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「いってらっしゃい」
コメ0 草の根広告社 19ヶ月前
いってらっしゃい、と笑顔で送り出した後、不安な気持ちのままスマホの画面に釘付けになる。娘が装着しているGPSの軌道を目で追い続ける。NASAのミッションコントロールルームで宇宙船の打ち上げを見守っている管制官たちと同じような心境だ。15分後「学校に到着しました」という通知を確認してようやく安堵してコーヒ...
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「2023年の小学一年生」
コメ0 草の根広告社 19ヶ月前
突如1976年から2023年にタイムスリップしたような目眩のような感覚があった。小学館の雑誌「小学一年生」。2023年4月入学準備号。目覚まし時計が付録についているとはいえ、肝心の本誌はとても薄い。値段を見たら2200円だった。その衝撃をツイートしたら地元の農家さんが「学研の科学は2980円」というリプライをくれた...
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「子どもの手の離し方」
コメ0 草の根広告社 19ヶ月前
「ママがついて来ないから泣いたんだよ」と帰って来るなり娘は言った。登校二日目の朝。子どもたちとの待ち合わせ場所まで娘を送り届けた妻は手を振って見送るだけで帰ってきた。顔で笑って、心で泣いて。そんな風に親たちが心を鬼にして我が子を見送ってくれたおかげで、ぼくらは大人になったのかもしれない。
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「2023年3月31日」
コメ0 草の根広告社 19ヶ月前
卒園式で涙をこぼしても週明けには何事もなかったかのように「おはようございます」と登園するのが保育園ならではの光景だ。子どもたちのほとんどが卒園式で泣かなかったのはそのせいなのだろうかと思っていた。かくいう娘も卒園式では終始にこにこしていた。
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「初めて連れてきてもらった場所」
コメ0 草の根広告社 20ヶ月前
卒園式の翌日。海のある日常から一番遠いところへ出掛けた。まだ雪が残る八ヶ岳。逗子駅から電車を乗り継くこと4時間。辿り着いたのは海の向こうに見える富士山の反対側だった。いつも右側に見えている宝永火口のクレーターが左側に見えていた。
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「こどもにあそんでもらったら」
コメ0 草の根広告社 20ヶ月前
娘と同じ年の姪っ子と数時間過ごすことになった。どうしようかなと思案して「小原さんに折り紙を教えて貰ってもいいですか?」とお願いしてみた。子どもというのは大人に敬語で頭を下げられると驚くものらしい。
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「可愛い子には旅をさせろ」
コメ0 草の根広告社 21ヶ月前
出掛けに「行かないで」と娘に袖を掴まれた。悲観的なぼくは不安になる。何か良からぬことが待っているんじゃないか。娘がそれを予知しているんじゃないか。そんな風に考えてしまうのだ。 人は誰もが一歩外に出れば様々なリスクがある。もちろん家の中にだって色々なリスクはあるけど外の比じゃない。時に命に関わる...
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「当事者になってみなければわからないこと」
コメ0 草の根広告社 21ヶ月前
あなたは歩行者用の信号が青に変わったと当時にに横断歩道を渡り始めているだろうか。信号というのは青に変わったのと同時に残り時間がカウントダウンされていく。そして一定時間が過ぎると黄色の明滅で注意を促し、赤に変わる。信号が変わるのを待っていた人であれば老若男女誰でも歩いて渡るには十分な時間設定に...
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「早く食べるよりももっと大事なこと」
コメ0 草の根広告社 22ヶ月前
娘は「ごはんを食べるのが遅い」とたびたび落ち込んでいる。よっぽど気にしているのだろう。保育園で作った絵馬の願い事も「ごはんを食べるのが早くなりますように」だった。初詣のときも小さな手を合わせて同じことを願っていたのかもしれない。今朝もごはんを食べるのが遅くて保育園に遅刻した。
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「ランドセルが届いた日」
コメ0 草の根広告社 22ヶ月前
ランドセルが届く日。ぼくは「普通」について考えていた。ずっと「普通であること」を拒んで来たように思う。理由は両親が「普通」に見えていたからだと思う。普通の人生を送りたくない。そういう呪縛が自分の中にあったんだと思う。
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「Night Cruising」
コメ0 草の根広告社 23ヶ月前
ある月夜のことだ。娘を後部座席に乗せて車を走らせていた。海沿いの134号線は街灯もなく、ヘッドライトだけが頼りだ。波飛沫が上がるたびに仄かな月明かりで蛍みたいに発光する海面。ミラー越しに覗くとその光の明滅を見つめている娘の横顔があった。その無言の横顔に子どもの頃、父親が運転する車にひとりで乗ってい...