東京の西側に位置し、どこかレトロで落ち着いた雰囲気が残る日野市。

今回ご紹介する小針さんは、そんな日野市から中央線を利用して新宿へと勤めています。

お名前(職業):小針さん (STYLICS インテリアコーディネーター)
場所:東京都日野市
面積とLDK:42.9㎡ 3DK
家賃:6.5万
築年数と住宅の形態:築38年 賃貸マンション

北欧でのワーキングホリデーをきっかけにインテリアコーディネーターとなった小針さんの体験や知識が活かされたお部屋には、どんな工夫が隠されているのでしょうか。

お気に入りの場所

ちょうど良い広さの押入れデスク

この部屋に住む前、雑誌で紹介されていた押入れを活用してつくられたデスクに興味を持ったという小針さん。

ご覧のとおり、自室の押し入れも見事なデスクへと変身させました。

「お化粧と動画を見る際に使うことがほとんどですが、ちょうど良いサイズで気に入っています。天板も白くて汚れはすこし目立ちますが、清潔感がある感じでとても好きですね」

「上の段の本棚は、前の家のときからずっと使っている無印良品のもの。

下のゲージはIKEAで購入したのですが、微妙にサイズが大きくて押入れに入った状態で友達に組み立ててもらいました」

部屋全体を見渡せるソファスペース

大きな窓からの日差しが心地よいソファスペースはお気に入りの場所。

「家の中では、ここにいる時間が長いと思いますね。お気に入りのソファの肘掛にコーヒーを置いて、テレビを見たりゆっくりしていることが多いです」

この部屋に決めた理由

自由に家具を置ける広さ

都心からはすこし離れた日野市で見つけた、3DKという広い間取りの部屋に住む小針さん。

この土地や部屋に決めた理由はどこにあったのでしょうか?

「あまり都会っぽいところは得意ではなくて、田舎に近い雰囲気の方が良かったんです。また、昔からある団地のようなレトロな雰囲気に憧れがありました。

インテリアの仕事をしていると、『これ置いてみたいなぁ』と思う家具にたくさん出会います。なので、スペースを気にせず自由に家具を選べる広い家に住みたかったんです」

残念なこと、気になること

家具の跡が付いてしまうクッションフロア

「住み始めた時から貼られていて、家具によって後がついてしまうのが気になります。

フローリングだったら良いのにと思うし、張り替えるという手もあるのですが、部屋の広さや段差の関係で中々変えづらいんです」

冬場はちょっと大変なバランス釜

同じマンションに住んでいるのはご家族連れや年配の方が多く、若い人はあまり見かけないそう。

その理由は、意外なところにありました。

「若い人が少ないのは、このバランス釜のせいなのかな?と思ってしまいます。

慣れるとそうでもないのですが、それでも10秒ほどバーを回す作業は冬場だとしんどいですね」

最近では見かけることの少なくなったバランス釜。確かに、自動湯沸かしなどに慣れている若い人だと戸惑うことも多そうですね。

お気に入りのアイテム

北欧ヴィンテージのキャビネット

「西荻窪へ足を運んだときに、偶然見かけて雰囲気に一目惚れしたものです。『部屋に入ったときに、こんなキャビネットがあったら良いな…』と思ったんです。

このキャビネットに限らず、統一感を出すために、リビングのインテリアは脚が細くて軽やかな印象のものを選ぶようにしていますよ」

大学の後輩に描いてもらったアート

「趣味で絵を描いている大学の後輩の作品を各部屋に置いています。

描いて欲しいものを伝えると、いつも素敵な仕上がりで描きあげてくれるので、大切に飾らせてもらっています」

部屋の雰囲気にピッタリ合ったソファ

お気に入りだというソファスペースの主役は、あたたかみのある部屋のテイストと大きさにマッチしているように見えます。

「ソファは勤務先で購入したSWITCHのWNソファを使っています。

レトロな家の雰囲気に合う色合いとコーデュロイの生地の気持ち良さで決めましたが、座り心地もとっても良いですよ」

暮らしのアイデア

レイアウトは、自らの生活をイメージして決める

暮らしに役立つアイデアを伺ってみると、インテリアコーディネーターならではのお話が。

「私の部屋のように開口部が多い部屋の場合、家具の配置がとてもしづらいんです。

こうした部屋は普段の仕事でレイアウトを考えるときも本当に難しいのですが、その場合は、住む人が暮らしの中で何を優先させたいかをベースに考えるようにしています」

「私の場合は、部屋を広く見せたかったのと、きちんと椅子に座って食事ができるダイニングテーブルを置きたかった。反対にテレビはそこまで見ないので優先度は低めにしています。

“こうあるべき”なんて固定概念ではなく、自分がどんな生活をしたいかで考えるのが良いと思いますね」

あえて低めの家具を選んだり、テーブルをガラス天板にする、ダイニングテーブルがあるならリビングはサイドテーブルのみにする、といった“抜け”を意識した家具選びをすることで、部屋の開放感はグッと増してくるのだとか。

動線を意識してみる

「ダイニングテーブルは2つの部屋を跨ぐ様な形で配置しているのですが、これも他の方の住まいを見て良いなと思ったのと、円形を選んだのはソファまでの動線を意識してのことなんです。

テーブルだと四角いものが多いと思うのですが、円形のものを置くことで動線が緩やかになりますね。人を部屋に呼ぶのも好きなので、円形だと大人数でもテーブルを囲みやすいメリットもあります」

空間を立体的に見せるには

頭上あたりを走る梁のような部分にファブリックや照明、ドライフラワーを吊るしていますが、これにも理由があるのでしょうか?

「住む時は襖があったのですが、それを取り外して代わりに照明やドライフラワーを吊るしています。日本の場合はシーリングライトを使った住まいが多いと思うのですが、そうなるとどうしても部屋が平面的になりやすいんです。

なので、アイテムを吊るすことで立体感のリズムが生まれるようにしていますね」

3Dシミュレーションを活用してみる

「自分の部屋のインテリアを考えるとき、会社にある3Dシミュレーションを使っていました。サイズ感はもちろん雰囲気などもイメージしやすくなるので本当にオススメです。

「この3Dシュミレーションはお客様とのインテリア相談でも活用しています。事前に平面図を共有してもらえればどんな住まいでも大体再現が出来るのでイメージしやすくなると思いますよ」

家具屋さんで小さく見えた家具が家に届くと大き過ぎたとか、ネットショップの写真で見た色合いと実物がかなり違った、なんて話は良く聞くので、こうした後悔しない選び方ができるのはとても良いですね……!

これからの暮らし

寝室にアートを飾りたい

「寝室が今はシンプルな状態なので、アートなんかを飾ってもう少し雰囲気を作ることができればとは思いますね。

家具も、もう1点くらい加えられたらなと思います」

いつか中古物件を買ってリノベーションしながら暮らしてみたい

「今の家は、自分で手を加えるということにおいてはほぼ満足しています。

なので、いつか生活が変わるタイミングで中古物件を購入してリノベーションしながら暮らしてみたいなと思っています。

父が左官業をしているので、1ヶ所くらいは父が仕上げた壁を設けてみたいですね」

お仕事で3Dシュミレーションというテクノロジーを活用することは多いものの、一番大切にされているのは“住まいへの要望や普段の生活で大切にしている要素をしっかりヒアリングすること”だと語る小針さん

これからもたくさんの住まいを見ていく中でご自身の生活にどう活かしていくのか、その変化を編集部も楽しみにしています。

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