なんとも意味深な会話です。
アーティストのミリアムさんは、モダンアートの世界を面白い切り口で紹介する「We Go To the Gallery」という絵本を制作しました。
内容は、古き良き時代の家族、ママ、ジェーン、ピーターの3人がモダンアートの展覧会に行くという話。そこで繰り広げられるちょっとおかしな家族の会話から「モダンアートの楽しみ方」を知ることができます。
手描き風イラストと文章とのギャップが笑いを誘う作品。例えばこんな感じに。
ジェーン:ここのアートは、面白いの?
ママ :いいえ。面白いかどうかは重要じゃないわ
部屋にはなにもありません。ピーターはわけがわかりません。ジェーンもわけがわかりません。でも、ママはハッピーです。
ママ :この部屋には何もないのよ、神様は死んだから
ピーター:なんてこったい!
ピーター:僕もこの風船で遊びたい!
ママ :ベンチャーキャピタリストだけがこの風船で遊べるのよ
ピーター:見て! ウサギが死んでる
ジェーン:でも、幸せそうよ
キャンバスは真っ白です。ジェーンも真っ白です。
キャンバスは真っ白です。ジェーンも真っ白です。
滝の映像が流れています。
ピーター:滝って止まるのかな?
ママ :違うわ! 死は幻にすぎないのよ
ジェーンはトイレに行きたいようです。
ジェーン:ママはアーティストなの?
ママ :ママはアーティストにはなれなかったの、あなたたちを産んだから。
ピーターとジェーンは後ろめたい気持ちになりました。
家族が訪れたこの展示会は「セックスと死と神」をテーマにしたもの。ここでは紹介できませんが、けっこうキワドイ内容のものもあったりします。どっからどう見ても大人向けの絵本となっています。
こちらの「絵本」はキックスターターで資金調達に成功。数量限定で製本化となり20ポンドで販売されていましたが、現在は品切れ中とのこと。次はぜひ日本語版も出版してほしいところです。公式サイトはこちらから。
分かりずらい「モダンアート」の世界もこのように見ると、とても面白いものに。美術館デートの前には読んでおきたい一冊ですね。
new book pokes fun at modern art[independent]