田園都市線で渋谷駅から約25分。住宅街として根強い人気を誇る、たまプラーザ。駅前から少し歩いた場所にあるのが、リノベーション会社EcoDeco(エコデコ)で広報を務める天井理絵さん一家のお宅。丘の上部にあるマンションの上階、90平米以上の大きな一室は、リノベーション会社に勤務にし、多くのお宅を見てきたからこその視点が活きた部屋だった。
名前:天井理絵さん 旦那さん お子さん
職業:EcoDecoの広報(理絵さん) システムエンジニア(旦那さん)
場所:神奈川県川崎市宮前区
面積:93.94㎡ 2LDK
購入金額:非公開
築年数:31年 分譲マンション
お気に入りの場所
バルコニーへ続く階段バルコニーへ簡単に出られるようにとつくってもらった小さな階段。ご覧の通り植物を置くのにちょうどいいため植物棚として利用したり、ダイニング横に腰掛ける場所としても活用している。
朝食やホームパーティを楽しむバルコニー取材日はあいにくの天気だったが、天井さんのお宅は丘の上部に位置しているため、見渡す限り遮るものがない。休日には理絵さんと息子さんがバルコニーで朝食を食べながら、旦那さんが起きてくるのを待っているという。
DIYした、足場板のギャラリースペースDIYで棚をつくろうと考え、町田のダルトンファクトリーサービスで購入した足場板をギャラリースペースに。長野県にできた建築建材のリサイクルショップ・リビルディングセンターで購入したアンティークのスイッチプレートカバーや車輪、お気に入りの植物、写真などが並ぶ。
家に帰ったのを実感できる玄関玄関を入ると、こだわりの部屋を広々と見渡せる、中心に立つことになる。
「仕事から帰ってきてこの玄関に立つと、帰ってきたなーと思えます」(理絵さん)
この部屋に決めた理由
場所ではなく、部屋の広さと大きなバルコニーがあるか否かで物件選びを進めた天井さん。旦那さんが子どもの頃に暮らしていた住まいが80平米程度だったことから、それより広い家という条件で探したところ、あまり物件数がなかったそう。内見をはじめてわずか3日目、5・6件目の物件として見たこの物件を即決したという。
詳しいリノベーションの過程については「リノベーションストーリー」にて。
残念なところ
周りに遮るものがないので、風が強い丘の上部、かつの最上階で周りに遮るものがまったくないこともあり、とにかく風が強いという天井さん宅。夏場は風通しのために窓を開けておくと、いろいろなものが飛んでいってしまうほど。物件が古いことと相まって、冬場はその分冷えるそう。
家までの坂が大変理絵さんの書斎スペース
こちらも、丘の上にあるからこその悩み。最寄り駅へは徒歩で通勤している理絵さんと旦那さんだが、通勤時は坂に苦労するという。
「坂は、時々大変だなと思うときがありますね。駅に向かうときは下り坂なので15分くらいで着くんですが、家に帰るときは登りになるので20分くらいかかるんですよ」(旦那さん)
寝室の扉をつければよかった「水周り以外扉をつけなかったのですが、寝室にはつけてもよかった気がしますね。キッチンからにおいがしたり、生活音がたまに気になったり、エアコンの効きもあまりよくないです……」(旦那さん)
お気に入りのアイテム
趣味の熱帯魚を飼育する水槽旦那さんが「休みの日は、ご飯食べている以外はずっと水槽見ているかもしれないですね」と語るほど、お気に入りな熱帯魚たち。部屋には大小いくつかの水槽があり、どれもしっかりと手入れが行き届いてピカピカだった。
家のジャングル化を目指す植物たち「みんなの部屋」で以前紹介した建築デザイナーとフラワーデザイナーの平井さん夫婦のお宅にあこがれているという理絵さんは「家をジャングルみたいにしたいんです」と語る。お宅にはあちこちに植物が置かれており、癒やしの空間が広がっている。
リビングの照明設計士さんにつくってもらった造作照明。デザインがシンプル、かつ間接照明で優しく部屋を照らすのはもちろんのこと、植物をぶら下げるのにもちょうどいい。
amadanaで購入した、取っ手が木の冷蔵庫以前、理絵さんが働いていたamadanaで購入した、取っ手が木製の冷蔵庫は、取っ手が天然木を重ねた強化木を、ひとつひとつ削り出したもの。シャープな風合いは、インテリアになじみやすそう。
暮らしのアイデア
できるところはDIYで寝室側の壁天井や、床のタイルカーペット。廊下に貼ったタイルなどはすべて天井さんがご自身でDIYしたものだという。「おかげでホームセンター巡りが趣味になりましたよ」と語るように、楽しみながら、家を暮らしに合わせてアップデートしていっている。今は、マクラメをDIYしているところだという。
植物はインテリアショップで買わない植物は都心のインテリアショップでは買わず、神奈川県内に数店舗を展開するワールドフラワーにて購入しているそう。または、お宅からすぐのところにある北部市場で植物を買うことが多いという。
「都内のインテリアショップで30,000円とかで売っているものが、安いときは2〜3,000円くらいで買えるんです。これだけ種類を揃えるとインテリアショップだとすごく高くなってしまいますから。その代わり、鉢はこだわりのものを選んだりしていますね」(理絵さん)
これからの暮らし
「当面の目標は、家をジャングルみたいにすることです(笑)。あと、DIYをもっといろいろやりたいですね。子どもが大きくなってきたら壁と扉を立てて、部屋をつくろうかとは思っています。基本的にはここに住み続けるつもりですね。むしろ売ったり貸したりするのであればこの物件は選べなかったと思います」(理絵さん)
入居時からDIYで壁を塗るなど家を自分の手でつくり上げてきた天井さんだからこそ、これからもライフステージに合わせ、家とともに成長していくのだろう。
Photographed by Natsuki Kuroda