Photographed by tsubottlee 埼玉県の北部、最寄り駅から車で10分ほどの田園風景を抜けた静かな住宅街に、今回お邪魔したMayuさんの住まいがあります。

お名前(職業):Mayuさん(主婦)、夫、お子さん2人、夫のご両親
場所:埼玉県
面積:7LDK
住宅形態:戸建て
築年数:築41年
間取り図(編集部員作成):

「LDK ★」の場所がMayuさんたちのメインスぺ―ス

 

Instagramでお部屋の様子を拝見していると、上から下までたくさんの植物に囲まれていて、まるで絵本の世界にいるよう。光の入り方も美しく、お部屋丸ごと作品なんじゃないかと思わされます。

どのようにしてここまでの世界観を作り上げたのか、またディスプレイのコツなどを伺いました。



■目次
1. この部屋に決めた理由
2. お気に入りの場所
3. お気に入りのアイテム
4. 残念なところ
5. これからの暮らし

この部屋に決めた理由

就職をきっかけに地元・神奈川を離れて、埼玉での生活をスタートさせたMayuさん。その後、ここで暮らし始めて11年経ったといいます。

「結婚を経て、夫の実家でいっしょに暮らすことになったんです。そのときにこのリビング、ダイニング、キッチンスペースを増築して今に至ります」

お気に入りの場所

植物に囲まれたデスクスペース

おうちのなかで最も印象的なのが、部屋の一角に設けられたデスクスペース。植物に囲まれた空間で目を引きます。

「家でずっと眠っていた板材が経年変化でいい色味になっていたので、デスクとして使えるかなと思い脚を取り付けたんです。デスクを囲むように植物を配置したら好みの空間が完成しました」

植物がすくすく育っていくくらい窓が多く日当たりがいいMayuさんのおうち。植物たちが成長していく様子を見て、種類も少しずつ増やしてきたのだそう。

エアコンの風が直接当たらないよう簾(すだれ)を用いて、植物のある暮らしに適した環境を整えていました。

また、空間づくりをする際には“あるもの”からインスピレーションを受けることもあるそう。

「昔から絵本が好きで、学生時代には児童文学を学んでいたんです。ジブリや絵本の世界から古いものが好きになっていったこともあり、インテリア雑誌などを見て参考にするというよりも、そこから空間づくりの参考にもしています」

キッチンカウンターの前にりんご箱を立て、使わないプラントテーブルをのせて作った即席のディスプレイコーナー。お子さんたちが集めている鉱物を飾っているのだそう。

デスクスペースは、Mayuさんとともにお子さんにとってもお気に入りの場所になっていて、遊び場や作業場として利用しているようです。

この住まいで暮らしている影響もあってか、お子さんもまた古いものや自然に対して関心を強く持つようになったのだとか。

お気に入りのみ選んで置いた本棚

Mayuさんは数えきれないほど本を持っているそうで、リビングにある本棚には定期的に開きたくなるような本を選んで置いています。

「昔ほどではないですが、今でもお気に入りの本を見つけては購入しています。ここには特にお気に入りを置いていて、ふとしたときに開いては癒されているんです」

本棚の周りには、さまざまなお店で見つけたたくさんの味のある雑貨が。

古道具店やリサイクルショップで偶然見つけたものから、お子さんがプレゼントしてくれたものなど、それぞれにストーリーがある大切なものばかりだと話してくれました。

お気に入りのアイテム

リラックスタイムに欠かせないアロマオイルウォーマー

心落ち着くリラックスタイムの演出に役立つアイテムとして紹介してくれたのがKINTOの「アロマオイルウォーマー」

「お香やアロマオイルが好きで日常的に香りを楽しんでいるのですが、シンプルながら目を引くフォルムが気に入っています。沸騰してくるとポコポコと音がたつのも癒し効果をアップしてくれますね」

KINTO(キントー) アロマオイルウォーマー カッパー 20321 約 65ml 5,500 Amazonで見る 5,500 楽天で見る

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リビングの中心になっているチェア

読書の時間はデスクスペースと同じように、リビングのチェアも集中出来る場所のひとつになっています。

「インドネシアのもので、たまたま立ち寄った古道具店で見つけました。少し個性が強いのか、買い手がなかなかいなかったらしく、格安で売られていて驚きました。

Instagramでも、インドネシア在住の方からよくメッセージを頂くこの椅子はリビングのフォーカルポイントとなっていますね」

ずっと気になっていたカップ

コーヒータイムに大切なアイテムとして紹介してくれたのがittaraの「ツァイッカ」というカップ。雑誌で見かけてずっと気になっていたものと、SNSを通じて運命的に出合えたものでした。

「インテリアスタイリストの石井佳苗さんの本で見つけてずっと気になっていたんです。SNSのある企画で偶然にも発見して、手にすることができました。ホルダーの模様と持ち手のデザインが美しく、コーヒータイムに必須のアイテムになっています」

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残念なところ

キッチンの割合が大きすぎること

住まいの増築は、現在とは好きなものや関心が違うころに進めたため、嗜好の変化とともに気になる部分も出てきたと話すMayuさん。

「敷地内の限られたスペースに増築しているので、LDKは12畳とコンパクトな広さになっています。

増築したときには、キッチンが使いやすいように面積を広く取ったのですが、逆に他のスペースを圧迫することになってしまいました。間取りの自由度を考えると壁付けにするなど少しゆとりのあるつくりにしても良かったなと思います」

暮らしのアイデア

広く見せるのではなく、好きが詰まった空間づくりを意識

部屋は手を加えられる空間が限られているからこそ、無理をせず、好きを集中させた部屋づくりを大切にしているそう。

「物数を少なくして、自由な空間を広く使えるようにする方が掃除も楽だとは思っていたのですが、いざそうしてみると、個人的には暮らしに潤いがないように感じてしまいました。

そんなときに自分の母の生活を思い返してみると、好きなものが近くにあったなと気づいて……。あえてぎゅっと好きな物を詰め込んで宝箱のような満足感のある部屋づくりを意識するようになったんです」

本や古い雑貨はそのもの単体はもちろん、パッと見ただけではわからない隠れたストーリーに触れられるのも魅力だといいます。

「購入した海外の古本には、付箋として現地の植物の葉が使われていました。かなり昔のものですが所有者の方の思いや歴史を感じることができるんですよね。自分とは違う時間や世界に触れられるような『そうしたものたちが集まる部屋』というのに魅力を感じています」

植物のディスプレイは“立体感”を考える

好きなものをぎゅっと詰めていった部屋でも、特に変化が大きかったのが植物。ディスプレイにも工夫しながら自分好みの空間に仕上げています。

「とにかく縦にも、横にも揃えず、奥行きや高低差で立体感や動きを付けることを意識しています。一方で客観的にみると余白がないように感じられるかもしれませんが、自分的には必要な余白は設けたうえでディスプレイしてあります」

植物の種類も育ててみる中で関心が広がっていき、色鮮やかなものや食虫植物などにまでハマっていっているのだそう。庭も含め、まだまだ増えていきそうでワクワクしますね。

これからの暮らし

自然との繋がりを意識した家づくり

好みや部屋づくりにも変化があった現在の住まい。今後の住まいにも作り上げた世界観をさらに広げていくようなイメージを持っていると話します。

「築年数などもあり、将来的にはリノベーションやリフォームが必要になります。

結婚を機に緑に囲まれたこの家に引っ越してきたことで、植物や住空間にも関心が深くなったので、これまでの知見や今までつくりあげた世界観も活かしながら、光や風が循環する自然との繋がりを意識した家づくりをしたいと思っています。

たくさんの植物に囲まれる環境だから、自然と共生した暮らしを無意識に考えていることも増えてきているかもしれません」

好きなものが詰まった空間のブラッシュアップを重ねる中で、蓄積された知見や思いが住まいの中でどのように広がっていくのか、これからも目が離せません。

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