地球の自転のムラによる誤差を調整する「うるう秒」。この時、お手持ちのアナログ時計等では時刻の修正が必要になります。ところで、スマホなどの機器では多くの場合はネットワーク越しに自動で時刻合わせをするので、ユーザーがうるう秒を意識する必要は(一応)ありません。
さて、ここではネットでの時刻合わせの仕組みと、「うるう秒」が大きな話題になっている理由を、ざっくりとまとめてみましょう。
時刻あわせの仕組み「NTP」と「NITZ」
インターネットにつながっている機器では、ネットワーク越しに時刻を同期する(自動時計あわせ)機能が使えることが多いです。
代表的なものは、PCで主に用いられている『NTP(Network Time Protocol)』があり、うるう秒を実施する情報通信研究機構(NICT)も、日本標準時を配信するNTPサーバーを持っています。
また、スマホではモバイルの通信回線を使う時刻同期の仕組み『NITZ(Network Identity and Time Zone)』が使われることも多いようです。いずれにしても、ネット越しに時計合わせをする仕組みがあるということなのですね。
「うるう秒」をおそれる理由とは?
前回の「うるう秒」が実施された2012年7月1日では、ネット上にあるサーバー機器が、たった1秒のうるう秒が原因でトラブルに見舞われる事例がいくつも見られました。
ユーザー側では意識する必要がなくても、サーバー等のネットを支える機器を管理する側では、思わぬ問題が発生する可能性があるとして大きな話題になっているというわけです。我々としては、直接的にできることはありませんが、ネットの屋台骨を支える人々が、人知れず対策にあたっていることに気付かされます。
なお、毎年7月の最終金曜日は「システム管理者の日」とされています。無事に7月1日の「うるう秒」を乗り切れたなら、彼らに感謝の意を捧げたいところですね。
[日本標準時プロジェクト Information of Leap second]