皆様こんにちは、ニコ生D&D解説担当の塚田です。これまで『DMのうらがわ』と題してDMやシナリオ作者の視点からの記事をお送りしてきましたが、これからしばらくは今シーズンで活躍するプレイヤー・キャラクターたちの解説を行なうことになりました。

 今シーズンの『ミスタラ英雄戦記 on the Table』は、これまでのシーズンに比べてかなり高いレベルのキャラクターを使っています。高レベルのPCはデータが大量かつ複雑になっており、キャラクター・シートを見ただけではどういう動きをするのか分からないことも少なくありません。そこで、このコーナーでは各PCの作成上のコンセプトや運用法などを説明していこうと思います。


アーズの解説
 さて、最初の紹介はハーフリングのファイター・スレイヤー、ああああことアーズです。スレイヤーはとてもシンプルで扱いやすいクラスですが、さすがにこのレベルになるとやれることが増えて来ます。と言っても、「突っ込んで敵を倒す」という基本的なコンセプトは変わっていません。他の能力は敵に隣接して斬りつけることを阻害する要素への対抗手段がほとんどなので、最初は攻撃用のパワーだけ覚えておき、何かあったら他の防御的な能力も確認する程度で充分に活躍できるでしょう。

 以下、アーズの取り扱いで覚えておいたほうがよいことを個別に説明します。

 スレイヤーの[構え]パワーは常時起動しておくことができるので、「特に宣言しない限り、戦闘開始時にはバーサーカーズ・チャージの構えを取っている」といったふうに事前にDMと話をつけておきましょう。戦闘開始時には敵データの確認や地形の把握など他にもすべきことが多いので、この手のルーチン処理は可能な限り省略した方がプレイヤーもDMも楽になります。

 セカンド・チャンスは敵の攻撃を喰らったら即座に使いましょう。クリティカル・ヒットを受けた時に備えて残しておこうとした結果、使い忘れて悔しがるプレイヤーがたびたび目撃されています。

 アクション・ポイントを使うときは、攻撃の順番に気をつけましょう。追加の標準アクションによる攻撃を先に行なって目の前の敵を倒してしまうと、フリー・アクションの近接基礎攻撃が無駄になってしまうことがあります。


アーズのデータ
種族他:ハーフリングの男性、善属性
クラス:ファイター(スレイヤー)レベル12
伝説の道:ミシック・スレイヤー(伝説のスレイヤー)
テーマ:アイアンロート
背景:アヴァンドラの口づけ

能力値(修正値)
【筋力】    21(+5)    〈運動〉+14
【耐久力】    16(+3)    〈持久力〉+12
【敏捷力】    18(+4)    〈隠密〉+10、〈軽業〉+15、〈盗賊〉+10
【知力】    9(-1)    〈宗教〉+5、〈魔法学〉+5、〈歴史〉+5
【判断力】    11(+0)    〈看破〉+6、〈自然〉+6、〈知覚〉+6、〈地下探険〉+6、〈治療〉+6
【魅力】    11(+0)    〈威圧〉+6、〈交渉〉+6、〈事情通〉+6、〈はったり〉+6

防御値他
AC:28、頑健:27、反応:24、意志:20
イニシアチブ:+10    移動速度:5マス
視覚:通常    言語:共通語、巨人語

ヒット・ポイント97(重傷値48)    一日の回復力使用回数12(回復力値24)

装備品
+2マスターズ・ブレード:バスタード・ソード、+3エボン・アーマー:スプリントメイル、+2バッジ・オヴ・バーサーカー、ホーンド・ヘルム、ブレイサーズ・オヴ・マイティ・ストライキング(英雄級)、ハーフリング・ブーツ、ヒーリング・ポーションx2、冒険者キット、登攀道具

その他の能力
剛胆:
[恐怖]効果へのセーヴィング・スローに+5種族ボーナス。

機敏な対応 および 《重刀剣練達》:
機会攻撃に対するACに合計で+4ボーナスを得る。

素早い持ち換え:
1ターンに1回、1回フリーアクションとして、“1つの武器をしまい、1つの武器を抜く”ことができる。

勇猛なるスレイヤー および 《セーヴ強化》:
すべてのセーヴィング・スロ―に合計で+3ボーナスを得る。

伝説の猛攻:
君が近接[武器]攻撃によって1体の敵のヒット・ポイントを0にするたびに、君は遭遇終了までの間で次に行なう1回の近接[武器]ダメージ・ロールに+4ボーナスを得る。

ミシック・スレイヤーのアクション:
君が追加のアクションをとるためにアクション・ボイントを消費した時、君はその追加のアクションを行なう前か後のいずれかに、フリー・アクションとして1回の近接基礎攻撃を行なうことができる。

《突撃迎撃》:
敵が君に突撃攻撃を行なうたび、君は機会アクションとしてその敵に1回の近接基礎攻撃を行なうことができる。

《凶猛なる重刀剣》:
君が重刀剣類を用いて近接基礎攻撃を行なう時、その武器は“高クリティカル”の特性を有しているものとして扱われる。

バッジ・オヴ・ザ・バーサーカーの特性:
君は突撃の際の移動によって機会攻撃を誘発することがない。

ホーンド・ヘルムの特性:
突撃のダメージが1d8増加する。

バスタード・ソード:マスターズ・ブレード+2
クリティカル:+2d6ダメージ
特性:使用者が[構え]のキーワードを有するパワーを使用している際、使用者はこの武器を用いた近接基礎攻撃および無限回攻撃パワーによる攻撃ロールに+1のボーナスを得る。


攻撃パワー
近接基礎攻撃    無限回
標準アクション    近接・1    +2マスターズ・ブレード:バスタード・ソード
目標:クリーチャー1体    攻撃:1d20+19対AC
ヒット:1d10+19ダメージ

遠隔基礎攻撃    無限回
標準アクション    遠隔・20/40    ロングボウ
目標:クリーチャー1体    攻撃:1d20+13対AC
ヒット:1d10+10ダメージ

パワー・ストライク    遭遇毎3回
アクション不要    特殊
トリガー:使用者の武器を使用した近接基礎攻撃が敵にヒットした。
効果:その敵はトリガーとなった攻撃から1d10の追加ダメージを受ける。また、使用者は自分に隣接するすべての敵を1マス横滑りさせることができる。

イネヴァタブル・ストライク
アクション不要    使用者
トリガー:使用者が近接[武器]攻撃ロールを行なう。
効果:使用者はその1回の攻撃ロールを2回ロールする。両方のロールがヒットしたなら、その攻撃ロールの目標は2d8の追加ダメージを受ける。さらに、使用者は次の自分のターンの終了時まで近接[武器]攻撃ロールに+1パワー・ボーナスを得る。


アイテム・パワー
マスターズ・ブレード    一日毎
マイナー・アクション
効果:この遭遇の終了時まで、使用者はこの武器を使用している間、同時に2つの[構え]を取ることができる。

汎用パワー、クラス特徴パワーなど
セカンド・チャンス    遭遇毎
即応・割込    使用者
トリガー:使用者に1回の攻撃がヒットする。
効果:攻撃者はその攻撃ロールを再ロールする。再ロールの結果の方が低かったとしても、必ず再ロールの結果を用いなければならない。

バーサーカーズ・チャージ    無限回
マイナー・アクション    使用者
効果:使用者は“狂戦士の突撃”の構えをとる。構えが終了するまでの間、使用者は突撃の際の移動速度に+2のパワー・ボーナスを得、さらに突撃の際の攻撃ロールに+2のパワー・ボーナスを得る。

バトル・ラス    無限回
マイナー・アクション    使用者
効果:使用者は“怒りの猛攻”の構えをとる。構えが終了するまでの間、使用者は武器を用いた基礎攻撃のダメージ・ロールに+3のパワー・ボーナスを得る。

モバイル・ブレード    無限回
マイナー・アクション    使用者
効果:使用者は“白刃旋舞”の構えをとる。構えが終了するまでの間、使用者は敵に武器を用いた基礎攻撃をヒットさせるたびに、フリー・アクションとして4マスまでの移動を行なうことができる。

サドン・スプリント    遭遇毎
マイナー・アクション    使用者
効果:使用者は、敵に隣接するマスへと、4マスまでの移動を行なう。

イグノア・ウィークネス    遭遇毎
アクション不要    使用者
トリガー:使用者がセーヴによって終了させることができる効果による“動けない状態”、減速状態、弱体化状態のいずれかの状態で自分のターンを開始した時。
効果:使用者は+5のパワー・ボーナスを得て、その効果に対して1回のセーヴィング・スローを行なう。

サーペンタイン・ブレード    遭遇毎
フリー・アクション    近接・武器
トリガー:使用者が重刀剣類を使用した近接攻撃をミスする。
目標:使用者がミスした敵
効果:目標は使用者の次のターンの終了時まで、あるいは使用者または使用者の味方がその目標を攻撃するまでの間、戦術的優位を与える。

ウェポン・ユニティ    一日毎
マイナー・アクション    使用者
効果:使用者は“武器との一体化”の構えを取る。この構えが終了するまで、使用者の近接[武器]攻撃は19~20の目でクリティカル・ヒットになる。また、使用者は機会攻撃ロールに+2パワー・ボーナスを得る。


『水曜夜は冒険者!:キャラクター解説』
著:塚田与志也
監修:柳田真坂樹