津田直士さん のコメント
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全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響によりあらゆる国や人々が混迷を極める今、YOSHIKIは自らのニコ生から、山中伸弥教授と緊急対談を実施することで、私達がどのような姿勢で現状を受けとめ、対処していくべきなのか・・・という疑問について、貴重な示唆をくれた。 今回はその示唆がもたらす大きな意義について、そして対談の必然性と芸術との深い意味について書いてみたいと思う。 ニコ生というメディアを使うことで、まずはYOSHIKIがこのような行動をとる原因となったのが「ファンを心配するYOSHIKIからの深い愛情」であることは明確で、それは対談後に胸中を語る際、声をつまらせ涙声になったことからもよくわかる。 また、自らの動きが逐一ニュースとなる、現在の日本における影響力も考慮し、今回の番組は無料開放して誰にでも観ることができるようにし、さらにYouTubeのYOSHIKI CHANNEL INTERNATIONALでもこの対談を観ることができるようになっている。 これは今回の対談で明らかになる内容を、ファンのみならずあらゆる人たちに向けてきちんと届けたい、というYOSHIKIらしい責任感に基づいたものだとわかる。 その責任感は、決して自分の意見や感想を発信するというような視野の狭い姿勢ではなく、自分もまたどのように現状を受けとめ、対処していくべきなのか、という疑問を持つ一人の人間として、現時点で最大限正しい情報を確認し、それを世の中の人たちと共有したい、という姿勢によるものだった。 そのためYOSHIKIは深く信頼のできる山中伸弥教授に、自らが現在得ている情報と自らの見解を丁寧に教授へ託し、その回答から結論を導く、というプロセスで対談を進めていった。 その結果、ビル・ゲイツの記事から得た「人類にとってとてつもない脅威となってしまう可能性について」と、YOSHIKI自身の「目先にとらわれることなく、将来的な大きなものを失わないように、1日も早く解決策を見つけることが、将来的にも経済的にも回復を早めるのでは?」という考え方、この二つのYOSHIKIの疑問に対し、教授が「数十万人もの死者を出した100年前のスペイン風邪のような危険性と、医学や情報伝達の進歩を元に人々の努力次第で被害が当時よりもずっと低く抑えられる可能性」の双方を示唆し、一方で「大切なのは何よりも社会全体で先手を打ちながら早急に対策をすること」であり、「人類が初めて経験することであるためエビデンスがないのは当然であり、大袈裟なくらいの対策をしながらエビデンスが集積した後に少しずつ緩めていくべき」という回答により、YOSHIKIと共通する考えがわかりやすく示された。 この示唆は、もちろんひとつの見方ではあるが、一人の人間が現在最も信頼しうる情報をきちんと得て、それを共有することで無意味な混乱を防ぐ、という意味で多くの人にとって大変貴重な示唆となる、と僕は感じた。 なぜなら、上記に書いたような内容は、少なくとも現時点で間違いや偏りが特にない、とても公正な考えだからだ。 その公正な考えから導き出される、私たちが今取るべき一つの姿勢が「何よりも早さが大事な今の対策のために、皆が我慢をすること」であることに、僕は深く納得した。 なぜならそれは、ここ最近YOSHIKIが積極的に提案をしていた「今このタイミングでコンサートを行い、参加することは、危険な行為だと思う」という考えをきちんと裏付けるものであるからだ。 このYOSHIKIの考え方は、自分自身にもマイナスとなることであり、自分の都合や立場より、何よりも人の命を優先させるという、ひとりの人間としての気持ちを大切にするYOSHIKIらしいものであったから、僕はこの考えに、より科学的な必然性が明確になることを望んでいた。 その上で、先ほど書いた通り、決して自分の意見や感想を発信するという視野の狭い姿勢ではなく、自分もまたどのように現状を受けとめ対処していくべきなのか、という疑問を持つ一人の人間として、現時点で最大限正しい情報を確認し、それを世の中の人たちと共有したい、という姿勢に基づく対談から導き出されたのが今回の示唆であったから、僕は個人的に大変納得したのだった。 僕自身も音楽の世界にいる上、周りの数多くの知人達が、自粛のもたらす悪影響に戦々恐々としているのも事実なのだが、僕は今回の新型コロナウイルスによる脅威を、未知のウイルスである点とその強い感染力から、天災などの大災害を被っている状況と同じように受けとめている。 たとえ海外であっても、一部で医療崩壊が起きているような状態は、少なくとも僕自身は人生で経験したことがないからだ。 ここは、医療機関の健全性を確保することも含めて、何よりも優先されるべきなのは人命に他ならないと思う。 また、教授が語った「新しい情報により現状に間違いを発見した瞬間、素直に間違いを認めて新しい情報に基づいて新たな指針を明らかにするべき」という、個人の感情ではなく明確な事実に基づいて判断をしていく、科学者らしい姿勢を強調されたことにも感銘を受けた。 今回教授が指摘された、人類初であるが故に存在しないエビデンスについても、医療従事者や専門家、研究者などによって日々、新たな発見がなされていくであろうし、医療の現場では過去の経験を活かし、仮エビデンスといった現場のプロならではの、緊急対応策も取られていることだろう。 そういった現場の努力を含め、世界中が危機に瀕する中、国家や人々がそれぞれの個人的な感情や都合ではなく、何よりも公正で科学的な考え方を共有することが、今回の危機を乗り切るために最も大切なことなのではないか、と僕は思っている。
音楽プロデューサー/作曲家の 津田直士が、その経験から得た、「主人公という生きかた」をもとに、① 人生の悩みや迷いへの答えを分りやすく答える『その答えは』 ② 世間の話題や素晴らしい作品、アーティストプロデュースや音楽制作などあらゆるテーマで自由に綴る『本能が吠えるまま』 ③ 伝説のバンド X JAPANと共に過ごした記憶が瑞々しくリアルに綴られた著書「すべての始まり」に記されなかった舞台裏とプロデュースの原点を新たな視点で描く『夢と夕陽』 ④ 自分らしい人生を積極的に生きている人にインタビューをして、生きかたのヒントを見つける『ある人生 』といったブログを定期的に展開します。
本当にそうですね。大切な気持ちを書いていただき、ありがとうございます。
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