私が米国のジョージタウン大学に留学していた時に、「アメリカ外交プロセス」というオルブライト教授(後にクリントン政権で米国初の女性国務長官)のゼミに入りました。
当時、ソ連のブレジネフ書記長の体調問題が取り沙汰されていた時でした。
ゼミでその議論になった時に、オルブライト教授曰く、「大事なのは、何回正しく予測をしたかではない、変化点を予測できたかどうかだ」。
「ブレジネフの体調問題で、正しい予測をしようと思ったら、簡単だ。ブレジネフは元気だといっておけばよい。ブレジネフが死ぬのは1回限りだから、常に元気だといっておけば、1回以外は正しく予測できる。しかし、そんなのは何の意味もない。大事なのは、変化するとき、なにかが起こる時に、それを予測できるかどうかだ。」
あれから40年経ちますが、「なにかが起こるのを予測できたかどうかだ」という言葉はしっかりと覚えています。