都内から1時間と少し、電車に揺られていると、窓から見える建物の高さがどんどんと低くなっていく。

どこか懐かしいような景色に癒されているうちに、埼玉県のとある駅に到着しました。

ここから、キャンプ好きの沼田さんご夫婦が、家族と愛犬2匹と共に暮らしているというBESSの家へ向かいます。

住宅街を歩き、目的地へ到着。

クラシックなVOLVOの脇を抜けた先の門戸を開けると、BESSのログハウスと、その庭に伸びたオリーブの木が、我々取材班を迎えてくれました。

名前:沼田裕進さん、晶さん
職業:インテリア関係
家族構成:ご夫婦と息子さんと親御さんの4人と、愛犬2匹(レトリーバーのサニーとミックスブリードのミルク)
場所:埼玉県
面積:約50坪(165㎡)二階建て 二世帯住宅
築年数:約6年
物件購入額:約5,000万円

お気に入りの場所

家にいるときは基本ここ!

ご主人である裕進さんのお気に入りの場所は、リビングにある2ヶ所の定位置。

「帰宅したらまずシャワー! そのあとは、本棚の前のアーロンチェアか、テレビの前のソファかのどちらかに座ります。

仕事をするならチェア。呑むならソファ。無意識のうちに、仕事かプライベートかで過ごす場所を分けてますね」(裕進さん)

アーロンチェアは、30年前にハーマンミラーの店舗で買ったもの。体に沿ってしなる感じが最高で、ずっと使い続けているとのこと。

ソファは6年前に無印良品で購入したもの。

ここでビールを呑みながらまどろんでいるうちに、気付くと深夜2~3時になり焦って寝室に向かうことも多々あるのだとか。

愛犬・ミルクもお気に入りのソファ。ミルクは、基本ここにいるそう

気持ちよさそうなハンモックだけど…

取材班が気になったのは、テーブルの横に吊るされたハンモック。

「このブラジリアンハンモックも主人がくつろぎ用に購入したんですが、今だとレトリーバーのサニーが思いっきりじゃれてくるんです。

そうすると勢いでくるくる回っちゃって、階段に頭を打ちそうになるんですよ(笑)。今はディスプレイになりつつありますね」(晶さん)

(左)晶さんに甘えるミルク (右)祐進さんの足元で寛ぐサニー

33kgあるというサニーは取材陣にも興味津々な様子で、同行した編集部員に勢いよく駆け寄ったりと、なかなかのわんぱくっぷり!

「サニー(太陽)っていうより、もう灼熱って感じ(笑)」と、それを止めてくれたお二人が少し嬉しそうにポロリ。

休日は朝から開放感あふれるデッキで…

お部屋に降り注ぐ自然光と、そよ風が気持ちいい

「これからの季節は、ソファに直行する前にデッキで過ごすことも。夜は意外と涼しくてね、いいんですよ」

「呑むのは黒ラベル一択。つまみなしで、ビールだけを永遠に呑むんです(笑)」と硬派(?)な呑み方の祐進さん。

特に休日の朝は、朝の陽ざしを受けながら、ここで朝ビールをキメるのが最高なんだとか。猛烈に羨ましい……!

この部屋に決めた理由

「元々、実家の近くで賃貸暮らしをしてたんです。最終的には親と一緒に暮らした方がいいな、となんとなく場所を探していたんですよ。

6年前に犬の散歩中にここのさら地を見つけて、良さそうだなと思って問い合わせてみたらトントン拍子で話が進んで、あっという間に決まりましたね」

過去に恵比寿で働いていた時に、よく前を通っていた代官山の「BESS」のショールームを見て、ずっと気になっていたのだとか。(当時は「BESS」ではなく「ビッグフット」というブランド名だったそう)

土地が決まったので、じゃあBESSだ! と、打ち合わせに行ったところ、そこでも話がスムーズに進んだそうです。

「BESSのシリーズの『ワンダーデバイス』の中で一番大きなサイズにしました。二階にも一階と同じ設備が揃っていて、二世帯住宅になっています」

「外観は数種類のパターンの中から選べるのですが、この太い、直角の十字の柱に一目ぼれして、今のデザインに決めました」

裕進さんは直線フェチで、車や家具なども、シンプルな直角な構造のモノに弱いのだとか。

残念なところ

本当は、扉にしたかった引き戸

「統一感を出すために、ここも扉にしたかったのですが、採光上の問題で、引き戸じゃないとダメということで……」

掃除に不便な網戸

「プリーツ網戸なので、普通の網戸を掃除する用具じゃキレイにならないのが、ちょっと不便ですね」と晶さん。

ちなみに破れた穴は、ミルクの仕業で、引き出せなくなった左側の網戸はサニーの仕業とのこと。

お気に入りのアイテム

レトロなアイテムを取り入れる

アンティークショップか古道具屋さんで購入したのですか? とお聞きしたレトロな東芝製の扇風機は、祐進さんが中学の頃から使っているモノ。

こちらはROOMIEでも人気のアラジンストーブ。1960年代から50年以上愛されてきた、レトロな見た目が魅力の灯油ストーブですが、こちらはどちらで……?

「ある日車で出かけている時に、廃品回収に並んでる人が持っていたのが見えて!

『え? 捨てちゃうの!?』と思ったから、『捨てるならください!』って話しかけてね、無料でもらったんですよ」(裕進さん)

そんな不思議なタイミングで入手したというこちらのストーブはもちろん現役。 冬は重宝しているそうです。

新旧さまざまな雑誌がズラリ!

「昔から雑誌が大好きで……キレイに分けて並べるとかはしてないんですけど(笑)。バイク、車、キャンプ、ファッション……色々ですね。

基本的に雑誌は全部ぼくのですが、犬関係の本は夫婦で愛読してます」

その本棚には、伝説のカルチャー誌『リラックス』や、約20年前に発行された『少年ブルータス』といった、珍しいバックナンバーも揃っていました。

「これは小学校の頃に買ってた月刊誌『SNOOPY』。昭和52年ぐらいのものですね」と、さらり。

保存状態の良さに、買い揃えられた雑誌たちへの愛着が伝わってきます。

無音で火が楽しめるキャンプの相棒

祐進さんが手に取ったのは、2003年くらいから愛用しているという「ハリケーンランタン」。

静かな夜をやさしい灯りで楽しむ、キャンプには外せないアイテムなのだとか。

「ガスで圧をかけるタイプのランタンは、明るくしている間コーッと音がなりますが、これはろうそくの原理で火を灯しているランタンなので音がしないんですよ」

オーダーメイドのシェルフ

「持ってる食器や電化製品がちょうど入るような割り方を描いて、お願いしました」と、晶さんが紹介してくれたのはキッチンに置かれた大きなシェルフ。

晶さんがフリーハンドで描いた理想のモノを、祐進さんの友人であるデザイナーさんにお願いして作ってもらった一点モノなのだそうです。

朝ごはんのパンを乗せるガラス皿

ファイヤーキングの食器はお皿もコップも愛用してますね。いつもパンをここにのせて食べてます。

機能性とかではなく、ガラス素材の、この風合いが魅力なんですよね」

愛犬3匹が仲良く並んだペーパークラフト

こちらに並んでいるのは、クリスマス仕様の愛犬3匹のペーパークラフト。

先代のレトリーバー「クマ」、5年前にやってきた「サニー」、1年前にきた「ミルク」が仲良く並んでいます。

Instagramを通じて知り合いになった、ペーパークラフトの作家さんが作ってくれたものだそうです。

先代のクマが亡くなり、落ち込んでいたご夫婦が、縁あってサニーを新しい家族として迎え入れ、キャンプ仲間にサニーを紹介したはじめての日。

「キャンプ仲間たちがサプライズで、クマとサニーが並んだかわいいペーパークラフトをくれたんです。

2匹は会ったことはないんですが、仲良く並ばせてくれて。もらったときは嬉しくて号泣してしまいました」

クリスマスやお正月などが近づくと、Instagram上で、「ツリーを作るよ」「しめ縄を作ります」と投稿がされ、メールでお願いすれば注文できるそうです。

作家さんの作品が気になる方は Instagramで『#furano森のギャラリー』と検索してくださいね。

暮らしのアイデア

妥協した買い物はしない

雑貨や家具を国で揃えたり、テイストを固定したりすることはあえてしていないと話す祐進さん。

「アメリカ系も北欧系もヨーロッパ系も、特にこだわらず、心から気に入ったものだけを購入しています。

そうすることで、自然と自分好みの統一感が生まれ、個性のある部屋になっていくように思うんですよね」

妥協して揃えた必要品は、部屋にひとつもないとのこと。

縛りを設けずに、個性のある部屋づくりを目指す人が誰しも真似したい心得です。

しまったモノをそのまま持ち運ぶ

かさばり、ごちゃつくキャンプギアはそのまま持ち出せる箱にまとめて一括収納!

キャンプに行くときは、箱ごと車に積み、キャンプ場では机としても使うのだとか。

そもそも、BESSの家は収納スペースが少ないのが特徴なのだそうですが、普段キャンプで使用している収納グッズをそのまま部屋でも生かすことで、そのあたりの問題をちょっとずつ解決しているのですね。

洗濯物はスタイリッシュに干す

「洗濯物で生活感が出るのが嫌だったので、シェルフを作ってくれたデザイナーにお願いしてこっちも作ってもらいました」という、スタイリッシュなポールは部屋干し用のモノ。

リビングだけでなく寝室やバルコニーにも同じモノがあるので、部屋干し外干しもバッチリですね。

これからの暮らし

キャンプ道具が所狭しと並ぶお部屋

「なるべく物を減らしていきたいです。時代の流れみたいなものも、そうなってきていますよね。

私も頭の中ではそっちに移行しているんですが、気に入って買ったものばかりだから断捨離ができなくて(笑)」

そう話す祐進さんですが、すでに部屋がひとつ物置きになってしまっているそうです。

また、6年前は週末=キャンプというほど、キャンプ三昧だったというお二人。

残念ながら今はお仕事の関係でまとまった休みが取りづらく、キャンプに行く機会も減ってしまっているのだとか。

「どうしても仕事でキャンプに行けないときに、今の家をもっとうまく消化していくことで楽しみたいなと。

夏に庭にテントをはったり、プールに水をはって犬と入ったりはしているので、もっと色々なキャンプ的な楽しみ方を取り入れて、この家での暮らしを更に深めていきたいです」

キャンプ好きのご夫婦が暮らすお家は、室内もひとつのキャンプ場であるかのよう。

そこにいるだけで、チルいひとときが楽しめる、開放感たっぷりの空間でした。

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Photographed by Shohei Noguchi

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