ちょうど世間的には夏休みという人が多いのでしょうか。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。

私も例にもれず、来週は夏休みで函館に行ってきます。
駒ヶ岳で乗馬をしながら登山をすることができるらしく、今から楽しみです。

牧場でも良いのですが、少し変わったロケーションで、しかも馬の上から
景色を眺めるのはまた格別。そしてコンドミニアムを借りているので
ウニやカニ、アワビなどの食材を仕入れて美味しく頂く予定です。

さて、ここからが本題です。



突然ですが、質問です。



あなたは自分の母親から突然、こんなふうに打ち明けられたら
どうしますか?



「実は・・・お父さんと別れたいと思っているのよ。あんたはどう思う?
もちろん、あんたはお母さんの味方よね。」



ところで世間一般的には60歳以上の夫婦のことを「熟年夫婦」、
そして熟年夫婦の離婚のことを「熟年離婚」と呼びますが、
もし、あなたが40代なら母親は60歳以上でしょうから、
前述の一言はあなたが『両親の熟年離婚』という場面に
遭遇したことを意味します。



「うん。お父さんとはいい加減、離婚した方がいいし、
僕にできることは何でもするよ。」



そんなふうに両親の離婚を後押しするような賛成派の息子は
ごくごく少数で、大多数は母親に対して考え直すよう促す反対派です。


具体的には「今まで何十年も連れ添ってきたのに、
なぜこのタイミングで?!お母さんだって、
もう老い先が長くないのだから、変に波風を立てず、
静かに辛抱して欲しい。今までものらりくらりとやってきたんだから、
わざわざ離婚することないでしょ!」という具合に。


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そこで離婚反対派の面々にお聞きします。本当に母親のためですか?


それとも自分のため?最近、私のところには息子が
「両親の離婚」の相談をしに母親と連れ立って来るケースが
増えています。


母と子はてっきり運命共同体かと思いきや、
必ずしも利害関係が一致するわけでもなさそうなのです。
これはどういうことでしょうか?


まず母親は「とにかくお父さん(夫)と縁を切りたい。それしかない」と
後先を考えず、とにかく気持ちの赴くがまま突っ走りたいのです。

一方で息子はどうでしょうか?


息子にとって両親の離婚は気持ちの問題というよりは
「お金の問題」なのです。



例えば、離婚することによって母親が自立できなければ生活費を
援助しなければなりませんし、父親が離婚に同意するまでの間、
息子が交渉の窓口になることが予想されます。


また離婚後、父親が若い女に唆されて再婚しようものなら大変です。


再婚相手が遺産を隠したりしたら、
そのせいで息子の相続の取り分が減るようなことになりかねません。


このように両親の離婚によって余計な災いが息子へ
降りかかってくるのですが、そもそも「40代男性」に
余裕など全くありません。


なぜなら、思春期の子供、持ち家の住宅ローン、
そして倦怠期の妻を抱え、すでに手一杯なのに生活費の援助、
離婚交渉の窓口、そして遺産「争」続に巻き込まれるなんて
まっぴらなのだから・・・



「両親には最後までずっと『籍』を入れておいて欲しい。
せめて『夫婦』という体裁は保っていて欲しい。
父と母が離れ離れになるような姿は想像できないし、見たくもない!」




もちろん、息子は気持ち的に離婚に反対するという面も
多少、あるでしょうが、正直なところ、これ以上、
面倒なことに付き合わされたくないというのが偽らざる本音
ではないでしょうか? 



だからこそ「もう少しだけ我慢して欲しい。今はそれどころじゃないんだ」と
いう一心で母親に離婚に反対するのですが、相談の現場では
「不可思議な光景」が繰り広げられるのも珍しくはありません。



とにかく息子ばかりがマシンガントークを展開し、
当の母親は黙りこくったまま・・・


私も一歩間違えれば、息子はもちろん、母親も「離婚したくない」の
だと勘違いするところでしたが、往々にして息子の前で母親は
何も言えずに、後日、本音(離婚したい)を言い出すことも多いのです。


このように「母親の熟年離婚」の相談はなかなか一筋縄では
いかなのが実情ですが、引き続き、実際の相談実例を紹介しましょう。



<家族構成>(すべて仮名)
藤谷勇(78歳)年金受給者
藤谷美智子(76歳)専業主婦
藤谷圭介(46歳)勇・美智子夫婦の長男(一人息子)会社員で妻と娘(15歳)の3人家族




「『早く家に帰らせてくれ!さっさと家内を呼べ!
俺を誰だと思ってるんだ!!』お父さんからそんなふうに
罵声を浴びせられ、ホトホト困り果てているんです・・・

息子さんからも何とか言ってやってください。」

今回の相談者は藤谷圭介さん。圭介さんには車で40分のところに住む、
78歳の父親(勇さん)と76歳の母親(美智子さん)がいるのですが、
ちょうど2週間前、勇さんが自宅で突然倒れたようで、
美智子さんが慌てて圭介さんへ連絡をしてきたのです。



「お父さんが『また』倒れたのよ!早く来てちょうだい!!」



圭介さんが仕事を抜け出し、病院へ駆け込んだところ、
美智子さんいわく、勇さんは脳梗塞を発症し、病院へ救急車で
運ばれたようで、緊急手術の末、何とか一命を取り留めたとのこと。


そして圭介さんは高齢の母親に代わり、勇さんの入院手続、
病状の説明、医療費の連帯保証人、そして手術の立会等を
行ったのですが、それが災いのもとでした。


勇さんはまだ手術直後で体の自由が利かず、
また脳梗塞の後遺症で発音に難があるにも関わらず、
女性看護師に対して当たり散らしたようで、
そのせいで父親のクレームが美智子さんではなく
圭介さんのところにやってきたのです。



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確かに勇さんは現役時代、税務署の署長をつとめたほどの人物で、
当時は社会的地位も高かったのですが、とはいえ、
世の中には言って良いことと悪いことがあるでしょう。


しかも、圭介さんが自分の携帯電話に目をやると、
おびただしい数の着信履歴が・・・
そう、すべて勇さんが発信元でした。



「これでもだいぶ静かになった方ですが・・・」



圭介さんは私に対して、自嘲気味にそう言ってくれましたが、
齢78歳になっても、気性の荒さはまだまだ健在のようです。

しかし、圭介さんの悩みの種はそれだけではありませんでした。
今度は母親である美智子さんが泣き付いてきたのです。

「もう、お父さんに召使のようにコキ使われるのは、
もう懲り懲り!今回という今回ばかりは離婚するわ。
だって一緒のお墓に入りたくないんだもの。」と。




(次回に続く)


現在私が執筆しているダイヤモンドオンラインの連載
『実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」』ですが
おかげ様で、17回目が公開されました。

今回は『慰謝料・養育費と不妊治療で毎月赤字 
年収700万円バツイチ夫の憂鬱』です。

男性はもちろん、夫の作戦を守って知りたいという女性にも
役立つ内容です。立場を逆にすれば、きっと応用できるはず?!

ぜひぜひご覧いただければ嬉しいです。

http://diamond.jp/articles/-/81914