温かくなってきて、そろそろ冷たいビールを飲みたくなる季節ですね。
でも、どんなビールがいいか調べようとして「ラガーとかエールとかピルスナーとか、何のことかわからなくてめんどくさい...ラガーでいいや」なんて思ったことがある方も多いのでは?
この「ラガー」「エール」「ピルスナー」といった言葉は、全てビールのカテゴライズ=種類分けに関する単語です。この分け方のことを「スタイル」といいます。
一番大きなカテゴリが「ラガー」と「エール」、そして「その他」があります。
その他についてはまた後日お話しますので、まずはラガーとエールの違いからご紹介しましょう。
二大カテゴリ・ラガーとエール
大きなポイントは、ビールが発酵するときの酵母の動きです。
ビールを造るときはまずモルト(麦)と水で麦汁(ばくじゅう)を作り、そこに各銘柄に合った酵母を入れて発酵させますが、このとき酵母がどのように動くかでラガーとエールを分けています。
ラガーとは、発酵するときに酵母が麦汁の底に沈む「下面発酵」したビールの総称です。
低温でやや長い時間をかけて発酵するのも特徴で、全体的にすっきりした味わいのビールが多くあります。
ドイツやオーストリアなど中欧地域や、アメリカではラガー系のスタイルが豊富です。
一方、エールは発酵した酵母がビールの表面に浮かび上がる「上面発酵」したビールの総称です。
常温に近い高めの温度で、3~5日という比較的短期間で発酵が完了します。
ラガーと比べると複雑な味わいのものが多く、「フルーツのような香りがする」と評される銘柄もいくつかあります。
エール系のスタイルはイギリスやアイルランド、ベルギーで特に愛されています。
赤・黒・泡なしでも「ビール」?
このラガー系とエール系それぞれの中に、さらにいくつものスタイルがあります。例えば、現在世界で一番多く生産されている「ピルスナー」はラガー系スタイルの一つです。
日本の有名メーカーのビールも大多数がピルスナーで、「キリンラガー」、「アサヒスーパードライ」など多くの銘柄が当てはまります。
これはピルスナーのあっさりしたのどごしと苦味が、高温多湿な日本の環境で飲むには適していたからという理由が大きいようです。そのため、日本では長い間ピルスナー以外のスタイルが広まらず、「ビール」=金色で苦味と泡があるお酒という認識が主流でした。
しかし、ピルスナー以外のスタイルでは真っ赤・真っ黒に近い色をしていたり、ほとんど泡が立たなかったり、日本人にとっては「それもビールなの?」と驚いてしまうようなものもたくさんあります。
面白いのは、色が濃いビールでも味が濃いとは限らなかったり、ほとんど苦味を感じないビールもあることです。
「ビールは苦いから嫌い」「おいしくない」と思っている方も、もしかしたら日本ではあまり見かけないスタイルのビールなら美味しく飲めるかもしれませんよ。
中には日本の女性に人気のスタイル・銘柄もありますので、チェックしておくといろいろ便利かも。
これからどんどん紹介していきますので、お楽しみに。