末井昭さんの「自殺」(朝日出版社)をようやく読み始めました。ネットでは随分前から話題になっていたのですが、まとめて読みたいと思い、チェックしていませんでした。母親が、10歳下の隣の家の青年とダイナマイトを使って心中をしたという話が冒頭から書かれています。母親について、または自殺に関することについて、特に自殺念慮を抱いたことのない立場からのものです。

 この「自殺」についての書評を書きたいと思ったのですが、私も自殺をテーマに取材する以前の、「自殺」に関心が出たことへの原点のようなものを書きたいと思いました。

 私の家は、栃木県北部の那須町にあります。旧国道4号線沿いにあり、那須塩原市(旧黒磯市)側から那須町に入ると最初の交差点のところですが、その交差点を左折して那須高原の方向へ行けば、那須御用邸があったりします。那須御用邸にはよく昭和天皇が通っていました。そのため、昭和天皇が那須へ来ることが多く、そのたびに通行止めになっていたのを記憶しています。

 その交差点ですが、実は、交通死亡事故多発地帯です。家からは100メートルも離れていません。今では、新国道4号バイパスが出来ているので、交通量は多くありません。しかし、私が中学の頃まではバイパスがなかったため、昼夜間ともに交通量が多かったのです。そして、当時から高速道路の通行料金を浮かせるために、大型車がよく走っていました。さすがに昼間は交通事故が少なかったのですが、夜間になると、その交差点付近で事故が起きていました。