岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/11/06

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2013/11/04配信「『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」の内容をご紹介します。
岡田斗司夫アーカイブチャンネルの会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。
(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ」、「岡田斗司夫 独演・講義チャンネル」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)

2013/11/04の内容一覧


「独占的な愛が闇になる」という『まどマギ』の独自性

 『まどか☆マギカ』っていうのは、なんでこんなに論理的だってことを繰り返すのかっていうと、論理とか科学っていうのは宗教の中から生まれたものなんだよね。
 かつてこの世界っていうのは迷信しかなかったんだ。宗教以前ね。
 宗教っていうと迷信とは違う。迷信ていうのは、雷が鳴ったらへそを隠すとかそういうふうなもので、論理体系がないんだよ。宗教というのは、このような迷信に論理体系が与えられたものなんだ。
 かつてこの世の中には迷信しかなかった。闇の中っていうのが存在したんだ。でもこの世界に、宗教という神の光が照らされた瞬間に、その迷信がそれぞれくっついて、合理化されて、なんとかの神、なんとかの神っていうか、いろんな神様が生まれて、この世の中がまるで説明可能になったんだ。
 この宗教が生まれて、神様が生まれた瞬間に光が当たるんだけど、光があったら当然陰があるじゃん。陰の部分は昔は名前がついてなかったんだけども、神が生まれた瞬間にその闇には名前がついて、その闇は悪って呼ばれたんだよな。
 だから悪い「悪」っていう概念は、おそらく神様っていう正義がないと生まれないものなんだ。そっから先、宗教の中から科学が生まれたら、科学のほうが光が強くて、照らす方向が違うんだ。
 結果的に科学や論理が強くなれば強くなるほど、昔の悪っていうものが消えてしまって、闇の部分は宗教とかいうように呼ばれるようになった。論理的なシナリオでは悪人ていうのが設定しにくいのと同じだよね。
 めんどくさい話をしてるよ。ごめんね。

 『まどマギ』の世界っていうのは、科学の中から生まれてるんだ。論理的なシナリオだからね。キュウべえが実験として色々やったことで、この世界というのが出来てるんだけれども。
 だからその、本来だったら、『まどマギ』はクライマックスで、TV版の『まどマギ』では、まどかは神になっちゃったから宗教になっちゃった。
 じゃあ宗教になったから、善と悪が存在するのかっていうと、単純な話に出来りゃ良いんだけど、そうはいかないんだ。『まどマギ』は僕らの世界の宗教ではなくて、科学から生まれた宗教。科学では解決できない問題っていうのを解決するための宗教として出てきてるからね。
 なので、神の光の対抗する闇っていうのは、独占できない執着心とか愛っていうふうに語られてる。ここらへんが、『まどマギ』のシナリオの独自性だよね。
 これの光を当てると闇が出来ると。光があれば闇がある。
 ここまではいろんなアニメやマンガで言うんだけども、愛によって光が当たって、違うな、神様の普遍的な愛で、独占的な愛っていうのが闇になるっていうふうに言った作品、僕、あんまり見たことないんだよな。
 すごいそのへんは、なんかキリスト教的だなと僕、前から思ってるんだ。
 キリスト教っていうのってさ、愛情っていうのを普遍的な存在にしたじゃん。面白いことにキリスト教って、恋愛とか親子の愛情っていうのを一段下に置いてるんだよね。そうじゃなくて神の愛っていうのが本当の愛であって、兄弟とか親子とか同胞の愛情っていうのはそれより劣るものであって、偽物であるっていう位置に置いてるんだ。
 『まどマギ』っていうのは、その自分が持ってる個人的な愛情と神様が持ってる普遍的な愛情とを対抗させる話なので、『バットマン リターンズ』的だとも言えるし、『ベルセルク』的だとも言えるんだ。
 だから世界中のたぶん、映像作家が21世紀の今やろうとしてる問題の最前線に並んだので、僕、これくらい評価高いわけだよね。『風立ちぬ』と同じようなもので。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

アーカイブサイトへのアクセス方法

限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画など、岡田斗司夫のコンテンツを下記のアーカイブサイトからご覧いただけます。