【本格将棋ラノベ】俺の棒銀と女王の穴熊
『王手桂香取り!』第3巻のレビュー、2回目です。こんな中学生時代を送りたかった。
第二局 春は飛翔の季節
一気に時間が過ぎて、卒業式のシーンから始まります。ついに桂香先輩を見送ることになった歩くんですが、香車のアドバイスで花束をプレゼントすることに。いや、中学生が5,000円の花束を買うってのは、そうそうできることじゃないです。
この花束の効果はてきめんで、桂香は感動の涙を見せます。ちょうど挿絵もあるんですが、威力が高い! 前巻通して、一番好きな挿絵かもしれません。その流れで桂香から遊びに誘われ、舞い上がりまくる歩が微笑ましい。彼の言動は何かと大人びているのですが、こういうところはやはり中学生です。
で、あとは爽やかなデート描写がみっちりと。もちろんラッキースケベ的な展開があろうはずもなく、きわめて健全なデートに終始します。桂香のほうは歩のことを男性として意識しているわけではなく、デートという意識もないんですけれど。ただ仲のいい後輩と遊んでいるだけで。しかし第一巻、第二巻からは格段の進歩ですね。
さて、まさに飛翔の勢いで存在感を増す桂香に対し、駒娘たちは?
ずっと主人公を指導してきた霊的な存在が、やがて姿を消すというのは、『ヒカルの碁』でもあった展開ですが、そんなことを匂わせる台詞が出てきます。
つーか、まだ飛角金銀の駒娘が出てきてないじゃないですか! 彼女たちが出てこないままフェードアウトなんて勘弁してください。歩とはちょっと違った不安を抱えながら、最終局を迎えることになるのでした。
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