141208shm01_01.jpg個性は捨てずに、別の土俵でも勝負します。

ドコモ、au、ソフトバンクにワイモバイル、と主要な国内キャリア全てにスマホ端末を供給しているシャープが、MVNO(仮想移動体通信事業者)の格安スマホ向け端末として『AQUOS SH-M01』を発表しました。

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一括価格 52,800円(楽天モバイルの価格表より)

まずは楽天モバイルの端末としてリリースが決まっていますが、特筆すべきはそのスペック。今まではハイエンドな高性能・高機能モデルをメインにしていた国内メーカーも、いよいよ「そこそこ充分な基本性能で、独自機能を削ぎ落とした」モデルを投入する時代へと舵を切ることになるのかもしれません。

過剰なスペックをカットし「シャープらしさ」は継承

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発表されたスペックシートを見ると、4.5インチ画面というコンパクトサイズながらシャープのお家芸であるフルHDのIGZO液晶ディスプレイを搭載し、カメラやCPUも性能の高いものを採用。

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AQUOS SH-M01の主要スペック(ニュースリリースより)

しかし、日本市場で大手キャリアから販売される端末に対して、数字の面では弱さを感じる人もいるのではないでしょうか。既発のドコモ向け『AQUOS ZETA SH-01G』では32GBある記録用メモリ(ストレージ)や、3,300mAhの大容量だったバッテリーと比較すると、SH-M01ではそれぞれ16GB、2,120mAhと見劣りしますし、大手キャリア向けのスマホでは当たり前のように搭載される「おサイフケータイ」や「フルセグTV」といった機能もありません(ワンセグは対応)。

とはいえ、国内メーカー製でハイエンドではない端末が、こうしてリリースされることに時代の流れを感じます。

ついに国内メーカーが「キャリア主導型」開発から抜け出すか?

かつて「ガラパゴス携帯」と呼ばれたように、日本国内の携帯電話開発はキャリア主導で進められてきたと言われています。しかし、昨今の格安スマホブームでハイスペック機以外の海外製端末がSIMフリーで販売されたり(参考記事)、日本市場から撤退したパナソニックがインドなどの新興市場に積極的に進出していたりと、日本の携帯電話メーカーとキャリアを取り巻く情勢は大きく様変わりしました。

そうしたなかで、日本メーカーがより多様なスペックの端末を、より多様な販売ルートで展開していく、それがもしかすると2015年以降の国内携帯電話市場のトレンドになっていくのかもしれませんね。

 
MVNO事業者向け「AQUOS SH-M01」を製品化 [ニュースリリース:シャープ]
AQUOS SH-M01 [シャープ]

 

RSS情報:http://www.tabroid.jp/news/2014/12/sharp-shm01.html