そこでマンガを軸に事業を展開したり、本を出されてたりしている山内康裕さんに、月に2回、オトナも楽しめるマンガを伺っていきます。今回はVol.4。
山内康裕
マンガナイト/レインボーバード合同会社代表。“マンガ”を軸に施設・展示・イベント等のプランニング業務を提供。共著書に「『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)」「人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)」等
さて、今回のテーマは、「プロフェッショナルとしての心構えを学べるマンガ」。
オススメは、高浜寛著、『エマは星の夢を見る』です。
ーーざっくりと、あらすじを教えてください
元ミシュランガイドの調査員の実体験を基にしたマンガです。
主人公のエマは、ある日憧れのミシュラインガイドとなり、実際に調査をし、レストランを評価していきます。
ーーこのマンガの魅力とはなんでしょうか?
まず、みんなが名前だけは知っているミシュランというものについて、一体、どういう人が、どういう基準で評価しているのかを知れるところが面白いですね。
あとはやはり料理。色んな国の素材や料理を知れて興味深いです。
例えば、「ブレス産鶏肉の串焼きとキノコのソテー」とか、「サラヴァンの生クリーズ添え」とか、もう名前からしてわからないんですけど(笑)、ちゃんと解説が書いてあるから詳しくなれる。
もちろん、日本の話もあるので、馴染みあるエピソードもありますよ。
ーーこのマンガで何について学べますか?
「プロフェッショナルとは何か?」が学べます。
言ってしまえば、調査や評価をする人って裏方だと思うんです。
でも、そういう人の仕事への姿勢とか、凄腕と呼ばれる人なりの仕事力の維持の仕方にこそ学べるものがある。
例えば、僕はミシュランの調査員というのは、料理だけを調べて帰ると思っていたんです。
でも、レストランの厨房まで見ないとわからないこともある。そうなると、見せてもらう時に「自分はミシュランの調査員です」と明かすことになりますね。
ただ、その時に決して自分の名前は教えないんです。名前を知られてしまうと、調べられて電話がかかってきてしまったり、情に流されてしまったりする。公平な立場になれないんです。
しかし、評価する仕事にとって、公平性を保つことはとても重要。だから名前は教えない。それもプロフェッショナルとしての心構えなんです。
ーーちなみに、料理についても学べますか?
はい、学べますよ。
ただ、調理法というよりは、世界で美味しいと評価されているレストランは、なぜ評価されているのか、ということがが分かりますね。
ミシュランガイドでは、味だけでなく気配り、つまりサービスも含めて星を得られる。これって、プロフェッショナルとして、相手のことをどれくらい思えるか?という視点なんですよね。
同時に、プロフェッショナルは提供する価値の根本にあるものを忘れてはならないということも繰り返し触れられるんです。
例えばラーメン屋で、「サービスはいいんだけど、そもそも美味しくない…」ってこと、たまにあるじゃないですか?
それは、まず「おいしい料理を提供する」というプロフェッショナルとしての価値が提供できていない。それではあまり意味がないんですよね。
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そんな『エマは星の夢を見る』、試し読みはこちらから可能です。
1話でしっかり完結しているので、魅力がキチンと伝わってきますよ。
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