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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第7話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 73ヶ月前
今から約半年前。 正確に言えば、二月十一日。 ……鈴音は死んだ。 僕が住むこのアパートから歩いて十分程度の場所に、人知れずひっそりと建っている神社がある。いや、他の人は知っているのかもしれないが、少なくとも僕は足を踏み入れたことがない。とにかく、その神社の裏手にある草むらのような土地で、彼女は死...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第6話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 76ヶ月前
――という夢を見た。 なんてこった。自分がこんなに影響の受けやすい人間だったとは知らなかったね。あんな話を聞かされた直後だからって、ここまで露骨な夢を見るとはさ。どうせなら、次はぜひ美女だらけの楽園で過ごすみたいな内容のDVDを見せてもらいたいもんだ。それだったら心から影響を受けてやるよ。 そん...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第5話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 76ヶ月前
そして、目覚めた。 目覚めた理由が、冷房のタイマーが切れたせいなのか、それとも雷雨のせいなのかはわからなかった。要するに、部屋中には蒸し暑い空気が充満しており、外では激しい雨が雷を引き連れて大地に襲い掛かっていた。 もっと言えば、僕は現在時刻すら把握できなかった。窓の外を見る限り、少なくとも夜...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第4話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 77ヶ月前
外はすっかり赤くなっていた。 貧乏な画家には、きっとうってつけの風景だろう。もっとも、絵の具費用を優先して考える画家の展覧会なんて、たとえそれが初恋の相手だって行く気はしないけどさ。 『呪いのビデオ』とやらを鑑賞し終わった後、山岸はわざわざマンションの入り口まで僕を見送りに来てくれた。貴重な時...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第3話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 77ヶ月前
そんなある日のことでした。 とつぜん、フィオーレのおやしきに、一人の旅人がおとずれました。 それは、プリマヴェーラという名の、旅人でした。プリマヴェーラは、一晩だけここで泊めてほしいとフィオーレにたのんできました。 たいくつだったフィオーレは、よろこんでプリマヴェーラをむかえいれました。そして...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第2話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 77ヶ月前
その日は、朝から嫌な予感がしていた。 ……誤解されないようにあらかじめ言っておくと、僕はいわゆる『第六感』とやらの存在を信じていない。あんなものは、論理的思考が不得意な人間の逃げ口上にしか過ぎないだろう。 ついでに言えば、UFOや超能力の存在もまったく信じていない。人類が映像機器を発明した途端に...
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【非会員でも閲覧可】為五郎オリジナル小説①『リヴァルディア』第1話
コメ0 為五郎オリジナル小説&ブロマガ 78ヶ月前
一言ではあらわせないくらい昔のこと。 一言ではあらわせないくらい遠いところに、フィオーレという若い男がいました。 フィオーレは、一言ではあらわせないくらい大きなおやしきに、たった一人で住んでいました。 フィオーレの両親は、彼がおさないころに二人ともびょうきで死んでしまいました。しかし、両親がた...