キンドルが上陸して早1年あまり、Amazonの後を追ってアップルのiBooksなどが上陸し、国内でもソニーをはじめとするメーカー系、そして出版社系といった電子書籍ストア、リーダー端末が続々と登場した2013年。国内の書店も書籍の電子化、あるいは紙とデジタルの共存に動き始めていますね。
そんな流れのなか、日経新聞が「書店大手の文教堂グループホールディングスは、紙の雑誌を買うと同じ内容の電子版を無料で閲覧できるサービスを始める」とのニュースを報じています。これはリアル店舗を軸としたデジタルとの共存策として注目を集めそう。
同報道によれば、12月に開始されるこのサービスは首都圏を中心とした文教堂の約200店舗で対象の雑誌を購入すると16ケタの数字を印刷した「しおり」が渡され、このコードを専用アプリ『空飛ぶ本棚』に入力することでデジタル版を読むことができるようになるというもの。もちろん紙の雑誌を処分してしまった後でも電子版のデジタルデータは保持できるといいます。
開始当初は出版社10社が参加し、旅行雑誌「るるぶ」、女性誌「DRESS」や「週刊東洋経済」、「週刊ゴルフダイジェスト」などが対応。2014年末までの約1年間で売れ筋の300誌にまで対象雑誌を拡大する予定とのこと。
近年は出版社が電子出版を推進し、海外からは次々とAmazonなどが新サービスを持ち込んでくるこの状況下。多くの実店舗を有する書店である文教堂の取り組みは非常に興味深いところですね。
書籍や雑誌に関わるあらゆる業種が電子書籍時代に向けて大きく舵を切った感のある昨今、いよいよ我々消費者の側も「これから本をどう買うか」をハッキリ決める時期にさしかかっているのかもしれません。
文教堂、雑誌買えば電子版無料 出版10社と組む [日本経済新聞]
(ワタナベダイスケ)