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イケアがイノベーションラボ「SPACE10」をコペンハーゲンに創設。次世代のサステナブルライフを探究
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イケアがイノベーションラボ「SPACE10」をコペンハーゲンに創設。次世代のサステナブルライフを探究

2018-01-05 17:00
    世界最大級の家具、雑貨チェーン・イケアは、2015年10月にデンマークのインタラクションデザイン専門機関「CIID」や、建築事務所「Spacon & X」と提携し、デンマークの首都コペンハーゲンに、“未来の生活ラボ(future-living lab)”を標榜する研究機関「SPACE10」を創設。

    世界各地で急速に進行する都市化や気候変動、資源枯渇リスクなど、地球規模で解決すべき課題をふまえ、デザイナーや技術者、アーティスト、クリエイターなど、多様なバックグラウンドを持つ人びとが集まり、次世代に向けた持続可能な生活のかたちを探求している。


    「SPACE10」が拠点を構えるのは、かつて精肉工場が集まっていたエリア。近年はレストランやカフェ、ギャラリー、クラブなどで賑わう、コペンハーゲン中央駅西側のミート・パッキング地区(MPD)だ。以前ROOMIEでとり上げたビアバー「WarPigs Brewpub」とも“ご近所さん”。

    イベントやワークショップが定期的に開催される地上1階のイベントスペースのほか、地下1階には工具やレーザーカッターが備えられたものづくりのための「Makery」と、人工光により植物を栽培する「The Farm」という2つの実験スペースが設置されている。地上2階はオフィススペース。


    「SPACE10」は限られたスペースを最大限に活かし、人びとの創造性が発揮しやすいオフィス空間の工夫が、さりげなく実装されている。壁面には、細長い穴の空いたボードを利用して壁掛けや本棚をフレキシブルに設置。本や観葉植物がほどよく配置され、インテリアの一部になっている。

    また、二段ベッドの仕組みを応用した休憩スペースは、オフィスの席を離れてひとりで黙考したいときに最適な空間。

    「SPACE10」では、このようにクリエイティブかつオープンな空間で、多様な人材によるコラボレーションを通じ、食や住にまつわる様々なプロジェクトに取り組んでいる。

    野菜やハーブを栽培する球状菜園

    代表的な成果のひとつが、野菜やハーブが栽培できる球状の菜園ソリューション「Growroom」。設計データや組み立ての手順はオープンソースとして無償で公開されており、このデータをもとにCNCルーターで木材からパーツを切断し、パズルのようにつなぎ合わせるだけで、簡単に組み立てることができる。

    イケアの家具を部屋に置くシミュレーション可能なスマホアプリ「IKEA Place」

    また、AR(拡張現実)を活用し、イケアの家具を部屋に置いた様子をシミュレーションできるスマホアプリ「IKEA Place」の開発にも成功。ARという先端技術を小売業界で初めて導入した事例としても話題となった。

    「SPACE10」のストラテジー・ディレクターを務めるGuillaume Charny-Brunet氏は、「探究(Explore)し、試作品をつくり(Prototype)、実験的にやってみる(Pilot)」という、「SPACE10」独自の研究アプローチを提唱するとともに、既存の物事を変えるための秘訣を次のように述べている。

    古いものと戦うのではなく、新しいものを創り出すためにエネルギーを集中させることこそ、変化を起こすための秘訣だ。

    「SPACE10」が生み出すさまざまな変化が、私たちの暮らしにどのようなインパクトをもたらすのだろうか。今後も、その動向に注目したい。

    SPACE10

    Photographed by Yukiko Matsuoka

    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2018/01/402123/
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