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第九回 商品の成り立ちを別の観点から見てみよう
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第九回 商品の成り立ちを別の観点から見てみよう

2014-11-30 19:00
    nisa-tanaka009.jpg

    前回は、投資対象資産が多種多様であること。また、その値動きは予想が難しいことをご説明しました。

    今回は金融商品の成り立ちを、ちょっと別の観点から見てみましょう。

    金融商品を見渡してみる

    nisa-tanaka009_3.jpg

    この図は、金融商品の出元を表したものです。政府と民間企業のどの部分が、どんな金融商品になっているかを示しています。

    不動産が抜けているように見えますが、それは一番下の「オフバランス」というところに入ります。

    投資信託も抜けていますが、これは広い意味での仕組商品になります。投資信託の仕組みやその他諸々のことは、連載の後の方でご説明します。

    いまは、投資信託は株式や債券、商品などをパッケージ化して小口売りすることが出来るタイプの金融商品だと理解してください。

    ざっと見渡してみると、金融商品というのは、資金不足を賄うために、政府や企業などが何かを裏付けにして発行するものだということがわかります。

    返済が必要な政府の借金が国債、企業の借金が社債、企業が銀行からお金を借りたものを銀行が転売するとバンクローン。企業が自己資本を調達したときに、代わりに渡す企業の支配権の証書が株式、企業が持っている資産を担保にして現金を得るのが、オフラバンス関係の商品。

    リートとは?

    例えば、自己所有の本社ビルを売ってしまって現金を得て、そのビルに居続けて家賃を払うという選択をします。

    すると、企業は資産を圧縮して資本効率を高められ、いざとなれば本社を移転してしまえばよいので身軽にもなれます。

    こうした店子付きの物件を複数所有して、家賃収入を投資家に分配するタイプの投資信託が、リートと呼ばれるものです。

    リートには、オフィスビルに投資するもののほか、ショッピングモールや倉庫など、様々な不動産に投資するものがあります。

    先物のはじまり

    企業が貿易を行ったり、原料を調達したりするときに、決済に必要な為替を手当てしたり、価格の不安定な一次産品のコストを固めたりしたくなることがあります。

    こうしたときには、先物を使って将来の受け渡し時点の価格を事実上固定することがあります。これが為替先物や商品先物のはじまりです。

    このように、将来価格と現在価格を交換するなどの方法で、多様な取引を仲介する仕組みがデリバティブです。

    本源的投資対象資産の価値に対して、派生的に発生する取引なのでデリバティブと呼ばれるのですが、デリバティブは機動的な取引が可能であったり、投資資金の何倍もの「レバレッジ」というポジションを取ることが出来るなどの特徴から、本源的資産以上にポジションが積み増されることがあり、よく「尻尾が犬を振る」というような市場のかく乱要因になったりもします。

    このようなデリバティブに代表される金融商品の値動きの激しさは、投資を博打と同一視させるもとにもなっています。

    でも、投資と博打はその本質が大きく違います。

    次回はその辺をご説明したいと思います。

    RSSブログ情報:http://www.tabroid.jp/news/2014/11/nisa-tanaka009.html
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