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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「火を手に入れたけどやっぱり人類は雑魚だった!〜『サピエンス全史』を読む」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「火を手に入れたけどやっぱり人類は雑魚だった!〜『サピエンス全史』を読む」

2018-05-09 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/05/09

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/04/22配信「『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』レビュー」の内容をご紹介します。
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    2018/04/22の内容一覧

    火を手に入れた後も何もしなかったサピエンス

     200万年間は地味な種属だった人類ですが、その後、大きな変化が起こります。
     何かというと「火が使えるようになった」ということですね。
     さっきは「30万年前」って言ったんですけども、80万年くらい前から、いくつかの種属には火を使っていたような痕跡が残っています。
     そして、30万年前に、ホモ・エレクトスとか、ネアンデルタールとか、我らホモ・サピエンスは、日常的に当たり前のように火を使うようになりました。
     そういった証拠が見つかっているのは、この3種くらいなんですけど、おそらく他のホモ属、人類も、わりと火を使っていたはずです。

    (中略)

     火というのはすごいんです。
     火については「発明」ではなくて「発見」なんですけども。

     まず、ライオンとかの捕食獣を追い払うことが出来る。
     人類史において、それまでの人類は、捕食獣に対して、ほとんど対抗策がなかったんですけど、火があればそれらを追い払うことができる。
     あとは、森とか茂みを焼き払うことができる。
     焼き払った森の中には、焼けたドングリとか、いろんな食べられるものが落ちている。おまけに、茂みとか、通れなかった部分をショートカットして通ることができるようになる。
     『ゼルダ』で、トゲだらけで進めないような場所があるんですけど、火の付いた矢で射たら、トゲが燃えて通れるようになりましたよね? あれって、わりと人類の歴史の中で画期的な出来事だったんですよね。
     そして、何よりも大きかったのが、食べられなかったり、食べにくかったりする食物が食べれるようになったことなんです。
     これが、火の発見によって生まれた大きな差です。

    (中略)

     ところが、食材に火を通せば、食事の時間というのは極端に短くなります。
     小麦とか、米とか、ジャガイモ、あとはトウモロコシ、そういうサピエンスの主食となる穀類も、生のままではメチャクチャ消化しにくいんですけど、火で調理すれば、簡単に消化できるようになるんですね。
     おまけに、火で調理すると、食材に入っている寄生虫とか病原菌も退治できるわけですね。
     火というのは、すごく便利なものなんですね。

     調理した食材を食べるとどうなるかというと、消化が早いんですよ。なので、腸が短くなってきます。
     さっきも言ったように、火を使っている人類種というのは、ホモ・サピエンスに限らず、どんどん大腸の長さが短くなっていくんですね。

     すると、どんなことが起きるか?
     実は、火を使うようになる以前のホモ・サピエンスを含めたすべての人類は、エネルギーの基礎消費がメチャクチャ大きかったんですよ。
     まず巨大な大脳。この脳を維持するために、エネルギーをものすごく消費します。そして、その次に、食物を消化するための腸が、ものすごくエネルギーを食ってたんです。
     つまり、脳と大腸という2つの臓器が、ものすごくカロリーを消費しちゃってたところから、腸が短くなったことによって、人類の行動範囲というのは、すごく広がっちゃったんですよね。

     これを極端に説明すると。
     まず、火を使う前の人類というのは、毎日だいたい5時間くらい獲物を探していた。次に、それを咀嚼するために5時間掛けていた。さっき話したチンパンジーと同じですね。そして、それを消化するために、さらに5時間、ダラダラしてなきゃいけなかったんですよ。
     つまり、食べ物を見つけて、食って、消化するためだけに1日15時間も掛かるんです。
     残りの10時間あまりは寝る時間ですから、マジで、物を食った後でダラダラしているだけの動物園とかにいる猿と同じように生活せざるを得なかったんですね。だから「メスを取り合うために戦う」なんてことには、1日1時間とか2時間くらいしか使えないんですよ。

     そして、生の食物を消化できるような大腸を維持するためにも、多くのエネルギーが必要でした。とにかく脳を維持するために、ものすごくエネルギーを使うし、また、それに匹敵するくらいのエネルギーを腸が使ってたんですね。
     「なぜ、200万年間、俺たち人類は食物連鎖の真ん中辺りで地味な種属に甘んじていなければいけなかったのか?」というと、これが理由なんですよ。
     確かに脳は巨大化したんですけども、同時に、いろんなものを食べて消化するのが大変だったから、腸もでかかった。この2大臓器のために1日15時間くらい行動を制限されていたから、僕らは森の中で地道に暮らすしかなかったということですね。

     それが、火が使えるようになったおかげで、行動範囲が広がった。
     火を使えれば、さっきも言ったように、僕らを襲って捕食するような肉食獣も近づかないんですよ。
     おまけに、それまで食べられなかった高カロリーな食材を、簡単に食べれるようになる。
     さらに、森を焼いて環境自体を変化させることができるようになったんですね。

     おまけに、噛む時間と消化するための時間を合計して、1日10時間くらいが必要なくなった。
     これによって人類は、火という武器であり防具でもある道具と、おまけに土地と時間、これらすべてを手に入れることが可能になったんです。

     これが30万年前の出来事です。
     ホモ・サピエンスだけでなく、ホモ・エレクトスとか、ホモ・ネアンデルタールとか、そういった我らホモ・サピエンスを含む人類のほとんどは、火が使えるようになったんですね。
     それによって、ようやっと「薄暗い森の中」から抜け出して、その結果……同じように「薄暗い洞窟」の中で生活するようになるんですけど(笑)。
     まあ、この時点では、食物連鎖の位置は、あまり変わらなかったんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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