼が真ん中のドアを選んだら、モンティ・ホールは「じゃあ、1枚だけ開けてやるよ」って、選ばれなかった2枚の内、ヤギの入ったハズレのドアを必ず1枚開けてくれるんですね。
 で、ヤギのドアを1枚開けた上で、「今、自分が選んだドアを変えるか?」と聞かれるというクイズなんですけど。

 その時代、ほとんどの数学者は「確率は2分の1だから、変えても変えなくても同じだ」と言っていました。でも、マリリンは、その番組を見たこともなかったんですけど、聞かれたその瞬間に「自分が最初に選んだドアから変えれば、勝率はそれだけで2倍になるから、変えないなんてそれは損よ」って答えたんですね。
 この彼女の回答が『パレード』に載った時、もう、本当に、アメリカ中の数学者から大反論があって。「マリリンさん、あなたはIQが高いかもしれないけど、数学は素人だね」というものから、もっとえげつない答えには「女に数学がわかるはずがない!」とかというものまで、アメリカ中の数学者から大反論を寄せられました。
 マリリンは、それに対して「そんなことはない。例えば、ドアが100枚あったらどうなるかを想像して?」とか、最後には「ドアが100万枚あったらどうなるか想像して?」っていうふうに答えました。
 結局、その論争はずっと続いたんだけど、ある時、1人の数学者が「モンテカルロ法」という判定法でプログラムを組んで、自分のパソコンでシミュレートしたんです。その結果、マリリンが正しいということがわかっちゃって、アメリカ中の数学者が、「あれ?」って思ったという。そんな事件があったんだけども。

 その後、この問題は、いわゆる「直感で正しいと思える解答と論理的に正しい解答は、必ずしも一致しない」という例題になったんですけどね。
 今やこの問題は「モンティ・ホール問題」という言葉でGoogle検索したら、「コップの中にボールが入っています」みたいな例でわかりやすく説明してくれているところがいっぱいあるので、みんなもすぐにわかることなんですけども。当時のアメリカでは、本当に、全然わからなかったんですよね。

 このマリリンは、『パレード』での連載が始まる前から、実はSF業界とかオタク業界ではかなり有名なヒロインで。
 僕がこのTシャツを買ったのは、ボストンの世界SF大会だったんですよ。1984年にボストンの世界SF大会に行ったら、ボストンという、「すぐ近くにハーバード大学、歩いていける範囲にマサチューセッツ工科大学」という土地柄だけあって、会場中が賢そうだったですけど。その会場には、そこら中にマリリンの写真がバンバン貼ってあって。俺、その時に、この写真が誰か全然わからなかったんですけど、「マリリンTシャツ」とかもいっぱい売ってたんですよね。
 で、このベル・カーブTシャツも同じように売ってました。

 どういうことかというと、「ま、俺たち頭いいよね?」っていうのが、当時のSF界とかオタク界の「共通認識」というか「合言葉」みたいなものだったからなんですね。「俺達は、大人になった今さら、普通の人が見るようなドラマには熱中できない。俺らオタクという頭の良い人間は、子供の頃、自分がまだ未熟だった頃に熱中したものしか、もうないんだ!」って。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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