無印良品は「トラベル用品」も優秀です。機能性を重視し、無駄を省いた商品デザイン。「それ必要だった!」と思わせてくれる気の回りよう。

しかし……今回ご紹介するものは、事情が異なります。

「驚き、ワクワク感、嘆き」。三段階の感情を与えてくれるアイテムなのです。

こんなに小さくなるなんて…さすが、無印良品

店頭で目を疑いましたが、まぎれもなく、この小さなボックスはTシャツです。

正式には「圧縮Tシャツ」、税込1,490円。

縦横約6センチほどの正方形、高さはそれより低い。

これぞ手のひらサイズのTシャツです。

ポケットにスッと入れておくことも可能ですよ。

友人の服が濡れてしまったり、汚れたりしたら、サッと差し出す。そんなスマートなことができたとしても、友人はそこまで喜ばないでしょう。

その理由は、開けてみるとわかります。

ここまではよかった。ワクワク感の頂点

包装を剥がすと出てくる、柔らかな触り心地。

表面は滑らかですが、物体としては固いんです。布が、Tシャツ1枚分の布が、この小さなボックスに詰まっているのです。

Tシャツよ。圧縮が強すぎたのか?

ほどき始めのあたりは楽しんでいたものの、Tシャツの姿が現れてくるにつれ、少しずつ不安な気持ちが大きくなってきます。

そして最後には、ため息。

これは……いったい何でしょうか。ストール? ワンピース?

たしかに、たしかに「圧縮」はされていました。コンパクトだったことは前述の通りです。でも一度、想像して欲しい。Tシャツがない! という緊急事態で、この商品をバッグに忍ばせておいたことに気付き、胸をなでおろす。しかしその数分後、開いたTシャツがこれだったときのことを。

最初からわかっていれば問題ないものの、緊急的に、かつインナーではなくトップスとしての期待をしていたら、どれだけショックを受けるでしょうか。

もちろん多少洗ったりアイロンしたりすれば延びるのでしょう。ただそれでは、この圧縮の意味は……?

撮影の終わったTシャツを畳みながら、考えたのです。

「手のひらサイズまでTシャツを小さくしたいシーンは、この先あるだろうか?」

限りなくモノを少なくして旅行に行くこともあるでしょう。とはいえ、服を手のひらサイズまで圧縮する必要はあるのでしょうか。畳んだ程度のサイズでも、断然コンパクトだと感じています。

このしわくちゃデザインが良いという人もいるかもしれませんが、個人的に旅行用としては考えられませんでした。でも、防災用としては良いですね。

100回以上の人気連載「マイ定番スタイル」では、私たちの暮らしを変えてくれそうなアイテムを実際に買ってレビューします。直近2回はコチラ。

イケアで見つけたこのハンガー、ズボン収納で活躍するけど…

このアイテムが、レジ袋の収納問題にピリオドを打つ オーガニックコットン圧縮Tシャツ 紳士XL・ネイビー [無印良品]

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