山手線沿線でありながら、都会の喧騒を少し離れた場所にあるレトロなマンション。その中の一室に、インテリア関係のお仕事をするリサノさんのお部屋があります。

撮影:リサノさん(以下同じ)

名前:リサノさん
職業:インテリア関係
場所:東京都豊島区
面積:1DK 6畳+5畳
家賃:66,000円
築年数:築40年以上

階段をあがった先にあるメゾネットタイプのお部屋は、築40年以上の歴史を感じさせる、唯一無二の雰囲気。玄関から見上げた景色からも、そこはかとない風情が伝わってきます。

6畳の寝室と5畳のダイニングから成る空間は、広々としていて暮らしやすそう。これで家賃7万円を切ることにも驚いてしまいますが、そこはリサノさんならではの“余白”を楽しむ工夫に溢れていました。

この部屋に決めた理由

職場から近く、静かなところ

「静かなところに住みたかった」というリサノさん。職場から近くて通勤もしやすいことを条件に、なるべく喧騒を離れた住宅街の中の物件を選んだのだとか。

「駅からは遠いけど、スーパーやコンビニが多くて生活はしやすいんです」

現在テレワーク中とのことで、駅からの遠さがあまり気にならなくなったのはちょっとうれしい誤算かも。

古い物件ならではの“余白”

もともと転勤が多く、以前は毎年のように引っ越しを繰り返していたそうですが、今回選んだこのお部屋は、今までのお部屋とはかなり違った雰囲気だとリサノさんはいいます。

「転勤で引っ越しを繰り返すうちに、狭くてピカピカな“THE・賃貸アパート”に飽きてしまったんですよね。ヴィンテージっぽいテイストの家具が好きなので、賃貸の真っ白い、ピカピカ光ってる感じともあまり合わなくて……。

それで、生活感が愛おしく感じるような、味のある古い家がいいなと思うようになったんです。それも、この部屋を選んだ決め手のひとつですね」

リサノさん自らDIYしてつくった、キッチンの有効ボード棚

壁に穴をあけたり、オイルを塗ったりなど、ある程度のアレンジができるのも、古い物件ならではの魅力。釘とトンカチを使って、自らDIYにも挑戦しているそうですよ。

残念なところ

空調が効きづらく、冬は寒い

自由が利いて味わいが増すという魅力はあるものの、築年数が古いゆえの困ったこともあるそうで……。

「窓から隙間風が入ってきて、すっごい寒いんです。暖房はひとつしかないから、部屋全体をあたためるのも時間がかかるんですよね」

窓は全部で5つ。隣の住民がいないワンフロアを使ったお部屋なので、壁一面につき、窓がひとつついています。

「窓が多いこともあって、冬場はとにかく寒くて……。特にベッドの隣の大きい窓からは、ピューピュー風が入ってくるんです」

日当たりのよさは羨ましいですが、空調の管理が難しいのは、窓が多いお部屋ならではの悩みかも。

とはいえ夏場は涼しく快適なようで、窓を開けっ放しにしていればクーラーはあまり必要ないそうですよ。

押入れが使いにくいところ

団地などの古い物件には必ずといっていいほどついている、ふすま付きの押し入れ。意外とこれが、使いにくいんですよね……。

「一番上の小さい押し入れは特に、まったく届かないので使っていません。一回も開けたことがないので、中に何か入っていてもおかしくないですね(笑)」

お気に入りのアイテム

ひとり掛けのソファ

以前住んでいた新築のお部屋は床も壁も全てが白く、小物にも統一感を出さないと浮いてしまっていたといいますが、今のお部屋になってからは、部屋に置ける雑貨や家具にも選択肢が広がったのだとか。

そうして新しく取り入れた家具のひとつが、ダイニングテーブルにジャストサイズでおさまっていた、unicoのひとりがけソファ。かなり座り心地がいいようで、「基本ずっと座っている」とのこと。

「もともと廃盤になっていたものなんですが、すごい人気だったのでまたリバイバルしたんです。

ひとりがけのソファで探していたのと、古い家にも合わせやすいレトロなデザインが気に入りました。ちょっと低いんですけど、体操座りとかするとちょうどいいです」

リサノさんが使っている家具の多くは、unicoのもの。シンプルで主張しすぎないデザインが、カラフルなお花やカーテンともバッチリ合っています。

キャプテンスタッグの木製ラック

前の家から持ってきたというキャプテンスタッグの木製ラックには、3段それぞれに頻繁に使うものを収納。一番上の段は、テレワーク用のコーヒーコーナーです。

「キャプテンスタッグの木製ラックは折りたためて、引越しのときもちっちゃくなるので便利ですよ」

部屋を明るく彩る照明たち

リサノさんの部屋でひときわ存在感を放っていたのが、あちこちに散りばめられた照明たち。薄暗くなりがちなレトロ賃貸でも古臭い印象を受けないのには、このライトたちも一役買っているはず。

照明はダイニングのペンダントライトとテーブルランプ、ドライフラワーと一緒に飾っているLEDの裸電球、寝室の大きな照明……と、たくさんありますが、全部お気に入りとのこと。

「入居当時は照明がついていなくて、主電源(スイッチ)もなかったので、リモコンで操作できるタイプの電球にしているんですよね」

暮らしのアイデア

カーテンを頻繁に変えて模様替えをする

カーテンには、イケアのスローケットなどを活用しているそう

ひとり暮らしだと、大きな家具の移動は難しいし、頻繁に模様替えをするのも大変なはず。

だけどリサノさんは、誰でも気軽に真似できるちょっとした工夫で、部屋の雰囲気をガラッと変化させていました。

「窓が多いので、カーテンや布を週1くらいで変えて、模様替えを楽しんでます。

ベッドサイドにつけたカーテンは一応オーダーしたものですが、その他ほとんどのカーテンは、ただの布を1mカットして、unicoのピンでとめて使ってるんですよ」

取材をしながら気になっていたのが、リビングダイニングと寝室の間につけられたカーテンのこと。

空間の仕切りとして使っているのかと思いきや、「テレワークになって、オンライン会議をするとき用の背景にしてるんです(笑)」とのことでした。

花を飾って古臭い印象にさせない

お部屋のいたるところに、ドライフラワーや生花を飾るスペースが。築年数の古いお部屋に、鮮やかな彩りを与えています。

「古い部屋だとどうしても暗く汚い印象になってしまうので、ドライフラワーや生花を飾って明るくするように心がけてるんです」

「お花は毎週買っています。目白にはたくさんお花屋さんがあるので。楽なので、飾っているのはドライフラワーの方が多いんですけど(笑)」

花瓶の横に置いているビーカーは、アクセサリーなどの小物を入れておくケースとして使っているそう。お花を飾っているラックは、大阪の家具屋さん・ANTRY(アントリー)のものです。

新しい家具はオイルを塗って部屋の雰囲気に合わせる

前に住んでいた新築の部屋から持ってきた家具も多いといいますが、どれもガラッと雰囲気が変わった今の部屋に、自然となじんでいました。

「テレビボード、ミラー、ハンガーラックは前の家から持ってきました。シンプルなので、レトロな雰囲気にも合わせやすかったです」

とはいえ、新しい部屋の雰囲気になじまない家具も当然でてきてしまうもの。以前から使っているというテレビ台には、この部屋のインテリアになじませるためのちょっとした工夫が。

「テレビボードは元々、もうちょっと色が明るかったんですけど、自分でオイル仕上げ用の塗料を塗って少し色を暗くしました」

なるほど、新品の家具でも味わい深さを楽しめそうなアイデア、真似したくなります!

これからの暮らしについて

まるで今日のメイクとファッションを決めるように、軽やかに暮らしのインテリアを楽しんでいるリサノさん。そんなリサノさんにとっての“理想の部屋”を聞いてみると、「そのときの気分でいろんなテイストを試せる部屋」という答えが。

「自分の中の流行りや、雑誌や映画などで見てかわいいと思ったものを、いろいろ試したいんです。

電球をたくさん吊るしたくなったりとか、花を壁に飾りたくなったりとか、ピンク色のカーテンをかけたくなったりとか……。やりたいことを自由にやっても怒られない、ある程度の広さや自由度のあるお部屋がいいなって思います」

賃貸の洋室だったらなかなか真似できない、「扉を外す」なんて荒技も、ふすまで仕切られているリサノさんのお部屋なら気分次第で自由にアレンジできる部分。開放感のある空間にしたいときも、少しこもりたい気分のときも、自分のモードに寄り添ってくれます。

そんなリサノさんの、これからの暮らしは?

「カーテンを手作りしたり、壁に棚をつけて本棚にしたり……自由度が高いからこそ、トライ&エラーでアップデートしていきたいです」

目下の目標は、白い布を買ってタイダイ染めのカーテンを作ること。一緒に成長し、歳をとっていける部屋に暮らすことは、新しい家族ができたようできっと楽しいだろうな、と思うのでした。

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