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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「万病を治す万能薬として作られた「コカ・コーラ」」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「万病を治す万能薬として作られた「コカ・コーラ」」

2019-04-10 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/04/10

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/03/24配信「【コカ・コーラの歴史】日本人はいかにして、あの薬みたいな味のコカ・コーラを飲むようになったか」の内容をご紹介します。

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    2019/03/24の内容一覧


    コカ・コーラの黒歴史パート2:ピエール瀧も大好き! コカインの秘密

     「「コーク」と呼ぼう、コカ・コーラ!」っていうふうに言うよね?
     じゃあ、なんで「コークと呼ぼう」なのかというと、実はコカ・コーラは元々「ドープ」って呼ばれてたからなんだ。つまり「ドープと呼ぼう、コカ・コーラ!」だった。
     ドープというのは「薬品」のスラング。ほら、薬物とかを使ってスポーツで記録を出したりする時に「ドーピング」って言うじゃん? あのドーピングのドープというのは、薬品っていういう意味なんだけど。
     もともと、コカ・コーラというのは、売り場では「ドープ(麻薬)」というあだ名で呼ばれてたんです。

     20世紀に入ってから、コカ・コーラ社は渋々、コカ・コーラの成分の中からコカインを除いたんだけど(笑)。
     本当にね、最初イヤイヤ取り除いたんだよね。世間が色々と「コカインは良くない!」と叫ぶ、と。
     当時の社長としては「コカ・コーラの中に入っているコカインなんて、ごく微量であって、あれだけしか入ってなかったら害なんてないのに!」と思いながらも、会社の他の取締役や営業から、散々「コカインを抜いてくださいよ! 今、世間ではエラいことになってますよ!」と言われて、「本当は嫌だけど、しょうがない。抜くか」と言ってコカインを抜いんたんですけどね。
     まあ、これ以上、違法薬物のイメージを広げたくない、と。なので「ドープ」と呼ぶこともやめさせようとして、コークという新たな呼び名を付けたんです。

     「コークと呼ぼうコカ・コーラ」というのは、日本では、すごい自然に入ってきたんだけど。
     実は本国アメリカの「「コーク」と呼んでください!」というのは、「皆さん、うちのコカ・コーラを指して、もう2度と売り場で「ドープ」と呼ばないでください!」という意味だったんですね(笑)。

     では、なぜ、コカ・コーラは「ドープ(薬品、薬物)」と呼ばれたのか?
     コカ・コーラを生み出したペンバートン博士は、漢方薬医です。まあ、モルヒネ中毒者だったんですけども。彼が万病を治す万能薬として、コカ・コーラを開発しました。
     この時、博士が患者としてターゲットにしてたのは、富裕層の男女だったんですよ。

     南北戦争によって、アメリカの特に南部は、農業国から工業国に変わったんです。これによって「都市生活でのストレス」というのが生まれたんですね。
     それまでは「日が昇ったら起きて農場へ行って働いて、日が沈んだら家に帰って、雨が降ったら休む」という、自然の世界で過ごしていたところから、もうアメリカ人の9割が「みんな街に行って工場で働く」という、時間通りに動かなきゃいけなくなって、これが大変なストレスになったんです。
     その結果、都市化によるストレスで「神経症」を訴える人が激増しました。「不安がすごくて眠れない」とか「頭痛がする」っていう。この神経症という言葉も、当時のアメリカで生まれました。

     もちろん、工業社会になったと言っても、依然、農村で働いている人はいるし、農業をやっている人もいっぱいいたんですよ。
     でも、「俺は、南北が統一され、これから金持ちになる、素晴らしい近代アメリカにちゃんと適応してるんだぞ!」とアピールしたい人達は、そのために、わざと「頭痛がする」とか「神経症だ」とか言い出したんですよね。
     つまり、当時の神経症というのは、ある種「セレブの証明」みたいなものだったんですよ。自分がセレブであることの証明として「不安で眠れなくて」とか言ったり、「自信がなくて」って言ったり、「頭痛がする」と言っていた。
     なぜかというと、それがお金持ちの証明だったような時代だったからなんですね。「農業ではなく工業で儲けている」という証拠だったわけです。

     さて、「忙しすぎて神経症」という他にも、当時のセレブの病気といえば、「身体を動かさずに美食ばっかりしているから「消化不良」」というのも、やっぱりセレブっぽい悩みでした。
     そこで注目されたのが、ヨーロッパの天然水、炭酸水です。

     発泡ミネラルウォーターってあるじゃん? 炭酸水。あれは、当時、ヨーロッパでないと採れなかったんです。当時のアメリカにはそんなの湧いてなかったから、ヨーロッパの温泉に行ったり、そういう水源に行って飲むしかなかった。
     だから、「いやあ、食欲不振だから、ヨーロッパから取り寄せた炭酸水を飲んでるよ」なんて言うのは、もう本当にセレブだけがやっている、一番カッコいいことだったんだ。
     なので、「炭酸水を飲むのは健康にいい」という民間療法も流行っていた。
     その結果、天然の炭酸水だけでは供給が追いつかなくなってきて、早速、ドイツで「人工炭酸水」というのが作り出された。「固定された空気」というふうに言われたんだけど。アメリカにも、その機械がやってきた。
     ヨーロッパの貴族たちも、消化不良や頭痛薬として、炭酸水を飲んでる。本当にね、当時、炭酸水というのは薬局で売ってたんだ。

     もちろん、あっという間に、アメリカ中の薬局の隅に「炭酸水を飲むためだけのブース」が出来た。
     炭酸水のタンクが置かれて……もしくは、炭酸水の発生器を直接置いたところもあるんだけど。それらは「ヨーロッパの天然の泉(ファウンテン)」というのをイメージさせるために、「ソーダ・ファウンテン」と呼ばれた。
     『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかで、よく学生がソーダやコーラを飲んだりしているところあるじゃん? あれをソーダ・ファウンテンて言うんだけど。あれが薬局にあるのはなぜかというと、もともとは薬品だったから。
     「炭酸水を飲むだけで消化不良が治った」とか、「頭痛が治った」と言われていたので、薬局の隅にソーダ・ファウンテンというのが作られて、それが段々大きくなってきて、そういったファーマシー(薬局)というのが、段々と若者の社交の場みたいになっていった。

     ペンバートン博士は、その当時、この炭酸水にオレンジとかいろんなフレーバーを入れて飲むことが流行り始めてきたのを見て、炭酸水で割るための原液となる新たな薬を探し求めていました。

     もう、これね、正確な日付もわかっているんだけど。「1885年8月」と言われています。
     ペンバートン博士は、行きつけの「ジェイコブズ・ファーマシー」の角で、新聞を買いました。ここは後にコカ・コーラを世界で初めて発売する場所だよね。
     博士がガーッと新聞をめくると、まあ、1面だけは普通の新聞記事なんだけども、2面3面4面と全部、インチキ薬の宣伝です。……まあ、自分でも、そんな薬を調合しているけど。
     「インチキ薬の宣伝ばっかりだ!」と思いながら、新聞をめくっていると、ようやっと、ペンバートン博士は目当ての記事を見つけました。広告の隅に埋もれるようにして、アトランタ市議会のニュースが載っていたんです。
     アトランタ市議会は、その当時「禁酒法」「酒を禁じる」という法律を、全米アメリカに先んじて可決しようとしていたんです。
     それを見て、ペンバートン博士は「やっぱり!」というふうに思ったわけだよね。

     博士は、そのまま薬局の2階の自分が借りてる部屋に向かい、ペルーから届いたばかりの大きな荷物を開けました。すると、南米ペルーから届いた荷物の中には、魔法の植物であるコカの葉と、そのコカの葉からコカインを抽出するろ過器のセットが入っていたんです。
     「やっと間に合った!」と。
     「禁酒法が成立すれば、アトランタだけでなく、アメリカ中で代わりの飲み物をみんな欲しがるようになるだろう」と。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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