津田直士さん のコメント
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今回、1年を振り返る記事を書こうとしたのだが、振り返るのは5年や10年、あるいは30年でも良いのでは、 とふと思った。 振り返るのが1年と5年では、どう違うのか。 1年と30年ではどう違うのか。 そんなことに興味が湧く。 常々、タイムスパンという言葉を使ってきた。 様々な時の広がりを意識することが重要だ、と話す機会が多いからだ。 1年間を意識することはよくある。 この年末や新年の始まりなどがそうだ。 確かに年末というのは、1年を振り返るのにとても良いタイミングだが、だったらついでに5年間、10年間、30年間を振り返ってみようか、そんな気分になる。 さらに良いのは、そうやって振り返る年月をどんどん延ばしていくと、一般的な1年という区切りよりも、自分にとって大切な独自の区切りというものも見えてくる。 そして、年末や新年といった一般的な区切りも良いが、自分の人生にとってもっと大切な区切りは何なのか、ということも考えたくなってくる。 そんなわけで、試しに意識する年月を、ずっと長く広げてみよう。 5年だとどうか、10年だと、あるいは30年だと・・・。 心に浮かぶ記憶や情景が、だいぶ変わってくることだろう。 自分自身も、1年前と10年前では、その変化が相当違うことに気づくだろう。 取り巻く環境も人間関係も、自分の人生そのものも、それぞれの年数に応じてきっと、かなりの違いがあることだろう。 たまたま僕の場合、今年の1年を振り返ると、自動的に30年前を振り返ることになった。 今年が「BLUE BLOOD」リリース30周年だからだ。 4月20日に「BLUE BLOOD」リリース30周年イベントをやったからだ。 そうして30年をきちんと振り返る、ということをやってみた結果、僕の場合は驚くほど多くの新しい発見があった。 大切な気づきもあった。 過去を振り返るのがこんなに意義があるということに、半世紀以上生きていて、初めて気づいた程だ。 「今」と「30年前」を行き来しながら書き上げた、拙著「美しい記憶」に記した通り、僕の場合、30年前は毎日がXとの日々だった。 人生の全てがXだったのだ。 毎日毎日、メンバーと共に必死でXの未来を創っていたのだ。 その頃の自分と実際に会ったら、いったいどんな気持ちになるのだろう、と思う。
今の自分から見て心配なところがあれば、30年前の自分を叱咤激励するかも知れない。 反対に今の自分よりも輝いていたら、自分自身なのにもかかわらず、嫉妬するかも知れない。 でも冷静に考えてみれば、あの頃の僕も今の僕もまったく同じ自分だ。 全力で生きている以上、少なくとも同じ自分から見た時に、どんな判断も行動も、正しくないことや間違っていることなんか、あるわけがないのだ。
そう気づいて、少し安心する。 タイムマシンで30年前のあの頃、Xのメンバーと必死で毎日を送っている自分に、叱咤激励する必要もなければ、あの頃の自分が全力で辿り着いた今の自分には、あの頃の自分に嫉妬するような劣化した部分、退化した部分もない。 あるのは、あれから30年間人生を丁寧に積み重ね続けた結果得た、生き続けていることの豊かさだけなのだ。 そう考えた時、ひとつ気づくことがあった。 それは、自分がそのように言い切れるのは、30年前の自分が未来の自分に求めた期待に、きちんと応え続けてきた結果なのだ、ということだ。 炎のように燃えながら必死で毎日を送っていたあの頃の自分が、若いその頃には解決できない答えを未来の自分に求め、なおかつその命懸けの毎日を送るほどのエネルギーをこれから先、何10年も絶やすことなく、日々精進しながら今よりもずっと強くなっていって欲しい、人としてもっと気高く豊かになっていって欲しい、そういった願いに応えたくて、誠実に日々を重ね続けた結果、きちんと手に入れた成果が、今の毎日を創っているのだ・・・そう気づいて、とても嬉しく思ったのだ。 1年前ではなく、30年前という遠い昔を振り返る・・・。 そんな機会を「BLUE BLOOD」30周年記念ということから得た僕は、過去このブロマガ記事を始め、色々な必要から繰り返してきた「タイムスリップ」を、31年前のメンバーとの会話から始め、音楽合宿を経てちょうど30年前の「BLUE BLOOD」レコーディングに至るまで、意識的にきちんとしてみた。 そのタイムスリップをより正確にし、記憶の奥底に埋没している細かなエレメントをすくい上げるために、30年半ぶりに、音楽合宿を行った河口湖の「キャメロットスタジオ」も訪ねた。
音楽プロデューサー/作曲家の 津田直士が、その経験から得た、「主人公という生きかた」をもとに、① 人生の悩みや迷いへの答えを分りやすく答える『その答えは』 ② 世間の話題や素晴らしい作品、アーティストプロデュースや音楽制作などあらゆるテーマで自由に綴る『本能が吠えるまま』 ③ 伝説のバンド X JAPANと共に過ごした記憶が瑞々しくリアルに綴られた著書「すべての始まり」に記されなかった舞台裏とプロデュースの原点を新たな視点で描く『夢と夕陽』 ④ 自分らしい人生を積極的に生きている人にインタビューをして、生きかたのヒントを見つける『ある人生 』といったブログを定期的に展開します。
返信が遅れてごめんなさい。
2019年からの出会い・・・っても嬉しいです。
これからもよろしくお願いしますね!
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