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DJ・YonYonさんが10年後も手放さないモノ
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DJ・YonYonさんが10年後も手放さないモノ

2021-03-26 21:30
    10年という月日が経つと、いま住んでいる部屋も、立場や環境も大きく変わってきます。ただ、たとえ環境が変わっても「これだけはずっと持っていたい」というモノが、ひとつはある……。

    そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。

    なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。

    DJ/シンガーソングライター/音楽プロデューサー/ラジオパーソナリティ YonYon

    ソウル生まれ東京育ちというバックグラウンドを持ち、DJ、シンガーソングライター、音楽プロデューサー、ラジオパーソナリティとしてマルチに活動するクリエイター。2018年初頭に日韓のプロデューサーとシンガーを繋ぐプロジェクト「The Link」を立ち上げ、両国の音楽シーンにおいて多くの支持を集めた。近年ではKIRINJI、黒田卓也、Yaejiなど、様々なアーティストの作品に客演として参加し、日本のみならずグローバルに活躍している。3月24日には自身初のEP『The Light, The Water』をリリースした。
    Instagram:@yonyon.j

    10年後も手放さないモノ

    旧友・Yaejiさんのレコード

    NY在住のDJ/プロデューサー・Yaejiのミックステープ『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』

    これは、ニューヨークを拠点に、DJ/プロデューサーとして活動しているYaejiのファーストアルバムに、私が客演で参加した1枚です。じつはYaejiちゃんとは10年以上も付き合いがあって。

    彼女は韓国の血筋を持ち、アメリカで生まれました。彼女が中学生の時に1〜2年だけ日本にある韓国人学校に通っていて、そこに私も通っていて。同級生で仲良くなりました。

    当時は2人とも、今みたいに音楽で仕事すると思ってなかったんですけど、それでもそれぞれ好きなことは今につながっていて。私は歌うことが好きだったし、Yaejiは絵を描くことが好きでした。それが大人になって、いつしか同業者になって、このシーンに一緒にいるわけなんですけど。そんなYaejiの記念すべきファーストアルバム的な立ち位置の作品にお声がけいただきました。

    私が参加した曲『SPELL 주문』には「おまじない」という意味があります。私達アーティストがステージに立つときの、お客さんと繋がれる魔法の瞬間って、なんだか“おまじないみたいだ”と思って。ステージへ向かうまでの気持ちだったり、その時目に映った風景などを描いています。

    これもYaejiちゃんの手書きのメッセージで、「YONちゃんめちゃめちゃありがとう Yaejiより」って書いてあるんです。家では普段見えるところに飾っていて、たまにレコードプレーヤーで聴いています。

    既に10年以上の付き合いがあるっていう意味では、10年後もずっと持っていたい1枚です。

    自身初めてのオフィシャルMIX CD

    Tower Records & Manhattan Records presents CITY HIP POP MIX mixed by YonYon

    これは私がYonYonとして初めて出したオフィシャルMIX CD。

    マンハッタンレコードとタワーレコードのコラボ企画で、「和モノ」をテーマに全曲日本のアーティストの曲でミックスしたCDです。タワーレコード新宿店の20周年の記念で発売され、マンハッタンレコードと、全国のタワーレコードの店舗で展開されて、当時はありがたいことにソールドアウトしました。いまは再販され、ごくわずかですが通販で購入できると思います。

    これをきっかけに「DJ YonYon」という名前が表に出たんじゃないかと思っています。そんな、きっかけの1枚です。

    DJとしての活動自体はもうすぐ10年と長いのですが、やっぱりクラブの中だけだとイベントに来るお客さんには認知されるけど、なかなか外に広がらなくて。そういう意味では、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドへの第一足をここで踏み出せたんじゃないかなと。このMIX CDを通じて、より幅広い音楽リスナーに知ってもらえるきっかけになったと思います。

    Tomoe Miyazaki氏によるイラスト
    YonYonさんがマンハッタンレコードとタワーレコードの間を行き来している

    実はそもそも「和モノ」だけでDJ MIXをすることも、このときが初めてでした。当時クラブではTRAP MUSICが流行っていて、普段は海外のヒップホップやダンスミュージックを掛けることが多かったんです。これをやったことによって、「和モノ」を積極的に扱ってもいいかなと、開き直れました。

    「心機一転」という意味でも思い入れの強いCDなので、10年後にこのCDを見たら、当時の思い出がよみがえるのかなって。枠にとらわれず挑戦しろって言い聞かせます。

    いまのYonYonさんを作った「The Study Bible」

    自分はもともとクリスチャンで、歌を始めたきっかけも、教会に通いながらみんなでゴスペルを合唱していたのが始まりです。教会に通うと必然的に聖書をみんなと読むのですが、人生においても音楽のリリックにおいても、実はかなり影響を受けていて。

    私のアーティストとしてのモットーは、ざっくり言うと「愛と平和を伝えていきたい」ということ。だから日本と韓国を繋ぐ楽曲制作プロジェクトを発足させていただきました。聖書の一文に「隣人を自分のように愛しなさい」という有名な箇所がありますが、このように聖書の中に書いてあることからインスピレーションを受けて行動に移すことが私自身を作っている気がしていて。

    私の本名には「恩」っていう字が入っていて、「恩を世に照らす人になりなさい」という両親の願いがこもっています。それも実は聖書から来ているんです。

    また、「地の塩、世の光」という有名な文章があって。「塩」は何かの味付けだったり、食料を保存するために使ったりなど、役割があるからこそ本領を発揮するわけで、塩単体では食べませんよね? 私も誰かの人生をちょっぴり色付けして心を豊かにするようなことができたらいいなと、アーティストとしては思っています。

    「世の光」の部分も、「誰かを明るく照らす人でありなさい」という解釈をしていて、私の音楽だったり、私のみならず色々な音楽やアートによって、みんなが少しでも明るくなれたらいいな、と。名前もそこから来ているので、私にとって、とても大事なものなんです。

    この本自体は私が高校3年生の頃に自分で買って、すごく勉強しました。色んな訳の聖書がある中で、なぜ「The Study Bible」かというと、普通の聖書と違って参考書みたいな感じで、細かい解説付きなんですよ。文章だけだと例え話が多くて結構難しいのですが、この解説はすごくありがたかったです。

    昔も今もこれからも私の中核には聖書の考えがあると思うので、この本は10年後も大切に持っておきたい1冊ですね。

    いざというときに付けるお守り的存在の指輪

    これは初めて手にした自分のお金で買った、リアルな宝石の付いた指輪。真ん中にはエメラルド、周りにはダイヤが埋め込まれています。宝石だけど控えめな感じがすごく好きで、小ぶりなのがかわいいと思っています。

    あとは、YonYonって読み的には数字の「4」と同じじゃないですか。この指輪の宝石も四角形で、「4」。エメラルドは私の誕生石でもあるんですけど、四つ葉のクローバーも葉っぱの数が「4」枚で、しかもエメラルドと同じ緑色。まさに自分自身を表している気がして。

    何かそうやっていろんな意味をこじつけていくと、さらに愛着が湧いて、さらにかわいいと感じるようになって。

    出会いは偶然でした。

    地方遠征のときに、観光がてら商店街をブラブラ歩いてたら、キラキラ光っているものを見つけて。自然とお店に導かれると、そこのおばちゃんがとても魅力的な人で。ギリギリ買えるほど、宝石としてはすごく安く売られてたこともあり、奮発して買いました。

    普段DJをするときは指輪やピアスをしていると吹っ飛んじゃうので、なかなか本物の宝石って買わないんです。本当にここぞ、というときにだけ付けられるようなものが欲しいと思っていたので、これに出会えてピンときました。いつか自分に子どもができたときに形見にしたいと思っています。

    普段はあまり付けないんですけど、今年の1月に出た新曲『Capsule』のミュージックビデオで、初めて着用しました。ここ最近は他のアーティストの作品に客演で参加したものが多かったので、自分名義の曲をあまり出していなくて。YonYonとしては2年ぶりに、やっと自分名義の曲を出せたタイミングでこの指輪を着用しました。

    DJ・YonYonさんの10年後

    もしかしたら音楽ではない違うことやってるかもしれないですし、正直どうなるか分からない。

    私はDJやシンガー、プロモーターなどさまざまな仕事をしていますが、仕事の形は変われど、「音楽がみんなの生活にエッセンスになり、ハッピーになってほしい」という思いは変わりません。プレイヤーのときも、裏方のときも全力です。

    だから、10年後も人と人を繋ぐ人でありたいとは、変わらず思っているはず。

    最近、実は新しく「Peace Tree」という名前の音楽レーベルを立ち上げました。それをゆっくりと育てて、アジアを中心にさまざまなシーンの人たちと関われたら一番嬉しいですね。アーティストを抱えこむのではなく、音楽のみならずアートなど、柔軟にさまざまなものを伝えていけたらいいと思っています。

    Info

    YonYon 『The Light, The Water』(EP)

    ▽収録曲
     M1. Beautiful Women feat. SARM / prod. Shin Sakiura
     M2. Bridge / prod. NARISK
     M3. Paper Plane / prod. grooveman Spot
     M4. Capsule feat. Daigo Sakuragi(D.A.N.) / prod. No2zcat, UNE
     M5. Beautiful Women (Stones Taro Remix) feat. SARM
     M6. Capsule (Ohnesty Remix) feat. Daigo Sakuragi(D.A.N.)

    2021年03月24日 配信リリース
    視聴リンク: https://orcd.co/light_water 
    ティーザー映像: https://youtu.be/1of_iv0q5pk
    Label: Peace Tree

    Photographed by Motoki Adachi

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    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2021/03/701832/
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