感じる...男性の執念と女性の怨念を感じる...。
鳥取市で開催される予定だった、「男性参加者公務員限定」の婚活イベントが中止となっていたことがわかりました。共同通信社が伝えています。
このイベントは鳥取市の主催で進められていましたが、「税金を使って公務員限定の婚活イベントをするのか」といった批判が寄せられたということです。運営費は、税金でまかなわれる予定でした。
一方産経WESTによると、鳥取市では「女性のニーズに応じて企画したもので、市職員の結婚を支援する目的は全くない」と理解を求めていたということです。
しかし、予想以上に批判が殺到。やむなく、中止となってしまいました。
ネット上での声
このニュースにネット上では、以下の様な声が上がっていました。
・「なんで中止になったんだろう?」とタイトル見て不思議に思ってクリックしたら、税金使うつもりだったらしく、5秒後には「なんで開催できると思ったんだろう?」って言ってた
・前の婚活では男性側に条件なしのため女性側が不安がって集まらなかったっていう事情もあるのよねぇ、税金で身内救済がメインではないんだよね
・今回のポイントは自治体が主催の婚活で男性参加者を公務員限定にしたこと、つまり身内びいきをしてると取られかねないわけで。それでも抗議するほどのことかと思うんだけどね
・職業を限定すること自体は咎められる理由にはならないと思うが、問題はイベントに"公費を投じている"ということ。擁護してる人はそこんとこも考えて意見したほうがいいよ。
・税金で開催する婚活企画で、公務員の嫁さがしのお世話するなんてありえん。
・なるほど女性側のニーズを考えたのか。しかし他にやり方があったのでは・・・
ざっと見た感じでは、「中止するべき」という声のほうがやや多いように感じました。半数近くかそれ以上がNOを突きつけている以上、開催は難しいでしょうね。
「民の声」を感じろ
さて、みなさんはこのニュースを読んで、最初にどのような感想をいだきましたでしょうか。私は、ものすごく濃厚な、ドロドロしたものを感じました。なぜだか分かりますか?
というのも、先ほどのネット上での声にあった、こちらの意見。
・前の婚活では男性側に条件なしのため女性側が不安がって集まらなかったっていう事情もあるのよねぇ、税金で身内救済がメインではないんだよね
そして、先ほどの産経WESTに書かれていた、こちらの一文。
当初は男女各20人を予定していたが、女性から過去最多の79人の応募があり、定員を各30人に増やした上で抽選した。
そう、今回の「男性が公務員のみ」というイベントは、女性から大変好評だったわけです。鳥取市としては、女性がたくさん集まった今回のイベントは「成功」になるはずでした(批判側に回った女性もいるとは思うのですが)。
そんな好評だったイベントを、「公務員の嫁探しに税金を使うのはけしからん」という大義名分のもと、世の男性たちが中止へと追いやったわけですよ。せっかく女性たちは喜んでいたのに。
そうするとですね、感じるわけです。女性たちの安定を求める心...そこへ舞い降りてきた「男性が公務員のみ」という神がかった婚活イベント...それを中止させる男性たちの声...!
男たちの公務員に対する怒り! イベント中止に女たちが覚えるぶつけどころのない恨み!
今の日本が抱える少子化・晩婚化問題のあらゆる負の感情をコンクリートミキサーにかけてぶちまけたような一連の出来事に、私はもうゾクゾクが止まりません。
ルンルン気分で参加予定だった女性たちと中止決定に満足している男性たちの気持ちを考えると、口からヘドロが出てきそうです。
たしかに、「身内のために税金を投入するな」と批判した人たちの気持ちも、よーく分かるんです。もっとうまいやり方があったんじゃないかと思います。一方で、なんとしても成婚率を高めたいという地方自治体の現実も痛いほど分かります。なんともやりきれません。
少しずつ春の気配が近づきつつある、爽やかな3月の始め。私の心には、虚無感漂う風が、鳥取の砂丘から吹き込んできたのでありました。
「公務員限定」婚活中止、鳥取市 批判相次ぎ[共同通信社]
鳥取市が「公務員限定」婚活イベント 女性の参加殺到も...「税金で公務員の結婚を世話」と一部批判[産経WEST]
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