みなさんいかがお過ごしでしょうか、
ストレートエッジ編集者のTMです。
早いもので10月、今年も終わりが見えてきましたね。
オフィスの引っ越しの都合もあり、毎日歩くようになったので、ほどよく健康になった気持ちで生きています。健康診断の結果にも反映されると平和なのですが、どうなんでしょうか。
もうおじさんなので、体力づくりも兼ねて引き続き頑張りたいです。
■
みなさんはボードゲーム、やったことありますか?
テレビなどで特集されているようなハイカラなものには触ったことはないけれど、トランプや人生ゲームぐらいなら遊んだ人は多いんじゃないかなって思います。
Vtuberの配信を見ていると、たまに七並べとか、ババ抜きみたいなものでも遊んだことがないという人がいて、びっくりすることはあるんですけれど。
自分はボードゲームが好きで、時節柄もあって最近はめっきり遊ぶ機会が減ってしまったのですが、一時期は毎月友人と集まって遊んでいたこともあって、いろいろなゲームに触れてきました。
それこそ、バックギャモンのような古くからあるゲームも遊んだことがありますし、ゲームマーケットなどで売られているような新しいものもチェックしています。
そんな中で、印象に残っているゲームの1つが、「ラクラク大統領になる方法」です。
だいたい4人ぐらいで遊ぶゲームで、選挙や資金を運用して、大統領への当選を目指すという明快な内容です。パッケージが特徴的なのもありますし、発売当時は話題になりましたから見たことのある人もいるんじゃないでしょうか。
このゲーム、何がすごいって、当時流行っていたいくつかのゲームシステムをパクったものなんです。
海外のゲームなのですが原題も「Fremde Federn」というもので、”他人の羽で身を飾る”、つまり”他人の功績を我が物にする”というドイツのことわざのようなものからの引用のようです。つまり原作者も意図的にパクってるんですよね。
具体的なところだと「ドミニオン」、「アグリコラ」、「スルージエイジズ」、「プエルトリコ」などで、どれも大ヒットした作品ばかりです。
「ドミニオン」は日本でも大きな大会が開かれたり、ニュースに取り上げられたりもしました。ガワだけ変えた商品であったり、ルールを派生させたゲームもたくさん出ていますから聞いたことのある人もいるんじゃないでしょうか。
そんな有名ゲームの、いわばキメラみたいなものなのですが、絶妙にバランスが取れていて、遊べる、面白いものになっているところがすごい作品です。
あまりアナログゲームに詳しくなかったりするとそれって権利的にはどうなの?というのが気になるところだと思いますが、実はゲームのルールといいますか、アイディアは権利が発生しないんですよね。
文字数の都合もありますから詳しくは調べていただきたいのですが、例えばパッケージのデザインであったり、ルールブックの文章やカードのテキストは著作権が発生するので、そのまんまコピーすることは違法です。
しかし、ゲームルールは知的財産として認められませんので、同じルールのゲームを作ること自体は問題ないんです。近いところだとデジタルゲームの場合には、特許が申請されて守られることもあるんですけど。
最近でも任天堂とコロプラが特許を巡って係争していましたし、コナミの音ゲーの特許なんかも界隈では有名だったりします。それ以外だと、サッカーゲームの特許を巡って係争が行われたということもありました。
ですから、トランプやオセロ、ドンジャラなどがいろいろな会社から発売されているのも、著作権が切れているからとか、誰が作ったのかがわからないからみたいな理由ではないんですよね。
「ラクラク大統領になる方法」みたいに露骨なのは少ないですが、アナログゲームでは、参考にした作品がひと目でわかるゲームが世にでることが結構あるんです。
ちょっとだけ補足しておきますと、ルール無用の邪悪な世界…というわけではなくて、たいていのゲームは根源的にはトランプだったり、石並べのようなシンプルなところに行き着くために、お互いに節度を守って影響を与えながら良いゲーム、面白いゲームを作っていこうという健全なサイクルが出来ているように思います。
■
ライトノベルに限らず、エンタメ作品においても、パクリ、オマージュ、リスペクトなど言い方は様々ですが、他の作品の影響というのは大きいものですよね。