米国防省が認めるタフネス性能である『MILスペック』を持つスマホが登場するなど、近頃ではミリタリーアイテムの強靭さに注目が集まっていますね。
そんななか海外ビジネス系メディア『マーケットプレイス』が紹介していた、米海軍公式の最新鋭『潜水艦内で利用するための電子ブックリーダー』端末の主な特徴がこちら。
・インターネットには接続できません
・アプリのインストールは一切できません
・本を自由にダウンロードできません(あらかじめ300冊収録済み)
・カメラはありません
繰り返しになりますが、これは海軍最新の端末です。それが何故こんなに不便なのか、理由は機密だらけの潜水艦内という特殊な利用環境にあるようです。
なによりセキュリティこそが最優先
機密情報のかたまりである潜水艦で利用されるにあたり、重視されたのが「セキュリティ、耐久性、そして兵士が読みたいタイトルがあること」とのこと。実は、先に挙げたできない事の多さはむしろセキュリティ保護のために不可欠な要素。情報漏洩の経路を徹底的に遮断しているのです。
先の記事、海軍の公式発表とも耐久性(頑丈さ)についての記述は見当たらないものの、端末に内蔵される300冊の電子書籍は米海軍ライブラリ10万8千タイトルの蔵書から選出されるためラインアップは豊富な模様。
なお1台あたり3,000ドルにもなる調達価格のうち、大半はライブラリの電子書籍タイトル代金で、本体価格は安価に抑えられているのだそうです。
ちなみに、この端末はNavy e-Reader Device(ネイビー・eリーダー・デバイス=海軍電子リーダー端末)の頭文字を取って『NeRD(ナード)』と呼ばれており、音読すると英語でオタクを意味する「ナード」と同じになってしまっているのも気になるところ。
これだけ機能を削ぎ落とされた端末なのに『オタク』と名付けられてしまうなんて、ちょっと不憫な気もしますね。
Navy sailors get an e-reader called 'NeRD' [Marketplace.org]
Navy General Library Program Announced Release of NeRD e-Reader [アメリカ海軍]
(ワタナベダイスケ)