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自分の年金をメンテナンスする」って一体どういうことなのでしょうか? 今までお話してきたように国の年金制度、会社の年金制度、どちらも自分では管理したり運用したりすることはできません。

唯一の例外が「確定拠出年金」です。前回までは確定拠出年金でどうやって自分の年金資産を運用するかというお話をしましたが、今回は自分でできるメンテナンスの方法をお話したいと思います。

メンテナンスの頻度

確定拠出年金の運用を始めるに当たって、どういうカテゴリーの資産に分散して資産配分するか、というのが最初におこなうべきことです。実はこの部分が最も大切なところです。なぜなら、運用成績の8割以上はこの資産配分で決まると言われているからです。

実際に運用が始まると、その後は市場の動きによって価格が変動します。この結果どんなことが起こるかというと、最初に決めた資産配分の比率がずれてきます。

具体的に考えてみましょう。

最初に株式と債券を50:50で配分したとします。仮に株が倍に増えたとすると、その比率は100:50になります。こうなってしまうと当初の配分比率からは大きく狂ってくることになります。これによって考えていた投資方針と異なってしまいますので元の比率に戻してあげる必要があるのです。

具体的には値上がりした株式の一部を売却し、債券を買い増しすることで同じ比率になるようにします。この場合で言えば、株式100の内、25を売って債券を25買い増し、75:75に整えるのです。専門用語で言うとこれを「リバランス」と言います。

また、昇給によって掛金が増えた場合に同じ比率のままでいいかどうかを考える必要もあります。また何らかの理由、例えば仮に遺産相続等で少しまとまったお金が入ってきた場合などは自分がどれぐらいリスクをとれるかという度合いが変わってきます。こうした場合には資産配分の比率を変えたりすることもおこなうことが必要でしょう。

こういったメンテナンスは、それほどまめにおこなう必要はありません。具体的に言えば半年か1年ぐらいに一度確認をしておけば十分でしょう。しかもその時点であまり大きな変化がなければ特に何もする必要はありません。

確定拠出年金の場合は半年か1年に一度の割合で残高通知が送られてきますからその時だけ確認しておくだけで良いと思います。

基本は自動車などの場合と同じで、定期的なメンテナンスさえおこなっていればあとはあまり気にせずにほうったらかしておいても大きな影響はないということです。問題はある程度の年齢になって年金を受け取る時期が近づいてきた時です。その場合はどうすればいいかを次回からお話していきましょう。

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