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経団連会館で講演した。大手町の一等地に立つ新しく見事な建物、そこでの講演は私自身初めてのことだ。
今回はその講演のことを書きたいわけではない。書こうと思うのはそこで再発見した自分自身に関することだ。
最初に経歴の紹介があった。幹事役の安藤英義・一橋大学名誉教授(商学博士)の述べる私自身の経歴はこんな具合だった。
「上杉さんはすでに29冊の本を世に出しております。最初は『石原慎太郎「五人の参謀」』、その後、『田中真紀子の恩讐』や『小泉の勝利 メディアの敗北』、安倍政権を描いた『官邸崩壊』『世襲議員のからくり』など政治家についてのご著書、その後は『ジャーナリズム崩壊』や『上杉隆の40字で答えなさい』などメディアについて。最新著は――」
そうか、もう、そんなに本を出版しているのか。安藤教授の紹介を聴きながら、私はある種の感慨に耽っていた。
そういえば、最初、本を出版するたびに訪れていたあの期待と不安の入り混じった独特の感覚が宿ることは今はまったくなくなってしまった。
今回はその講演のことを書きたいわけではない。書こうと思うのはそこで再発見した自分自身に関することだ。
最初に経歴の紹介があった。幹事役の安藤英義・一橋大学名誉教授(商学博士)の述べる私自身の経歴はこんな具合だった。
「上杉さんはすでに29冊の本を世に出しております。最初は『石原慎太郎「五人の参謀」』、その後、『田中真紀子の恩讐』や『小泉の勝利 メディアの敗北』、安倍政権を描いた『官邸崩壊』『世襲議員のからくり』など政治家についてのご著書、その後は『ジャーナリズム崩壊』や『上杉隆の40字で答えなさい』などメディアについて。最新著は――」
そうか、もう、そんなに本を出版しているのか。安藤教授の紹介を聴きながら、私はある種の感慨に耽っていた。
そういえば、最初、本を出版するたびに訪れていたあの期待と不安の入り混じった独特の感覚が宿ることは今はまったくなくなってしまった。
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