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復興の物語を正面から語る「Gのレコンギスタ」
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復興の物語を正面から語る「Gのレコンギスタ」

2014-09-06 11:38
    復興の物語を正面から語る「Gのレコンギスタ」


    こんにちは、大井昌和です!
    最近は体調も復活気味で、今年も後半戦と言うところでようやく本気モード。
    このあいだの竹書房の金本君との放送を見てもらった方はお分かりの通り、僕の野望のスタートも見えてきました。
    そんなこんなで今回は、本気モードで存外早くネームが終わったので原稿の合間に間に合った、
    富野監督の最新作「Gのレコンギスタ」を見に行った講評と感想をばを語りたいと思います!
    文字数が余ったら、久しぶりにおいしい店の紹介もしたいと思います^^;

    とにかく見て最初に思ったのが、これは復興の物語だということです。
    3.11以降、クリエイターはこことどう向き合うか、で作家として考えたかと思います。
    大抵は触らない。
    触るとするならば、ジャーナリスティックに作家性を入れない。(しかし政治性は入れる)
    若い作家は3.11に無意識に影響されるものが見えておもしろいのですが、中堅以上はなかなか難しい対応をしているように見えます。どちらかと言えば右翼的なものへの対応の方がまだしてる、と言うような感じです。
    アニメでも、設定がなにかの災厄の後の復興後など、表面を触るものがあるものの、物語として正面から「復興」と向き合うことは無いように見えます。
    そんな中、老人の域にいるであろう富野監督は真正面に「復興」と向き合う「物語」をはじめました。
    わかりやすく設定上見えるのは、クンタラといわれる被差別民族がそれでも共同体の中にいると言うものだったり、ソーラー電池の配給問題と言うインフラを握る組織の問題など、これらは比喩として大変わかりやすくちりばめられているのですが、この設定が復興の物語と言うわけではありません。
    まず子供達が主体的に動くと言う、冒険物語の復興。
    これまでのガンダムは、初代から否応無く大人の社会に巻き決まれ、自分の主体と関係なく動かざるを得ないものでした。
    軍艦で避難する中、たまたまガンダムを動かせるため軍組織のルールにはめ込まれるアムロ。
    カミーユは戦争という大人の作った状況で戦い精神を病みます。
    ターンAのロランも天真爛漫でありながら、社会を構成する女王に忠誠を誓います。
    だが今回の主人公ベルリは、天才でありそれを自覚し、自分の力を信じて行動します。そこに大人の論理など入る隙間も無いどころかそれを飛び越えて行動する少年です。
    それでいて、主人公は軌道エレベターを管理する長官の息子、他のキャラクターも誰々の子供、と言う表現をよく言う作品でした。
    これは今の大人に絶望する富野監督の解答でしょう。未来を子供の手に返すと言う願いのようなキャラクターたち。
    アニメを本来の形に復興する物語の象徴がキャラクター造形にふんだんに含まれており、見ていて大変心洗われました。

    そしてこれは富野監督にしか出来なかったことでしょう。
    今までサブストーリー的なガンダム以外ではなかったもの。
    それは仮面の男=シャアがいないということです。
    シャアとはアムロのダークサイド、もしくは大人に振り回される少年と言うものに対するアンチテーゼ的存在です。
    つまり己の才能を過信無く理解し、独自の思考で行動し、大人と対抗する若者、の象徴であります。
    しかしながらこういった存在は、ガンダムユニコーンの批評で言ったとおりシャアの魂は様々なガンダム作品を輪廻転生した結果、
    アムロの魂と一つになり昇華されて行きました。
    そしてレコンギスタは、今まで何度も言われた「新しいガンダム」と言う文字通りのテーマを「復興」しはじめたのです。
    しかも今の萌ジャンルでは画面に女子しかいない中、シャアと融合したアムロ=ベルリは実は三人の女子に囲まれると言う、少年漫画の王道のハーレムものにまで「復興」を果たす訳です。

    物語としてこれほどまで正面に「復興」を扱える作家がほぼ老人だと言う事実に打ちのめされるとともに、10月の放送を今から楽しみに待ちたいと思いました。


    さて。
    宇宙から大気圏突入を果たして重力の井戸の底に降り立った気分で話を変えます。
    そんなレコンギスタを見た後、いきなり打ち合わせ=仕事というのもきついので、おいしいものを食べて帰ろうと思いまして。
    ちょいと検索してたどり着いたのが
    「川香苑 本店」@新宿
    記事には担々麺がおススメされており、担々麺には一家言ある(いや、好きなだけ)な僕はふらふらと入ってみたのでした。
    担々麺とはもともと、担々は肩に担ぐと言う意味で、棒にゆでた麺と辛い肉餡を入れて売り歩くものでした。確か。
    そして客が来るとお椀に麺を入れて肉餡をかけて売る、といった感じの食べ物でした。
    つまりもともとスープは無い!
    しかしそれが日本に入ったときに日本人向けにスープひたひたな担々麺に改良したと言われています。多分。
    そして今現在、担々麺は大まかに言って二種類のものがあると思っています。
    ガラのスープに麺、その上に辛い肉餡をかけるものと、
    胡麻やピーナッツのスープにラー油などで辛みを加えたスープに麺と肉餡、というものです。
    ガラスープのものは概ね花山椒が効いていて油のこてこて感が少なく、
    胡麻、ピーナッツ系は当然コクが強く、ラー油などの油もあるので、油が悪いと少々厳しい・・・。
    これは多分中国の地方による違いだと思い込んでます。調べはしない。
    さてこの川香苑は前者に近いものですがスープ自体は少なく、語源の担々麺に近いものでした。
    花山椒が良く効いていて辛さの切れもよく食べやすいのにしっかり辛い。
    幅広の麺はもちもちで、肉餡との絡みもよく肉の旨味が溶けた少なめのだし汁が一瞬で麺と一体化する、満足度の高い担々麺でした。
    お店もきれいで、いい感じのサラリーマンがお酒とともに料理を楽しむ場所らしく、食事を終えるとそそくさと店を出て事務所に向かったのでした。



    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    こんにちわ、大古pです。
    レコンギスタを大井が見たということはよしみる先生と対談ができる!?
    何気に楽しみです。(忙しくてそれどころじゃない可能性もありますが・・・)

    コミックガタリーのPDFを見られないとの報告が視聴者の方からありましたが無事見ることができたようで本当によかったです。
    自分でやってみるまで、まさかosがファイルのリネームしてくるとは思わなかったのでびっくりです。
    たぶん、アップロード先につかったファイアーストレージが問題なのかとは思いますが、今後もしばらく使う予定ですので、リネームでの対応をよろしくお願いいたします。

    ちなみに、現在スタジオはフル稼働中です。
    締め切り2本が同時に目の前に迫っており、しかもデッドラインが見えている状態です。
    また残業放送をやりたいなと思いつつもいるのですが、たぶんほぼ間違いなく無理な気がしています。
    がんばります。






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