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北島秀一・山路力也・山本剛志さん のコメント

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北島秀一・山路力也・山本剛志
>>33
私も「やまぐち」店主から指摘されるまで、「会津」と「喜多方」のラーメンに明確に違いがあるとは気づきませんでした(山本)。
No.40
136ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
ラーマガ限定「NAKED」#001 らぁ麺やまぐち『会津のかけらぁ麺』 実食インプレッション  麺とスープだけで美味いと唸る一杯。究極の「かけラーメン」に人気ラーメン店が毎月月替わりで挑戦する、ラーマガ限定「NAKED」。記念すべき第1作目は、西早稲田の人気店『らぁ麺やまぐち』が参戦。店主山口裕史さんの故郷である「会津」のラーメンを、山口さんの視点で一から再構築した一杯が出来ました。  スープは丸鶏、豚ガラの動物系素材に、長崎産の煮干しをプラス。さらに玉葱、生姜などの香味野菜を加えたもので、地元会津ラーメンの味を磨き上げたもの。醤油ダレは奥出雲の「森田醤油」の薄口醤油でチャーシューを煮て豚肉の旨味を閉じ込めた醤油。麺は会津特有の手打ち麺をイメージし、京都の製麺所「麺屋棣鄂」に特注した麺量170g、切刃#10の平打ち麺。唯一乗せることが許されている薬味は、こちらも会津ラーメンに倣って長ネギを使用し、食感を大切にするために厚めに切ったもの。  山口さんが会津ラーメンの良い点を活かし欠点を改良した一杯は、やまぐちの通常のラーメンとはまったく異なる設計ながらも、やまぐちらしさが十二分に感じられるラーメンになりました。 北島秀一  今回のラーマガ限定企画は「かけラーメン」。例えば具材別皿とか、あるいは試食時などで具材の乗らない「光麺」状態を食べた事は何度もあったが、「最初から『かけ状態』前提で設計されたラーメンを一杯食べる」と言うのは初めての経験だったかも知れない。ラーメンは、若手の精鋭「らぁ麺やまぐち」。開業してからまだ一年未満だが、元々は福島県に凄い自作マニアがいると評判になり、その後都内でも何軒かを手がけて来た筋金入りの若手職人。その彼が「会津のラーメンは喜多方ラーメンと同じじゃないんですよ」との想いを込めて手がけてくれたラーメンが「NAKED」の先陣を切る。鶏をベースに煮干の風味を柔らかく加え、まろやかな醤油風味で牽引するその味わいは、確かに「和」から出発したと言う方向性を強く感じさせ、更に太めのもっちりした多加水麺は如何にも喜多方や白河を擁する福島県の味わい。そして、これこそ「NAKED」の真髄となるのはむしろ食べ手側の意識だ。敢えて具材が無い事で、麺とスープに全神経が集中する。何千杯ものラーメンを食べて来たが、これはほとんど未知の感覚で我ながら本当に驚いた。「具材別皿」とも「味見」とも全く異なり、気持ちがぐいぐい麺とスープに入って行くのは何とも鋭くマニアックな楽しさだった。その感覚を存分に受け止めてくれるハイレベルな一杯を提供してくれた山口店主に心からの感謝を。 山路力也  ラーマガでも限定ラーメンをやろうと提案した時、そのテーマは「かけラーメン」しかないと思っていた。私たち三人が限定ラーメンをお願いすれば、きっと大半のお店は二つ返事でOKしてくれるだろう。しかしそういう言わば「馴れ合い」の中での限定ラーメン企画はやる意味がないと思っていた。作り手である店主さんが一瞬怯むような、あるいはやってやろうと創作意欲をかき立てられるような、そんな限定ラーメン企画でなければ、ラーマガでやる意味がない。ラーメン職人としての経験や技術、発想が如実に味に反映されるような一杯。そして食べる側も今までのラーメン経験を総動員して味わうような一杯。作り手と食べ手が本気でぶつかるラーメン。それはもう言い訳無用、逃げ場無しの「かけラーメン」しかあり得ないのだ。山口さんには「最高に美味いかけラーメンを作ってくれませんか?」としかオーダーしなかった。そこで色々尋ねることもなく「やりましょう」と答えた山口さんは、一瞬にして私の意図を感じ取ってくれたのだ。その瞬間に私は今回の企画の成功を確信した。しかし出て来たラーメンはいい意味で大きく私の予想を裏切るものであった。私は今のやまぐちの鶏ベースのラーメンをもっと厚くしたような、究極の鶏清湯ラーメンが出て来ると想像していたのだが、それは老舗で何十年も出しているようなどっしりとした存在感を漂わせながらも、現在の技術で構築されたネオクラシカルな一杯だったのだ。これは会津出身で、なおかつ無類のラーメン好きである山口さんで無ければ絶対に作れない一杯。「NAKED」はその名の通り、作り手の生き様までも「丸裸」にして丼の中に写し出してしまうのだ。 山本剛志  ラーマガ限定の第一回ということで、試食する我々も緊張。出てきたかけラーメンは、スープの色と漂う香りが、通常メニューとは明らかに異なる。今回店主の山口さんが作ったのは、自身の出身地でもある会津若松市のラーメンをベースに、理想を追求し試作を重ねた完全新作。会津若松のラーメン文化は蕎麦から生まれていて、中華料理から発展した喜多方ラーメンとは違いがあると山口さんから教えられて驚く。麺は通常メニューも担当している京都の製麺所「麺屋棣鄂」にオリジナルのレシピを発注。太くて軽く縮れた麺は、啜れば口にモチモチの食感を感じさせ、啜れば麺の中央部に力強さを残した茹で加減が素晴らしい。スープは鶏をベースにし、飲んでいると煮干のふわっとした香りが、口と鼻に広がるもの。スープを飲み飽きることなく、ネギの切り方までも考えられていて掛け値なしに完食できる一杯。650円のかけラーメンでここまで驚かされるとは思わなかった。 らぁ麺やまぐち 店主  山口裕史 より  今回のラーマガ限定「NAKED」でお出ししている「会津のかけらぁ麺」に関しての詳細です。 【麺について】  今回の麺は、当店の麺を作って頂いている「麺屋棣鄂」製の新作麺となっております。自分なりに会津のラーメンをイメージして作って頂きました。会津麺と喜多方麺の違いを個人的な見解で述べさせて頂くと、「喜多方麺」機械ちぢれの多加水麺、やや薄めな平打ち、熟成が長めで密度感が高め。「会津麺」手打ち感を重視した手揉み風麺、密度が喜多方より低めでふっくらした食感、麺は喜多方より太め。こんなイメージでしょうか?それぞれの代表的な製麺所は、会津は小西製麺、鈴木製麺、ヤマゴ製麺など。喜多方は曽我製麺、朝日屋製麺、五十嵐製麺など。よく喜多方ラーメンは手打ち麺と表される事がありますが、実際には喜多方で手打ち麺を作っているお店はほとんど無く、製麺所の麺を使用した店が殆どです。一部「手打ち麺」をウリにしているお店もありますが、実際には会津若松市の手打ち麺を作っている製麺所の麺を使用しており、区分としては会津ラーメンの麺ということになります。それぞれのお店であまりそういうイメージを持たずに、各々のお店が良いと思う麺をチョイスしているので、麺に関しては混在しているというのが実際の所かと思います。 【スープについて】  個人的見解ですと会津ラーメンと喜多方ラーメンの一番大きな違いはスープだと思っております。フリークの方はご存じかと思いますが、喜多方ラーメンは、その元祖と言われている「源来軒」を始めとした中華料理が原型となる派生形で、豚骨や背脂など強めの動物系のスープに魚介(煮干し)をプラスした構成が基本です。一方の会津ラーメンは、もともと地元で根付いてる「日本蕎麦」で使用されていた鶏をベースとした出汁に魚介(煮干し)を加えた構成になります。そのため喜多方の力強いスープよりも会津ラーメンは素朴さが感じられる優しさがあります。どちらが上と言う事ではなく、お互いが切磋琢磨し進化しておりそれぞれ魅力があると思います。知名度では喜多方が圧倒的ですけど(^_^;) 【タレについて】  濃口醤油文化の福島において、何故かラーメンに関しては会津、喜多方問わず「薄口醤油」を使用するのが主流となっております。有名店が多数使用している地元醸造蔵の醤油もありますが、現在は大豆と小麦だけを使用した薄口醤油の入手が難しい事もあり、今回は「らぁ麺やまぐち」で使用している「森田醤油」さんの「丸大豆うすくち醤油」を使用いたしました。  素朴さが魅力でもある会津ラーメンですが、先進のタレの火入れ温度管理、継ぎ足しによるブレの回避、保存状態など、あまり気を使っていないだろうと思われる部分を厳密に管理し、新世代の「会津ラーメン」を作りあげてみました。そんな感じで完成した今回の「会津のかけらぁ麺」。喜多方と会津の違いを表現してみたつもりですので、微妙な違いを感じてもらえれば嬉しく思います。いずれ喜多方をテーマとしたラーメンも提供できればと考えておりますのでお楽しみに! ■特別寄稿 「私が食べるべきラーメン」大崎裕史  福島県会津地方には「喜多方ラーメン」という大きなご当地ラーメンの存在がある。しかし、会津の入口であり、最大の都市でもある会津若松市にもプチご当地ラーメンは存在する。それが「会津ラーメン」。どこがどう違うか、はあえて説明しないが同じ会津の出身である「やまぐち」店主と私は何度かその件で話したことがある。だからこそ、今回の「会津のかけらぁ麺」を私は食べねばならない。私が食べるべきラーメンなのである。  麺が手打ち風の手もみ麺。喜多方風でもなく、もちろん白河風でもない。会津の手打ち風の麺。これは実にいい麺だった(今回のコンセプトの麺として)。外側が柔らかめで中央はコシがある感じ。手もみを加えている分、均一の太さじゃないので麺によって食感が違うのが楽しい。スープは鶏と煮干しで一見シンプルであるが、これだけで飲ませなくてはならないので、旨味もあり、強いだけじゃダメな飽きの来ないパワーも必要。そこを十分に見せつけてくれた一杯。さすが「会津」も「喜多方」も知り尽くした男。おいしかった。そしてにやけた。コレクターなのでお役目終了なのだが、機会があれば、期間中にもう一回食べてみたい。会津出身として。 大崎裕史 :ラーメン評論家、自称「日本一ラーメンを食べた男」。1959年生まれ。福島県出身、東京都在住。株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。東京ラーメンショー2013実行委員長。著書『日本ラーメン秘史』(日本経済新聞出版社)『無敵のラーメン論』(講談社)他多数。 【NAKED #001】  らぁ麺やまぐち(東京都新宿区西早稲田2-11-13)  「会津のかけらぁ麺」(650円)    一日20杯限定(13:00〜10杯、17:30〜10杯/日祝13:00〜20杯)    販売期間:10月8日(火)〜31日(木)    (ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です)
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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集。三人のラーメン評論家によるラーメン情報専門ブロマガです。膨大なラーメン情報が錯綜する今の時代、プロのラーメン評論家による濃厚で上質なラーメン情報を発信していきます。三人が日々食べ歩いた数多くのラーメンの中から「今食べるべきラーメン」をご紹介するほか、最新のラーメン情報についても随時お伝えしていきます。