私事だが、ここしばらく作品創りに集中している。
アーティストプロデュースの作品ではなく、僕がイメージする世界を僕のピアノやいろいろな楽器で表現したオリジナル作品で、12曲入りのアルバムとして近々リリースされる、という内容だ。
インストルメンタルのアルバムなので、100%純粋に自分の世界。
それらがイメージ通りの作品に仕上がるよう、曲を生み、アレンジしてレコーディングをする、という音源制作を続ける中、この原稿を書くために「ART OF LIFE」を聴くと、とても救われ、豊かな気持ちになる。
一切の妥協なく、ひたすら自分のイメージを作品にする、という姿勢が音楽を創る上で最も重要なことなのだと、改めて確信することができるからだ。
「ART OF LIFE」は、YOSHIKIというアーティストが自身のイメージを一切の妥協なく、こだわり尽くして完成させた大切な作品だ。
どれだけYOSHIKIがこだわりを持って制作に取り組んでいたのか、完成するまでの3年間ずっと横で見ていた僕は、よく知っている。
そのこだわりひとつひとつは、厳密にいえばYOSHIKI自身にしかわからない。
けれど少なくとも音楽的な面に関していえば、プロの音楽家として、僕はかなりのところまで理解することができる。
そうしてよく見つめてみると、そのあらゆるこだわりすべての結果によって、見事に「ART OF LIFE」という作品が100年残る圧倒的な名曲になっている、という事実に気づくのだ。
この連載で「ART OF LIFE」を解説すればするほど、YOSHIKIが心の中や頭の中にあるイメージを作品にするために注いだ、途方もないエネルギーと滲むような努力の大きさに気づかされていく。
そして、多くを語らずその想いを全て作品に注ぎ込むYOSHIKIの生きかたに感動し、その作品が世界中の人々に伝わっている現実を素直に理解できる。
「ART OF LIFE」という作品の中には、あの頃のYOSHIKIの人生と美学、そして音楽のすべてがこめられている・・・聴くたびに僕は、強くそう思うのだ。
【 ART OF LIFE ⑦ 】
16.RIFF 〜17.TWIN
さて、前回の15 .A Melo②に続き、16.RIFF 17.TWINのセクションに移る。
これは、8 .A Melo①から10.RIFF,TWINへの流れと似た状態、いわば通常の曲でいうところの、1番〜2番という流れに近い。
ところがよく見てみると、それら2つのAメロの間に存在する内容は、通常の曲とはかなり異質なものだ。