Photographed by tsubottlee 神奈川県は、海も公園も多く自然に溢れた環境で、週末には観光客も多く訪れる鎌倉市。

映画やドラマで良く見る有名な駅から歩いて10分ほどの住宅街に今回ご紹介する磨実さんご夫妻のお住まいはありました。

お名前(職業):磨実さん(フラワーデザイナー)、香史郎さん(会社員)、愛犬・ウェスくん
場所:神奈川県鎌倉市
面積:67㎡、1SLDK
家賃:9.3万円
築年数:築60年、古民家平屋
間取り図:

編集部作成

 

コロナ禍で鬱蒼とする気持ちを晴らすべく、香史郎さんが休日に都内から離れて過ごすために行き着いた鎌倉。街を歩くなかでも、「そこに住む人たちの楽しそうな様子」が印象的だったそう。

「ここで暮らしたい」という思いが募っていき、磨実さんに交渉の末、鎌倉での暮らしが見事実現!

ふたりで見つけた理想の土地で、愛犬のウェスくんを迎え入れての住まいについてお話を伺いました。



■目次
1. この部屋に決めた理由
2. お気に入りの場所
3. お気に入りのアイテム
4. 残念なところ
5. 暮らしのアイデア
6. これからの暮らし

この場所に決めた理由

賃貸なのにDIY可な古民家平家

鎌倉での暮らしを目指した住まい探し。平日は都内で仕事、週末は鎌倉に足を運びながら約3ヶ月ほどの期間をかけて進められたそう。

「物件探しが難航する中で、水回りの様子が分からないためにあえて彼に相談せず、隠し持っていた物件を共有することにしました。折角なので一度見てみようと訪れたところ、想像以上にきれいで条件も良く、ここしかないと即決定でしたね」(磨実さん)

「住まいに対しては昔から、新築を買うより、自分たちが好きなようにリノベーションして住んだ方が面白いという考えがありました。

そんななかで、この物件はDIY可能で壁や天井などにも手が加えられるとのことでまさに理想の物件でした」(香史郎さん)

犬と一緒に自然を楽しめる環境

今回の住まいで新しく家族になった愛犬のウェスくん。ペット可の物件であることも住まいの決め手だったと磨実さんは話します。

「引っ越しを機にわんちゃんも迎えたいと思っていました。大型犬OKでお庭やウッドデッキまでついているこの平屋は犬との暮らしにピッタリでしたね。

10分程歩けば海に行けるし、ハイキングできる山にも行ける。家の中だけでなく、散歩も一緒に楽しめそうな立地も魅力的でした」(磨実さん)

お気に入りの場所

家族が集うリビング

仕切りが外された広いリビングは、家族が集う、住まいの中心的な空間になっています。

「もともとは3部屋あったところを、仕切りをなくして1つの広い部屋にリフォームしてありました。その名残で柱があるのですが、それも味があって気に入っています」(磨実さん)

家で仕事や作業をすることも多いおふたりにとって、お部屋はその時々で形を変えながら楽しまれているそう。

「家具を自由に動かしてレイアウトを頻繁に変え、雨の日には愛犬とボール遊びをしたり、寒い日にはみんなで寝転がってストーブの前でゴロゴロしたりしています」(磨実さん)

リビング脇には、鎌倉らしいサーフボードが2つ。この住まいに引っ越して香史郎さんはサーフィンを始められたのだそう。

「ウェスの散歩をしていた時に、仲良くなった方からサーフボードを譲ってもらったのをきっかけに始めました。コミュニティの良さもこの住まいを選んでよかったと感じる部分ですね」(香史郎さん)

ウェスくんが日向ぼっこをするうえでも、お気に入りだというリビング。撮影中も心地よさそうに寛いでいました。

開放感のあるウッドデッキ

リビングから続くウッドデッキも特徴の1つ。ふらっと外に出て一息つける、おふたりにとって生活に欠かせないスペースです。

「リビングからフラットに続いているので、窓を全開にした時にはリビングがさらに広くなったようで開放感に溢れます。

晴れた日は朝のコーヒータイムを過ごしたり、休みの日には友人たちとバーベキューをしたり、私のお花作業のスペースにもなります」(磨実さん)

お気に入りのアイテム

キッチンで準備する愛着あるアイテムたち

味のあるキッチンで、お気に入りだと話すのが、おふたりの地元である九州で購入したワイングラス。

「ワインを気軽に飲めるように購入したグラスは、丸っこいフォルムと小さくて使いやすそうなサイズ感に一目惚れしました。とっても使いやすいので、実際にワインを楽しむ機会も増えましたね」(磨実さん)

近隣のフリマで購入したボトル

キッチンや家の中とは対照的に、アウトドアや旅行でも重宝されているのがSTANLEYのボトル。100周年記念のレアな一品です。

「毎週開催される海沿いのフリマで出会いました。こちらは彼が一目惚れしたアイテムです。100周年記念のロゴの見た目もカッコよく、なんと言っても大容量なので重宝しています。

最近では、ウェスと一緒に車中泊して日本中を旅することも多いので、その際には必ず持っていきますね」(磨実さん)

DIYしたアイテムたち

現在の住まいに合わせていくように、複数のスペースで使われていたのがDIYしたアイテムたち。

「キッチンの棚は前の家でも使っていたものをバラして持ってきました。いまのところには少し大きかったので、サイズを調整してピッタリサイズで組み立て直して使っています」(磨実さん)

洗面スペース横にあるラックはIKEAのものを塗り直して、空間に馴染む収納アイテムへと変身。

また、磨実さんは、ご自身のブランド「malow」で、作られたアイテムを販売。

ベッドサイドにあった魅力的な色合いのアクセサリートレイは、モルタルで作ったものなのだそう。

「他の誰かに提案、提供することはもちろん、自分自身の暮らしに合わせて作り、使ってみることにも日々取り組んでいます」(磨実さん)

残念なところ

木造建築ゆえの寒さとお庭の手入れ

築60年の物件は生活するうえで、これまでにない体験をする機会も多いと話すおふたり。

「冬場の朝の室内は、外並みの寒さになっていることも良くあります。隙間風が多いため、カーテンを二重にしたり隙間テープを貼ったり、工夫はしていてもなかなか暖房が効きません。

一方で夏は雑草の成長速度が早く、庭が雑草だらけになってしまいます。私の身長を超える高さまで成長するものもあって、今まではなかった『真夏の草むしり』という行事に、虫と暑さに耐えながら気合いを入れて臨まなければいけないのが大変ですね」(磨実さん)

暮らしのアイデア

​​レイアウトや置き方を固定化しない

都内のコンパクトなお部屋から広々とした今の住まいに引っ越し、変わったというのがレイアウトの自由度。

「引っ越しに合わせてテレビをなくしたことで、配線の位置を考えなくてよくなり、お部屋のレイアウトがさらに自由になりました。家具の向きや高さなども少し変えるだけで全然違ってくるので、こうあるべきという考えは持たないようにしています」(磨実さん)

固定概念や今までの経験を一度取っ払って、家具をひとつひとつ動かしてみると、「こっちの方がいいかも!」というのが見つかってきて、模様替えが楽しくなると話す磨実さん。

ふとした時に直感で模様替えしてしまうこともあり、ウェスくんは違う家に来てしまったのではと困惑した様子を見せることもしばしばあるそう。

住まいが変わるほどの変化がつけられる住まいの自由度も磨実さんの発想力にも驚かされますね。

​​定期的に収納を見直す

自由なレイアウトのために、動かす物の数や収納の有効活用は重要なポイント。磨実さんは生活感を出しすぎないよう見せない収納に、持っているものの見直しで自由度の高いお部屋をつくられています。

「好きなものを隙間なく詰め込んだ素敵な空間に憧れはあるものの、やはりスッキリして広々とした空間が落ち着くので、カゴや箱を使って、ごちゃごちゃしたものは見えないように収納しています。

どうしても見えてしまう衣類や日用品は押し入れの中に入れますが、目に見えないところもそのままにせず、収納したものを整理するため、月に1回程度は押し入れの中も全て出して断捨離していますね」(磨実さん)

暮らしている感じは出したいけど生活感は出しすぎないように、ディスプレイスペースなども上手く使いながらお部屋を整えられています。

リビングのディスプレイ棚は昔、喫茶店で使われていたもの。収納も新品、量産品では無く、他の方から譲り受けられた一点もので設けられているのが、部屋の魅力をさらに感じさせるポイントになっていました。

これからの暮らし

大切な拠点の1つとして、手を加えていきたい

現在の住まいも、街の人たちもとても魅力的だと話すおふたり。お部屋にはまだまだやりたいことがたくさんあるのだそう。

「DIY可能な物件でありながら、まだあまり手は付けられていないのでこれから楽しんで行けたらと思っています。

壁にはアートを増やしていきたくて、床もウェス用のカーペットがお部屋を少し暗めの印象にしているので明るい色に変えていきたいですね」(磨実さん)

「現在の住まいだけでなく、将来は2人の地元である九州と2拠点生活をしたいと思っています。

どちらの土地も大好きで、良いところがそれぞれにあるので、半々で暮らせたら幸せだよねと話しています。またその先の3拠点として、海外にも憧れますね」(香史郎さん)

今回のお部屋を経て、今度は古民家平家の一軒家を自分たちの手でリノベーションしてみたいとのことで、暮らしたい街も住まいも、まだまだこの先の展望が広がっていて聞いている自分もワクワクさせられるものばかり。

これからのことを楽しげに話すおふたりを、ウェスくんもどこか優しく見守るように、また同時に期待に胸を踊らせるように眺めていました。

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