岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/04/11

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/03/31配信「【10倍楽しむための予習特集】『巨神兵東京に現わる』『平成狸合戦ぽんぽこ』」の内容をご紹介します。
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2019/03/31の内容一覧


新キャラ「ネコロン」くんの前説、デトロイトマジしんどい

岡田:それではネコロンくん、次のニュースは何ですか?

ネコロン:アメリカ、再び月へ!
 岡田がデトロイトへ行ってる間に、アメリカの副大統領がとんでもないことを言い出したニャ。
 「私はペンス副大統領。アメリカは2024年までに、月へまた行きマース! 行けなかったらNASAはお取り潰しになりマース!」って。

岡田:すげえこと言ってるね。ハッタリかましてきたね、ペンス副大統領。


 でもね、「アメリカが再び月に行く」というのは、正直、無理だと思うんだ。
 なぜかというのを答える前に、さっき話したフォード博物館を建てたヘンリー・フォードが成功した理由を考えてみたいと思うんだけど。

 デトロイトというのは、ちょうどニューヨークとシカゴの中間にあるんだよ。なので、まず、デトロイトでは物流のための「鉄道」が発達した。その前は、幌馬車隊みたいな馬車を動かすための道路が整備されたんだけど。その後、鉄道が発達した。
 おまけに、大西洋まで達する川が近くを流れている。五大湖と繋がりながら、デトロイトから大西洋まで続く、セントローレンス川。大西洋から、エリー湖などの五大湖に繋がって、デトロイトを通って、シカゴ、カナダまで全部繋がっている川なんだ。なので、海運もいける。船を使っての物流もさばける、と。
 こんなふうに、陸路と水路が発達しているもんだから、デトロイトの産業はあっという間に農業から工業へと発達していった。もともと、農業と、あとはカナダ系エスキモーや、現地のいわゆるインディアンなどのアメリカ原住民と取り引きして、毛皮貿易とかもやってたんだけど。
 川で運搬をやっている船の修理から造船業も始まって、列車が通った後も、それを整備しているうちに、「ディーゼル車」という石油を燃料とするエンジンで動いている列車まで、デトロイトでは作り始めた。
 道路が整備されると、馬車の修理から馬車の製作までやって、ついには蒸気機関で馬車を動かすようになった。
 つまり、ヘンリー・フォードがフォード・モーターズカンパニーをデトロイトに作った理由というのは、「ヘンリー・フォードがいたから」じゃないんだよ。そうじゃなくて、デトロイトという土地に住んでいた人達というのは、子供の頃から機械とか歯車をいじって遊んでいて、何かを発明したりすることが当たり前だったからなんだよね。
 もともと、そういう場所だったから、デトロイトでの自動車産業というのが発達したわけだ。

 ただ、そんなデトロイトは、1970年代から日本車の輸出攻撃……アメリカから見たら「輸入」だよね。これによって壊滅してしまったわけだよね。だから、ネコロンが言ってる通り、『ロボコップ』の舞台になったんだ。
 『ロボコップ』というのは、デトロイトであまりにも犯罪が多くなり過ぎて、警官が少なくなった結果、「こんな労働条件では警官をやってられない!」って警官たちがストライキを起こして働いてくれなくなり、デトロイトの街はさらに無法地帯になった。そんな中「給料も貰わずに働いてくれるサイボーグの警官がいるぞ!」という、とんでもない話なんだけど。
 そんな映画が作られるくらい犯罪が増えちゃった理由というのは、結局、街の自動車産業というのが日本車のおかげで潰れてしまって、白人が一斉にデトロイトの街を出てしまい、黒人たちばかりが残っているという状態になったからなんだ。今回、デトロイト行ってビックリしたのは、本当にアフリカ系アメリカ人、黒人の多さがすごかったんだよね。
 そういうふうに、デトロイトの街というのは、もう何十年も工業としての地盤が崩れちゃっているんだ。なので、今からそこで物を作るというのは……フォードもGMも、どんどん工場をロボット化してるんだけど。このロボット化というのは「最新型にするため」というよりも「いかに現地の人間に頼らずにものを作るか」っていう発想から行っているんだ。

 宇宙開発も、正直おなじでさ。NASAにはもう技術者がいなんだよ。もうこの30年間でNASAの技術者っていうのは大体クビになっちゃったから。
 だから、ペンス副大統領が何を言おうとも、「アメリカが」行くんじゃなくて「民間が」行くことになるんだよね。

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