c4f3e4878565e5455f4cb75b00c30f92f90932eb.jpg



--
今日はプライベートなことからバンドのことまで幅広く訊いていこうと思います。

70.:よろしくお願いします!

--まず5月5日にEX THEATER ROPPONGIで開催されたワンマン<XANVALA TOUR 2024-2025 "Ark" #5 GRAND FINAL>に向けてXANVALAは1年間活動してきて、一つ大きな節目となる成功を迎えたんじゃないかと思うのですが、70.さんとしてはあのEX THEATER ROPPONGIを振り返ってみていかがでした?

70.:まずそこまでが長かったですね。実はEX THEATER ROPPONGIが見えてたのは2年ぐらい前からだったんです。だから、そこに向けてどうやっていけばいいライヴができるのかなっていうのをみんなで考えながら歩んできた2年間だったんですよね。

--2年前から構想があったんですね。

70.:2023年のLIQUIDROOMの時点で次はZeppっていうのは決まってて、さらにその次どうしようって話した時に、やっぱりEX THEATER ROPPONGIかなぁっていうところがあって。ちょうど去年のZeppが終わったあたりで制作の関係者の方とのいい出会いもあって、EX THEATER ROPPONGIっていうものに対して自分たちだけじゃ見えなかった部分もすごい見えてきたんですよ。で、そういう人たちと一緒に作っていくうちに、これはもしかしたら成功できるんじゃないかなっていう自信にもつながりましたね。

--2年前のLIQUIDROOMの時から、例えば LEDビジョンを入れるとか演出面でもただLIQUIDROOMでやるだけじゃなくてしっかりこだわってたイメージがあって。Zeppは銀テープが出てきたりとか、演出も会場規模ごとに上がっていったと思うんですけど、メンバーだけだと見えてなかった部分、制作の方が入ってきたことによって見えた部分っていうのはどんなところだったんですか?

70.:ZeppとLIQUIDROOMのときは演出についてそこまで深くコミュニケーションができてなかったと今では思うんです。だけど今年のEX THEATERは制作の方が紹介してくれた素晴らしい舞台監督の方がいて、その方はK-POPとか畑は違いますけど大きな会場でやり慣れている方だったのでアイデアもたくさん生まれたんですよ。その人とのディスカッションがすごい楽しくて。こうした方がいいああした方がいいってブラッシュアップしてお互いの意見を出して、じゃあこうしましょう、じゃあこういうのはどうですか?みたいな提案をもらったり。これがプロのライヴ制作なんだなって思いました。バンドだけじゃできない部分も大事になってくるし、そういう演出面や制作面のことを考えるのも個人的にはモチベーションが上がることでしたね。lynch.さんとかを担当している制作会社なんで、自分たちがやってきた規模よりも全然上の規模を経験されているし、その経験があったうえでのアドバイスを言ってもらえるので環境がすごく整ってる。今までは叱ってくれる大人が周りにいなかったっていうのも課題で。それこそよく知ってらっしゃるでしょうけど、うちの事務所の社長も優しい性格をしてるんで(笑)。今の規模から拡げていくときにどうしようかなってタイミングで制作会社の方と出会えて、なんならバンドのメンバーが増えたぐらいの感覚があります。

--XANVALAってそもそも事務所に所属してるしこうやって周りに関わる人も増えていくことに対しても拒絶反応がないというか、フレキシブルな感じですよね。

70.:でもなんか変だなっていう人とは距離を置いたりとかしますよ(笑)。その中ですごいいい出会いがあって高め合っていけているというか。一緒に作っていくサクセスストーリーみたいなのが俺は大好きだし、そこで意気投合していろいろやらせてもらってます。

--EX THEATER ROPPONGIの演出周りで言うと、70.さん的にはどういう要素を舞台上に求めてました?

70.:“Ark”すなわち箱舟がまずテーマとしてあったじゃないですか?箱舟っていうからには箱舟欲しいよなーっていうところからそもそもは始まったんです。ただ箱舟ドッカーンだとあまりにも分かりやすすぎるんで、もうちょっと捻ろうって。それで、造船所がいいんじゃない?ってところに着地しました。今は廃墟になっている造船所の画像をスクショして、それを舞台監督さんに見せて、こういうのやりたいんですけど予算ってどれぐらいですかね?みたいな話をして。“だいたいこれぐらいですね、でもこうやって使ったら結構抑えられますよ”みたいな的確なアドバイスをいただけたんで、じゃあやりたいですって言って大道具さんに来て作ってもらいました。かなり大がかりでしたけど、せっかくの大会場なんで良い形になったなと手応えがかなりあります。俺はステージっていうよりは、ミュージカルの舞台みたいなものをずっとやりたかったんですよ。今まで自分たちの関わる関係者さんだけだとLEDパネルとかレーザーが限界だったんで、制作が関わることで初めてミュージカルみたいなステージを作ることができて。俺マジあれ見た瞬間な泣きそうになりましたもん。これだよ!って。昔ヴィジュアル系がよくやってたやつだ!っていう、自分がキッズの頃によく見た舞台というか、そういうのを具現化できました。

--あの鉄骨とかめちゃくちゃ良かったですよね。世代的にもツボに刺さる感じで。ただEX THEATER ROPPONGIでライヴしたんじゃなくて、ちゃんとXANVALAのステージはこれなんだという意志を感じました。

70.:そうなんですよ。XANVALAにしかできないっていう演出が形としても表現できましたね。

--これからXANVALAがキャパ上がってく中で当然いい曲、いいライヴは当たり前だけど、それ以外の部分に着手しなきゃいけないってところですよね。

70.:そうですね。これは大掛かりなセットを作ったから感じたんですけど、セットに甘えちゃいけねえなって。5人が立ってるだけで出せる説得力も大事だよなって、もっともっと伝えていかなきゃなとは思いましたね。

--ツアー自体もフェーズを分けてずっと長いこと廻ってたじゃないですか。その道中で70.さんの立場から見てメンバーさんって、ZeppからEX THEATERの間でどう変わっていったと思います?

70.:本質は全然変わってないと思いますね。メンバーそれぞれでみんなブレないし本当に頼りになるなぁと。ちゃんと上に行きたいっていう意志でやる5人なんで。

--個人的には巽さんがどんどん核へ向けてベールがめくれていってるというか、むき出しになってる感じがします。

70.:どんどん磨かれてるなと思いますね。

--その辺って後ろから見ててどういうところで感じますか?

70.:あのー、邪魔しちゃいけないなって(笑)。ステージ上ではあんまり気を遣わないタイプなんですけど、ライヴが終わって映像を見てると“あ、巽はこういう表現をやりたいんだなぁ”って結構見えてくるんですよ。それを100パーセント届けられるように気にしながら自分のステージングをしなきゃいけないなって思うようになりましたね。そういう意味では俺自身は意識の変化はこの2年ぐらいかも。巽のめくれてきている、覚醒した部分が伝わってるんだったら、自分が変化してよかったなと思います。

--いわゆるカリスマティックな要素と、異様な人間臭さがちゃんと同居している新しいボーカリスト像だなって思うんですよね。

70.:あー、それはすっげぇ嬉しい。自分のバンドのボーカルがそう思われてるのは。単純に巽の作る歌詞の世界ってすごい面白いんですよ。こういう場だとアイツって口ベタなところもあるし、普段は思ってることもあんまり言わないけど、ライヴの時のむき出しの本性みたいなところはやっぱりすごい。あれを普段から出せると面白い人間なんだろうなぁって結成した時から思ってて、それが最近どんどんめくれてきてるんじゃないかなとは思いますね。

--『BANQUET』からよりそれが生々しくなってきたというか。

70.:歌詞も巽自身のことを書くようになったんですよ。ちょっと前まではいろんな物語を作りあげたなかでメッセージを発信するボーカリストだったんですけど、自分の内面から自分の言葉で歌詞を書いてますよね、最近は特に自分の内側にナイフ刺して俺の血を見ろ、俺の内臓を見ろっていうステージになってる。それができる人間あんまりいないと思うんですよね。それでいて巽の歌詞ってスッて入ってくるっていうか、気づいたらライヴ中に口ずさんでるような言葉が多くて、そういう意味でもなかなかいないボーカルだなと。本人からしたらあんまりこうやって説明されるのは気恥ずかしいところもあるだろうけど、もっともっといいボーカルになるんじゃないかなって思いますね。

--「縷々」とかも自分の内面にナイフを突き刺すことをしてたから、その傷口が余計に開いた状態で生々しく入ってきちゃう。とてつもない痛みを伴うけど、彼はそれも歌の力で昇華しましたし。

70.:よく聴いてくれてますね。考え方は変わってないけど、表現のリアリティはこれまでとはまた違いますよね。

--楽曲についてはどうですか?XANVALAっていうものを壊さない中で幅広く侵食しているような気がするんですけど。

70.:最近はギター2人が大活躍してくれてて。それこそ巽だったらこういうのもできるんじゃない?っていう信頼関係があるから宗馬もYuhmaもいろいろ挑戦してくれてるんだなって思うんですよね。

--バンドとして新たな要素を積極的に取り入れていこうっていうディスカッションをしてるわけではないんですか?

70.:あ、それはしてないですね。ただEP『ANCHOR-EP』とかは事前にMVで公開されている楽曲があったから、そことのバランスも鑑みてできた曲もあります。それが結果的に新しい要素にはなってるかも知れないですね。

--「Ark」と「僕の神様」ですね。70.さん自身はXANVALAの王道を貫こうっていう方向性ですか?

70.:そうですね。曲に合うフレーズや自分らしさを残しつつ…あ、でもライヴのことを考えるようになりましたね。新しい曲たちはどっしり構えたいなって思って作ったので、そういう意味でもちょっと変化はしたのかな。

--70.さんはヘルニアの問題もあったじゃないですか。その辺りがもたらした副産物はありました?

70.:前みたいに頭を振れなくなっちゃいましたからね。自分自身の激しいアクションってお客さんとの距離を縮める武器として使ってたんですけど、それって本当にお客さんのことを信じてたのか?っていうところに行き着いた感はあります。身体を労りながらある種冷静にプレイをするようになってから、ちゃんと届けるっていう意志があれば、どんなにステージが広くて距離があってもちゃんと届くんだなって気がついたんです。それは激しいアクションでもステージングでもなくて、一音一音に自分の魂を込めるってこと。ちゃんと想いの詰まった音でライヴをできればちゃんと届いてるんだなってのは感じました。ヘルニアはしんどかったけど、これはプレイヤーとして結構デカいできごとでしたね。




・視野を自分のバンドだけじゃなくて今のヴィジュアル系シーンに向けていきたい
・キャンプがしたい
・XANVALAが次に目指すべき会場
・後輩への想いと期待をよせる存在
・主催にHAZUKIさんが出る経緯…インタビューは会員ページへ続く