■酒呑みの名言が炸裂する一冊
いきなりですがテレビ番組の「吉田類の酒場放浪記」が好きなら、このコミックは買ってOKです。あるいは「孤独のグルメ」が好きな人も買ってOKでしょう。
『ワカコ酒』は「呑兵衛女子」が基本的に「ひとり呑み」を続けるグルメマンガです。いや、グルメっていうか「酒のつまみマンガ」といっていいでしょう(これはむしろ褒め言葉です)。
本書を読んでいると「おお」と思わずうなってしまう「酒のつまみ名言」が飛び出します。全部あげてしまうとコミックを読む楽しみがなくなってしまうので、数点にとどめますが、
・日本酒と、鮭の皮はこたえられん!
・(だし巻きの)出汁の味は、ぬる燗で引き立つ!
・熱々のさざえと潮の香りには、冷酒がぴったり
・ナッツとビールは仲良しだな!
とか、言われると「うんうん」とかなりませんか! いやなりますよね!
ひたすらそんな感じに女子が1人呑みするコミックです。
■女子が旨そうに酒を飲み干す姿がかわいい
このコミックのよいところは、主人公の女子が「ぷしゅー」と酒を飲み干すコマが毎回入るところです。しかも、すごい旨そうに飲み干すところがかわいい感じです。かわいく飲み干す姿、ではありません。「旨そうに」飲み干す表情がかわいいのです。そこを勘違いしてはいけません。
筆者は今の相方とつきあう前に「次につきあうなら、酒を飲める女性に限る(あと納豆も)」という謎の縛りがありましたが、新宿は思い出横町にある大黒屋で旨そうに日本酒をくいくい飲む姿に惚れてつい結婚してしまったといっても過言ではありません。(いや過言か)
話はそれましたが、とにかく女子が酒を呑む姿はいいのです。「孤独のグルメ」以来、グルメコミックはうんちく主体を脱し、新しいステージに入ったように思いますが、『ワカコ酒』もグルメコミックとして一読してみたい一冊だと思いますよ。