岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/12/02
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/01/17配信「日米暴力装置の違いと成人式は所得階級別で健全運営?」の内容をご紹介します。
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2016/01/17の内容一覧
- 海洋堂の大阪土産シリーズと本日のお題
- 芸能人には人権はあっても「付帯的人権」はない
- トップと無料の人以外が食えなくなるネット社会
- 中国の不動産王がハリウッドのスタジオを買収
- 成人式はもうやめて、やりたければ自分たちで
- 「長めの話」とホリエモンの新ニックネーム
- 若者のバルス離れと次のブーム
- アメリカの銃と「自警団思想」と国家の関係
- 島本和彦との対談DVDを手売りする
- 頑張りすぎたコンビニのおでんと高級店のおでん
- 「ハッピーエンドじゃない」というのは泣き言
- 日本人の関係性が四つに分かれていく
- オフ会の告知
- 国になってしまったAmazon
- NASAが地球防衛軍をはじめた
- 言論人としての赤松健
- 海外旅行とジブリ情報と香山リカ
- 恋愛と2種類のインポ
- 一般見学と「岡田斗司夫の弟子」
- 「低所得者」感と年収の関係
- 廃棄食料のリサイクルは悪なのか
- 次回告知
アメリカの銃と「自警団思想」と国家の関係
「なぜ、アメリカで銃がなくならないのか?」という問題ですね。
オバマ大統領は1月1日のビデオ演説で涙を流して「アメリカで銃規制法案をやらしてくれ!」と言ったそうなんで。
これが日本で報道されるときは「アメリカは銃社会だから」とかですね。
もしくは「銃を手放さないからだ!」とかですね。
「全米ライフル協会が!」というような報道のされ方をするんですけども。
僕はもっと本質的なモノがあると思ってるんですね。
それが、ちょっとFacebookに書いたんですけども、「国家に武力で対抗する権利」っていうのを彼らは持ってるんですね。
で、これが憲法に書いてあるのが面白くて。
まずアメリカは多層的な暴力装置を持っていると。
あんまり普段は聞きなれない言葉ですね。「多層的な暴力装置」っていうのは。
日本では暴力装置が二つあります。
一つは「軍隊」ですね。
もう一つは「警察」なんですよ。
で、警察っていうのは行政で、軍隊っていうのは国家に雇われてるんで、ちょっと所属が違う。ま、ちょっとしか違わないんだけど。
言っちゃえば、両方とも国に雇われてるから。
これ、じつは危険なんですね。
アメリカでは警察だけでなくって、民間から選ばれてる「保安官」というのがある。
その保安官っていう制度があるから、国家に雇われている警察。
本当はその警察も都市に雇われていたりするワケですね。
だからニューヨーク・ポリス・デパートメントっていうのは、ニューヨーク市の予算で運用されてたりもするんだけども。
日本の場合、警察っていうのは都市に所属してるのか、たとえば島根県警っていうのが島根県に所属してるのか、もしくは警視庁っていう国家組織に所属してるのか、ちょっとわかりにくい所があります。
で、それと国家に雇われている、国家から金が出ている「軍隊」というのがあると。
「これが2つしかないので、日本は危険だ」って考え方もあるんですね。
何で危険なのか? っていうと、国家が僕たちのイヤな存在になったとき、つまり「国民に対してイヤなものになったときに、いつでも市民が国家を武力でひっくり返す権利を持っているべきだ!」というのがアメリカ人の、アメリカ人の平均的な考え方ではないけど、アメリカの建国思想なんですね。
これが「自警団思想」ってヤツですね。
前回から僕が時々話してる『バットマン』とかもそうなんですけども。
まず国家で裁けない、法で裁けない存在は民間で裁くと。
これ、かなり危険は危険なんだけど、アメリカ人が絶対に持ってる感覚なんですね。
で、国とか都市が自分に反した場合、自分はおとなしくなるのか? っていうと、そうじゃなくて、自分一人でも正義の為に、もしくは家族を守る為に戦うという権利をいつも持っていたい国民なんですよ。
だからこそ、『バットマン』みたいなモノがあるんですね。
なんで日本で『バットマン』とかスーパーヒーロー物がないのか。
昔は『水戸黄門』であったり。
今だったら刑事でちょっとはぐれ者っていう。
これが日本人の感性で、暴力装置っていうのを常に「お上」の物にしちゃうんですね。
ところがアメリカ人は、暴力装置っていうのを、常に、民間の側に、持ってないと、安心できない。
パワーが、拮抗していないと、嫌なんですよ。
アメリカの軍隊の総力を挙げてだったらわかんないんだけども、いわゆる地方軍くらいだったら、民間の兵器、武力、暴力をすべて集めれば対抗できるようにしておかないと、いつでもまた革命が起こせないわけですよね。
そうやって、アメリカというのは、イギリスに対して革命を起こして勝った国だから、アメリカ人のすべての洲というか、すべての街っていうのは基本的にいえば、極端な言い方をしていますが、武力によってアメリカ政府から独立を保てるようにしておきたいというバランス感覚がある。
これがその、アメリカから銃がなくならない理由のもう一つなんですけども、日本人の僕らとしては政府がいい人であれば、べつに暴力装置を民間が持つ必要がない。
民間が、そういう暴力装置を持てば、犯罪が増えるというふうに思っちゃうんですね。
思っちゃうというか、その通りなんですね。
アメリカが、もう、これは隠しようがなく、僕が何と言おうと、刀狩をしなかったから、銃規制をしなかったから、いやんなるくらい暴力があふれているし、いやんなるくらい差別もあるし、いやんなるくらい暴力的な国なんですけども、その代り市民の一人一人が反政府思想というのを持ったうえで武装できる権利というのを保証しているんですね。
どっちが、好きなのかって言われると、僕も悩むとこなんですよ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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