スマホのカメラ機能が向上するにつれて、写真撮影の機会が増えた昨今。ウマそうなものが出てきたらパシャリ、夕日がキレイだったらパシャリ...している人も多いでしょう。でも、そんな行為は、実は無駄かもしれないという調査研究結果が先月発表されました。
この「写真撮影減損効果」について調査を行っているのは、米・フェアフィールド大学のリンダ・ヘンケル博士。調査を開始した理由について、次のように語っています。
「思い出を残しておく手段として、無意識のうちにカメラを起動する機会が増えました。そんなとき、ファインダー画面を通して物事を見ていると、眼前の情報を見誤ることが多いんです」
それを実証するために行ったのは、美術館を利用した実験。学部生を学内にあるベルアミーノ美術館に連れて行き、カメラでメモを撮らせるグループ、単純に目視で観察させるグループにわけて、特定の作品を鑑賞させたのだそうです。
翌日、鑑賞させた作品についてのテストを両グループに実施。その結果、カメラのグループよりも、目視のグループの方が、より精度の高い回答をしたとのこと。
「たとえば、イベントを記録する際にカメラを利用するなど、記憶をテクノロジーを頼った場合、思い出にネガティブな影響をおよぼすことが判明しました」
と、彼女は説明します。
楽しい体験を、より良い思い出にしようと、カメラのアングルに凝ったり、何枚も撮り直したりすることはよくあること。でも、絵作りに熱中するあまり、本当に大事なものは見落としてた、ということなんですかね...反省。
これからは、スマホでの撮影は、ほどほどにして、目の前のことをしっかり楽しもうと思います。
写真を撮りすぎると、思い出が減る!? 思わぬ弊害が明らかに[cafeglobe]
No Pictures, Please: Taking Photos May Impede Memory of Museum Tour[aps]
(オサダシン)