岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/22
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、過去記事から「おすすめマンガ」の特集をお届けします
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お勧め記事一覧
薀蓄がすごく面白い『決してマネしないでください』
でね、月一連載やってる、決してマネしてくれない、マネしないでくださいっていうこのマンガ。これね、僕好きなんだよ。何気に毎月毎月、面白いの。たいしてマニアが付くようなマンガでもなくて、読んでて楽しいなぁ、なんだけども毎回面白い裏話というかトリビアみたいなものを、楽しく描いてくれるんだよな。
だからこれも『決してマネしないでください。』っていうのは内容自体よりも、その中で語られる薀蓄がすごく面白い傾向のマンガです。
で、今回はなんか食堂のおばさんが「オクトーバー」はオクトパス=たこで、たこは八本足だから8月と思ってましたというのに対して、いやあのオクトーバーというのはほんとは10月なんですよねってうので、いや、それはあってるんですよというふうなところから、トリビアが始まると。
でね、オクトはラテン語で8だ。オクターブは8段階だとか、ハイオク燃料のハイオクっていうのもハイオクタンのオクタン価というのも、分子記号でC8H18だからという、何かそういう細かいことが描いてあって、どんどんいらん知識が身につくなぁと。
名作マンガ『栄光なき天才たち』
今さらなんですけど、Amazonでまだ買えるのを発見して。『栄光なき天才たち』ですね。
これは懐かしいという人もいるんですけど、そうなんですよ。
これね、かなりの名作なんですね。
『栄光なき天才たち』っていうのは、いわゆる世間的には必ずしも成功したとは言えないというような歴史上の人物というのをかなり克明に書いたんですね。
で、エンリコ・フェルミとか、そういうのこのマンガで知ったという人も多いんです。
僕みたいにいわゆる科学オタクの人っていうのは、エンリコ・フェルミにしても、その鈴木商店にしても、あとは野口英世の実験マニアだったこととかそういうふうなことは知ってることは知ってるんですけど。
こういうふうなドラマチックなお話内容で、書いてくれるとやっぱりすごい感動するんですね。
マンガの終わりごとに、必ずその後の話っていうのがちょっとだけ付いてるんですね。
こういうふうに、フジヤマのトビウオと呼ばれたとか、これが関係資料とかも書いてくれてるんで、すごい勉強になると。ここから始めて、いろんなことを勉強出来るわけなので、いいです。
マンガ力が半端ない天才 羽海野チカの『3月のライオン』
『3月のライオン』の話、さっきしたんだけども、12巻がやっと出て、とにかく人間観察や描写が凄すぎるって話は、さっきしたよね。
11巻のさっき話した、あかり達の実のお父さんを追い出す下りというか、追い込む時の男の勝手な理屈がものすごくリアルでね。マンガ力が半端ない、化け物だなと思ったんだ。すごいな、どんな人なのかなと思ったら、これもね、知り合いが一緒に仕事したことがあるというのを聞いて「羽海野チカさん、どんな人?」って聞いたら「ものすごく難しい人です」って。「どういう意味」って聞いたら、才能のない人のことをよくわからないみたいなんだよね。
たとえば一緒に仕事したら、イラスト描いてもらうとか、デザインに関しても本当に妥協できないんだよ。妥協できなくて、なんでこれができないのか、わからないんだよ。だって羽海野チカほど絵のうまい人がそうそういるはずがないんだよ。でもスタッフとして一緒に仕事するんだったら、そういうふうな人も使わなきゃいけないんだけども、そこのところでお金払ってるんだから、仕事で出してるんだから、もっとできるはずだと要求が上がってきて、だったらお前がやれよみたいな雰囲気に打ち合わせでなってしまったってことを聞いて。なんかすごく難しい人ですって聞いて、「もう絶対あの人とは、仕事しません」っていうふうに言われて、天才ってそういうところあるよなって。
でもその結果がいつもとんでもなく良いんだよ。
ヒーローロボットに魔法を組み込んだ『混沌世界ボルドー』
あのね、『混沌世界ボルドー』っていうマンガがあります。市川裕文君という人が描いた作品で。
これ、実は表紙が復刊ドットコムのやつなんですね。幸いにして、昔バンダイから出た本なんだけども、復刊ドットコムが復刊してくれたので。まあ、高いんですけども、今でも読めるようになりました。
市川博文君は『トランスフォーマー』のデザイナーとしても知られている人なんだけども。
彼が描いた『混沌世界ボルドー』っていうのは、月の裏側にある剣と魔法の世界っていうのを描いているんだけども。それがなんでSFなのかっていうと、そこでは“魔法とロボットを融合してる”んだよね。
これがページのひとつなんだけども、魔法を全く理解しない地球人側と、魔法が使える民族とのロボット戦闘が描いてある。
この四角の枠に入っているのが、地球人側のコンピューターの声なんだ。地球人側のロボットに搭載されているコンピューターは 「なぜ敵のロボットが強いのかっていうと、魔法力が使えるからだ」と言ってる。
でも、地球人のこのパイロットは信じていないんだ。「魔法なんていうものはイカサマであって、あれはいくつかの“分化した科学”に過ぎない。分化した科学のことをあいつらはよくわかっていないから魔法とよんでいるだけだ。そんなイカサマにのるもんか」と言って、戦うんだけども。
でも、コンピューターはそうじゃないと言う。「いいえ閣下、重力制御は特殊な技術を必要としません。この腕のなかに仕組まれている小型のモーターをご覧ください」と言う。
パイロットが「この腕のモーターというのは、そのために作っているのか?」と聞くと、「いいえ、違います。腕のモーターは単なるブースターにすぎません。ラマ教のマニとよく似ています」ということで。
ラマ教のマニって知ってるかな? よくネパールとか行ったら、クルクル回す呪文が書いた筒みたいなのがあるよね。旅人とかが、歩きながら手で触ったりして、クルクル回してるんだけども。「あれを回すと、1回お経を読むのと同じご利益がある」というふうに言われてるんだ。
そのマニ筒がロボットの腕のなかに仕組まれていて 「これが高速回転することによって、呪文詠唱効果と同じ効力を発揮する」という、なんかね、科学とテクノロジーと魔法とを上手く組み合わせるやつなんだよね。
これがやっぱり、トランスフォーマー的なロボット世界にすごく合ってるんだよ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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