渋井哲也の「生きづらさオンライン」
中国の食の倫理に関する私的体験
アメリカの食品卸売会社OSIグループ参加の「上海福喜食品」が使用期限切れの鶏肉を使用して出荷していたことが、中国国内のテレビ局によってスクープされた。元従業員の内部告発が元だった。日本国内への影響もあるものの、現在のところ、健康被害は報告されていない。中国の食品問題というと、差駐在が混入していた冷凍餃子中毒事件が記憶に新しい。ただ、中国では、商品流通での場面だけでなく、店舗でも杜撰な扱いがされていることがある。
各社の報道によると、「上海福喜食品」は使用期限が切れた鶏肉を使っていた。日本マクドナルドとファミリーマートの二社が、同社を通じて仕入れをし、販売をしてきたという。マクドナルドは「チキンマックナゲット」を、ファミリーマートは「ガーリックナゲット」などの販売を中止した。マクドナルドは、国内で使うナゲットの2割をこの会社から仕入れ、関東、甲信越、静岡の1都10県の1340店で販売していたと言われている。
ただ、中国ではこうした流通場面での「リスク」があるわけでない。不衛生な食品を出す店は中国国内でも見られる。私も経験したことがある。1990年代に中国に取材に行ったときだった。第二次世界大戦中に、長野県に強制連行された男性の取材のため、中国に入った。日中戦争のきっかけとなった事件があった盧溝橋に行ったときだ。現地の案内役と通訳とある飲食店に入った。
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