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  • ラーマガ限定「NAKED」#079

    2020-09-13 00:001
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    ラーマガ限定「NAKED」#079
    きら星『メタモルかけ豚骨』
    実食インプレッション

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     ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。それが「NAKED」なのです。

     第79作目はついに『きら星』が堂々の登場!店主の星野能宏さんによる渾身の一杯は、長年の豚骨愛がほとばしりまくったNAKED。麺もスープも油も仕掛けが満載の、ラヲタ心を強烈にくすぐるマニアックでワイルドでインパクトがあり過ぎるNAKEDが完成しました。


    1c810daf91127abd46b9933195c1f7719f037f02山路力也

     店主の星野さんとの出会いは気がつけばもう20年くらいになるのかも知れない。インターネット上のラーメン情報をやり取りする場で、千葉船橋にあった背脂ラーメンの名店『らーめん一丁』の情報をやり取りしたのが最初ではなかったかと思う。その時、彼はラーメン店主ではなかったし、私もラーメン評論家ではなかった。20年経った今、お互い立場こそ違えどラーメンを生業としている事に感慨深いものがある。

     もちろん『きら星』はこのNAKEDの企画当初から候補に挙がっている店だった。企画スタートの初年度に関しては23区内でやろうと決めていたので、それ以降にお願いしようとずっと思っていたが、気がつけば7年も経ってしまっていた。星野さんからは「お声が掛かるのをずっと待ってました」と言われてしまった。お世辞でも嬉しいなと思っていたが、その瞬間に「すでに2案は準備出来ている」と言われた。本当に待っていてくれたのだ。聞けば、過去のNAKEDもいくつか食べられているそうで、その時に「自分ならどう作るかな」などと考えて試作をされていたのだとか。いやもうホントにラーメン店主というか、ラーメンマニアの鑑のような人である。

     そんな星野さんが作る一杯だから、そりゃもう凄い一杯になっているのは言うまでもない。ベースのスープは白濁した豚骨スープに挽肉を加えて不純物を取り除きつつ旨味を付加していく、中国料理でいうところの「掃湯(サオタン)」の技法で作られた優しい味わいのスープになっている。そして通常営業でもベースになっているガンガン炊いた濃厚な豚骨スープから油分と骨髄分を抽出した言わば「豚骨油」を途中で入れると、一気にワイルドな豚臭いガツン豚骨スープに様変わりするメタモルフォーゼ。

     ラーメンの世界ではよく「味変」というギミックが用いられるが、魚粉で豚骨魚介になったり、唐辛子で辛いラーメンになったりと、まさに味が変わるものがほとんどだが、星野さんのメタモルフォーゼは豚骨から豚骨なのだが驚くほどに表情が激変するのが凄い。今までにない味変の表現ではないかと思う。そして麺は、製造工程で何度か乾燥させることで乾麺のような状態になっているものを茹でている。麺がスープをしっかりと吸い込んで、これまでにない味わいと食感を体感することが出来る。

     いやもうこれは凄い。7年焦らしていた甲斐があったというものだ。ラーメン好き、特に豚骨が好きな人は全員食べるべき一杯だと言い切ってしまおう。

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     きら星の星野さんは、私より先にラーメンを食べ歩く「ラーメンフリーク」の先輩にあたる。私が優勝した「TXチャンピオン ラーメン王選手権」で決勝戦を争った事もある。

     そんな星野店主、今でも毎年夏休みは九州に食べ歩きに行くという。「ラーメンフリーク出身の店主」という雑誌のキャプションに「今も現役ラーメンフリークです」と直しを入れたという話もある。15年以上行列店の店主でありながら、常にラーメンに対するアンテナを張り続けている、そんな星野店主が満を持してNAKEDに登場した。

     ベースのスープはもちろん豚骨ベースだが、白濁したスープに挽肉を加えて加熱し、旨みをプラスしながら徐々にスープを澄ませるという「掃湯」の技法で作られた「豚清湯」。中華料理で用いられる本寸法の「清湯スープ」。もちろんこのスープだけでも美味いし、乾燥を加えた自家製の中細麺をしっかりと茹でていて、スープをしっかりまといながら麺自体の味わいも口の中に広げてくれる。

     更に驚くのは、別容器に入れられた「豚骨油」。豚骨スープから浮いてきた油と骨髄を抽出した、いわば豚骨の「キモ」とも言いたいパーツ。これを徐々に入れて味の変化を感じようと思っていたが、気付けば一気に入れてしまった。かき混ぜれば濃厚で強烈な印象を残す、濁った豚骨スープになって、口を喉を、胃も豚骨の旨みで充満させてしまう。

     夜のみ限定10食とハードルは高いが、それを乗り越えて是非食べてみてほしい一杯。現役ラーメンフリーク、中でも豚骨ラーメンマニアとして突き詰めてきた星野店主の世界が、この丼の中に濃縮して入っている。


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    【NAKED #079】
     きら星(東京都武蔵野市境南町3-11-13/JR線・西武線「武蔵境」駅より徒歩4分)

     「メタモルかけ豚骨」850円
      販売期間:9月1日(土)〜9月30日(水)

       ※一日10食限定(夜の部17:30〜の販売)
       ※売り切れの場合はご容赦下さい。
       ※ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です。

  • ラーマガ限定「NAKED」#079 発表!

    2020-08-30 00:00
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    ■ラーマガ限定は「かけラーメン」

     『ラーマガ』では毎月1軒のラーメン店とコラボレーションして、ラーマガ限定ラーメン「NAKED」を毎月月替わりで発表して参ります。

     近年、ラーメン界では限定ラーメンが数多く出されています。旬の食材を用いたり、今までにない方法論で挑んだり、創作意欲あふれるラーメン店主さんの作り出す鮮やかな一杯は、どれも素晴らしいものばかりです。また雑誌やラーメンサイトなどが企画する限定ラーメンなども人気のようです。

     ラーマガでも限定ラーメンをお願いしたい。しかし他でも食べられるような、既存の限定ラーメンのスタイルではラーマガでお願いする意味がない。ラーメンの作り手の皆さんの創作意欲をかきたてるようなテーマのラーメンにしたい。そして食べ手であるラーメンファンもドキドキワクワクするようなテーマのラーメンにしたい。

     そこで私たち三人がたどり着いた答えが「かけラーメン」でした。

     丼の中にあるのは麺とスープだけ。最初から最後まで、口に入って来るのは麺とスープだけ。麺とスープだけで美味いと唸る一杯、麺とスープだけで満足出来る一杯、そして麺とスープだけで完成された一杯。それがラーマガ限定「NAKED」のコンセプトでありテーマです。

     これはただ既存のラーメンに乗った具材を外せばいいというものではありません。ラーメンの設計を一から見直さなければならなくなります。浮かべる油も重要になりますし、唯一許されている薬味の存在がとても大きなものになります。丼の中に入っているすべてのものに繊細な神経を配らなければならなくなります。ラーメン職人の技術、意識が問われる一杯になります。

     同時にそれは、ラーメンを食べる側の味覚や意識も問われる一杯となります。時間が経つに連れて刻々と変わりゆくスープの味、香り、そして麺の食感、味わい。誰もが今までに感じたことのない集中力と楽しさで目の前の丼に向き合うこととなるでしょう。

     麺とスープだけ。このシンプルなルールによって、すべてのラーメン職人が同じ土俵に立つことになります。結果として、作り手側のモチベーションも格段に上がっていきます。他のどの店よりも美味いと言わせる一杯を作りたい。そんな作り手としての本能に火をつけていきます。

     毎月この企画に参加するラーメン店は、どの店も言わずと知れた人気店揃い。しかもラーメン作りに高い意識を持ったプロ中のプロばかり。そんな店が毎月月替わりでラーマガ限定に登場し、麺とスープだけで己の味を表現していくのです。

     ラーメンと同じ日本の麺類に「蕎麦」「うどん」がありますが、いずれも「かけ蕎麦」「かけうどん」といったシンプルなスタイルがあり、どこのお店にもそのメニューが存在します。しかしラーメン店で「かけラーメン」を通常提供している店は非常に少ないのが現状です。

     このラーマガ限定「NAKED」を通じて、麺とスープだけの「かけラーメン」の楽しさがラーメンの作り手や食べ手に広がり、いつの日か全国どこのラーメン店でも「かけラーメン」が食べられる時代がくるかも知れません。

     「NAKED」とは「飾らない、素の」といった意味合いがある言葉です。ラーメンの本質に迫った、麺とスープだけで勝負する究極の限定ラーメン企画。ラーマガ限定「NAKED」の世界に酔いしれて下さい。

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    ■NAKED・作品一覧

    【2013年】
    #001 らぁ麺 やまぐち(西早稲田)「会津のかけらぁ麺」(650円)
    #002 らーめん天神下 大喜(湯島)「かけみそ」(680円)
    #003 麺屋武蔵 虎嘯(六本木)「かけ塩ら〜麺」(1,000円)

    【2014年】
    #004 そばはうす 不如帰(幡ヶ谷)「鮮魚のかけそば 塩」(700円)
    #005 饗 くろ㐂(秋葉原)「かけそば〜春の息吹〜」(900円)
    #006 麺や七彩 東京駅(東京)「鶏と小麦のかけ」(950円)
    #007 本枯中華そば 魚雷(春日)「鶏と貝のかけそば〜四重奏」(980円)
    #008 中華そば しながわ(要町)「かけらぁ麺」(800円)
    #009 牛骨らぁ麺 マタドール(北千住)「かけにぼらぁ麺」(700円)
    #010 麺場 Voyage(蒲田)「昆布と牡蠣の二層の冷やがけ」(750円)
    #011 666(駒沢大学)「かけ中華麺」(700円)
    #012 志奈そば 田なか(東池袋)「かけそば田なか〜房総の恵み〜」(800円)
    #013 G麺7(神奈川/上大岡)「らーめんかけ」(550円)
    #014 立川中華そば とと ホンテン(立川)「魚×魚(ととかけ)」(800円)
    #015 らーめんえんや(王子)「かけ塩煮干らーめん」(700円)

    【2015年】
    #016 秀ちゃんラーメン 赤坂(赤坂)「なしか」(450円)
    #017 ラーメン大至(御茶ノ水)「かけラーメン 至」(670円)
    #018 まごころ厨房(東陽町)「能登大谷塩かけ」(640円)
    #019 麺屋 音(北千住)「四種の煮干しかけそば」(600円)
    #020 らーめん愉悦処 鏡花(立川)「割りかけラーメン」(650円)
    #021 Miso Noodle Spot 角栄(代々木)「眠り羊のかけ」(800円)
    #022 麺の坊 砦(神泉)「鴨にぼ「かけ」らぁめん」(700円)
    #023 中華そば ムタヒロ(国分寺)「アジのかけ塩中華そば」(600円)
    #024 中華そば ふくもり(駒沢大学)「自家製麺記念そば」(750円)
    #025 鯛塩そば 灯花(曙橋)「浅利のかけそば」(700円)
    #026 らあめん元(蓮根)「鶏節薫るかけ塩らあめん」(850円)
    #027 らー麺屋 バリバリジョニー(小岩)「牡蠣ポタジョニー」(850円)

    【2016年】
    #028 堀切つけそば 照久(堀切菖蒲園)「赤照久」(750円)
    #029 らーめん 五ノ神製作所(大久保)「かけらーめん オマール海老の滴り」(880円)
    #030 さんじ(稲荷町)「かけ髄麺 黒」(700円)
    #031 拉麺5510(大島)「鶏ガラの主張〜福田海苔の逆襲」(650円)
    #032 地球の中華そば(神奈川/伊勢佐木長者町)「塩かけそば〜初夏のトマト味〜」(800円)
    #033 真鯛らーめん 麺魚(錦糸町)「金目鯛かけらーめん」(700円)
    #034 麺処ゆきち(千葉/北習志野)「野菜とあさりのかけ塩らーめん〜ほんのりトマト風味〜」(650円)
    #035 超純水採麺 天国屋(町田)「純水太刀魚かけ麺」(800円)
    #036 麺劇場玄瑛 六本木(六本木)「山椒薫るかけラーメン」(600円)
    #037 いつものねかせ屋(五反田)「神様のかけ中華」(1,000円)
    #038 さんまらーめん鈴木さん(千葉/京成大久保)「さんま搾りかけらーめん」(750円)

    【2017年】
    #039 凪 西口店分店(新宿西口)「銀付いりこと長州黒かしわのかけそば」(1,000円)
    #040 ZeCT byLm(小川町)「燻湯カルテット」(700円)
    #041 つなぎ(恵比寿)「味噌の極みかけそば」(690円)
    #042 MENSHO(護国寺)「塩煮干」(1,000円)
    #043 noodle kitchen ミライゑ(志茂)「かけタンメン」(850円)
    #044 麺やふくろう(千葉/馬橋)「アジディープインパクト」(600円)
    #045 ラーメン赤青 MURASAKI(武蔵小金井)「カナガシラ煮干しの白だしらぁ麺」(600円)
    #046 京紫 灯花繚乱(四谷三丁目)「京都宇治抹茶冷やし麺」(580円)
    #047 拉麺 阿修羅(千葉/船橋)「かけソースらーめん」(700円)
    #048 竈TOKYO(西早稲田)「竈ラーメン豚煮干 しおかけ」(650円)
    #049 らーめん雅樂(神奈川/あざみ野)「ガザミのかけ味噌らーめん」(800円)

    【2018年】
    #050 中華そば あの小宮(都立大学)「お湯かけ中華そば」(500円)
    #051 豚骨麺 あの小宮(都立大学)「お湯かけらーめん」(500円)
    #052 ナルトもメンマもないけれど。(神奈川/元住吉)「玉ねぎマー油のかけオニ白湯」(650円)
    #053 175°DENO担担麺 TOKYO(新宿)「かけ担担麺(Miso)〜香港麺〜」(600円)
    #054 ラーメン大木戸(梅屋敷)「アサリとホンビノスのかけラーメン」(700円)
    #055 鬼そば藤谷(渋谷)「甲殻類最強かけらぁ麺〜伊勢海老VSずわい蟹〜」(700円)
    #056 辛っとろ麻婆麺 あかずきん(祖師ケ谷大蔵)「桜海老香る かけ担々麺」(850円)
    #057 中華そば 萬福(東銀座)「かけ塩中華そば」(900円)
    #058 Sagamihara 欅(神奈川/小田急相模原)「出汁らーめん」(650円)
    #059 ひよこプリン(平井)「リコぴんくめん」(900円)
    #060 自家製手打ち麺 粋や(千葉/西千葉)「秋変化かけらぁめん」(900円)
    #061 麺屋一燈(新小岩)「豚そば」(900円)

    【2019年】
    #062 麺処まるわ(千葉/作草部)「作草部式焼きラーメン すっぴんカレー」(850円)
    #063 ラーメン246亭(神奈川/青葉台)「比内中華NAKED」(700円)
    #064 長尾中華そば 神田店(小川町)「かけ焼干し」(950円)
    #065 麺バカ息子(京急蒲田)「かけ00(れいわ)」(880円)
    #066 The Noodles & Saloon Kiriya(千葉/初石)「浅利の潮かけsoba」(800円)
    #067 麺屋六感堂(池袋)「実山椒薫る 冷製かけラーメン」(800円)
    #068 伊蔵八中華そば 祐天寺店(祐天寺)「素っ裸そば」(750円)
    #069 麺屋中川會 住吉店(住吉)「かけ醤油そば」(650円)
    #070 らーめん一辰(亀有)「鶏と豚の塩かけらーめん」(650円)
    #071 麺屋清水(小岩)「かけ塩らーめん」(800円)
    #072 麺処若武者 ASAKUSA(浅草)「極上上湯麺」(1,000円)

    【2020年】
    #073 輝道家(野方)「超醤油」(700円)
    #074 4代目松屋食堂(千葉/下総中山)「東京しゃもデトックスかけらぁめん」(780円)
    #075 麺屋翔 御徒町店(御徒町)「塩かけ」(700円)
    #076 中華ノ麺 Xing fu(高円寺)「かけ麻婆豆腐麺」(700円)
    #077 我的中華そば 机上の空論(東十条)「かけ中華そば」(650円)
    #078 秋刀鮪だし 宣久(芦花公園)「秋刀鮪だしかけらーめん+追い焙煎秋刀魚節」(850円)

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    ■第79作目は「きら星」が登場!

     ラーメン界に衝撃を与え続ける究極の限定ラーメン企画「NAKED」。第79作目はついに『きら星』が堂々の登場!店主の星野能宏さんによる渾身の一杯は、長年の豚骨愛がほとばしりまくったNAKED。麺もスープも油も仕掛けが満載の、ラヲタ心を強烈にくすぐるマニアックでワイルドでインパクトがあり過ぎるNAKEDが完成しました。

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    【NAKED #079】
     きら星(東京都武蔵野市境南町3-11-13/JR線・西武線「武蔵境」駅より徒歩4分)

     「メタモルかけ豚骨」850円
      販売期間:9月1日(土)〜9月30日(水)

       ※一日10食限定(夜の部17:30〜の販売)
       ※売り切れの場合はご容赦下さい。
       ※ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です。

  • ラーマガ限定「NAKED」#078

    2020-08-15 00:00
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    ラーマガ限定「NAKED」#078
    秋刀鮪だし 宣久『秋刀鮪だしかけらーめん+追い焙煎秋刀魚節』
    実食インプレッション

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     ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。それが「NAKED」なのです。

     第78作目は芦花公園の実力店『秋刀鮪だし 宣久』が満を持しての登場!店主の松本久夫さんによる一杯は、秋刀魚と鮪の旨味がほとばしるNAKED。香ばしく食欲をそそるNAKEDが完成しました。


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     高井戸で生まれ育った私にとって、芦花公園は子供の頃から慣れ親しんだ場所。そんな芦花公園が、今年に入って新店が次々オープンして、一躍ラーメンホットエリアとして注目を集めている。しかしながら、この街でラーメンと言えばやはり「アイバンラーメン」であり、今はその店舗を譲り受けた「宣久」ということになる。

     そんな宣久が満を持して放つNAKEDは、宣久らしさが全開の一杯になっている。秋刀魚と鮪がこの店の特徴となるが、その基本スタイルはそのままに、さらに秋刀魚の香りと味わいを増強させたスープがとにかく美味しい。秋刀魚と鮪、昆布と動物系は使わないスープに秋刀魚の香りを漂わせた鶏油。さらに砕いた秋刀魚節を焙煎したものを追い鰹ならぬ「追い秋刀魚」して、香ばしさと旨味をさらに強化した。このスープはぐいぐいといけてしまうなぁ。

     そして宣久といえばなめらかな自家製麺も忘れてはならない。しっかりと茹できった麺の美味しさを味わえるのも、かけラーメンの醍醐味。当たり前のことだが、麺とスープが美味しくなければNAKEDは成立し得ない。宣久の実力をまざまざと感じさせられる一杯に大満足。

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     2016年に、旧甲州街道沿いに開店した「秋刀鮪だし 宣久」。ご主人は、それまでにここにあった「アイバンラーメン」で店長を勤めていた方で、ニューヨークに移転した店の跡で独立した形になる。岩手県出身で、岩手の食材を取り入れる他、「秋刀魚」と「鮪」、そして鶏をベースに使ったスープで、醤油・塩・つけ麺の他、「背脂生姜醤油」も提供している。

     今回のNAKEDで提供される一杯は、醤油味をベースにしつつも、スープは鶏を排して「秋刀魚+鮪」の魚介系オンリーに。更に焙煎した秋刀魚節の「追い出汁」をプラス。仕上げにかける鶏油にも秋刀魚の香りを加えているので、ひたすらに魚介、特に秋刀魚の魅力を漂わせている。

     そこに合わせる自家製麺は、通常でも使われる中太麺だが、スープに馴染ませるために柔らかめに、しっかりと茹できって合わせている。それによって麺がスープに馴染み、麺を啜り上げる時にスープも一体になって口の中に運ばれる。当初ご主人から「もう少し固めにあげた方がいいでしょうか」と訊かれたが、麺とスープだけの一杯を成り立たせるためには、麺を茹できった方がいいと答えた。茹できってもへたらない、しっかりと作られた麺だからそれが可能でもある。


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    【NAKED #078】
     秋刀鮪だし 宣久(東京都世田谷区南烏山3-24-7/京王線「芦花公園」駅より徒歩2分)

     「秋刀鮪だしかけらーめん+追い焙煎秋刀魚節」850円
      販売期間:8月1日(土)〜8月31日(月)

       ※一日10食限定
       ※売り切れの場合はご容赦下さい。
       ※ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です。