うそはうそであると見抜ける人でないと難しい
西村博之
SNSでガセ情報をシェアしてしまったり、飲みの席でニュースの間違った解釈をドヤ顔で講釈してしまったり...そんな失敗、したことありませんか?
ネットにはたくさんの情報があふれていますが、残念ながら、その中には間違ったものも含まれています。人をひっかけようとして作られたウソ情報もありますし、ニュースなどでも、大筋は正しいけど一部分は間違っている...なんてことがあります。
こういったウソ情報に踊らされないためには、どうすればいいのでしょうか?
情報の真贋はすぐには見分けられない
最初に言っておくと、「情報のウソ/ホント」をその場で見分ける方法はありません。
ネットはもちろん、テレビや新聞といったマスメディアでも、誤ったニュースを報じてしまうことはあります。自分の眼で見てもいないことを、ネットの情報だけで「正しい/正しくない」を判断することは不可能です。
ここで大切になるのは、「確度(かくど)」という考え方です。
情報を「確度」でとらえよう
「確度」とは、「情報の確かさ」を度合いで決める考え方です。何か新しい情報を知ったときに、「このニュースは80%くらい信用できるな」や、「この話は5分5分でウソだろう」など、ざっくりと確度を決めてしまいます。
その後、新しい情報を知るたびに、確度を上げ下げしていくのです。
ポイントは、「○○新聞が報じているから絶対正しい」「この人はウソばかり言う」など、いきなり確度を100%(または0%)にしないこと。どんなに正しそうでも、「90%~10%」くらいで判断してください。
こうすることで、「最初はAが正しいと感じたけど、実はBのほうが正しそうだ」というように、自分の中で方向転換がしやすくなり、思い込みによる発言・行動がぐっと少なくなるはず。
いきなり信じたり否定したりしないで
人は、状況をすばやく判断しようとするためか、情報の正誤をその場で決めがちです。そして、一度信じる/信じないを固めてしまうと、その後は最初の決断(思い込み)をもとに行動してしまうのです。
こういった思い込みは、無意識なだけに排除しにくく、最初の判断がその後の判断すべてに影響します。正しさをあいまいにしておけば、続報へのこういった影響を減らせるわけです。
なお、「情報」といいましたが、ニュースにかぎらず、ものごとの解説記事、タレントのコメントなどについても同じ態度が使えます。
「人の発言にいちいち疑いの目を向ける」考え方ではあるのですが、情報があふれる時代に必要な自衛手段として、心にとどめておいてください。