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PLANETSチャンネルでできること

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  • 藤野可織――自覚する娘|三宅香帆

    今朝のメルマガは、書評家の三宅香帆さんによる連載「 母と娘の物語 」をお届けします。東日本大震災の後、2012年以降に増え始めた「母娘」の対立を描いた諸作品。「父と息子」のように単純な構図では捉えきれない関係を象徴する作品として、藤野可織の『爪と目』を考察します。 三宅香帆 母と娘の物語 第十一章 藤野可織――自覚する娘|三宅香帆 1.年齢を重ねてからも続く 前章 では、東日本大震災以後の2012年に『ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争』(小川雅代、文藝春秋)、『母がしんどい』(田房永子、KADOKAWA/中経出版)の二冊が出版されたことがきっかけで、「毒母」という言葉が流行し、母娘問題が注目されるようになったことを扱った。平成の文学作品について文芸評論家の斎藤美奈子と高橋源一郎が対談した『この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた』(高橋源一郎・斎藤美奈子、2021年、河出書房新社)においては、2012年に注目すべき文芸作品の変化についても以下のように指摘されている。 斎藤 母なんですよ、3冊とも。『東京プリズン』『母の遺産』、芥川賞の『冥土めぐり』。どれも虐待する母とその母に...

    2日前

  • 東京で見つけて気になったもの|白土晴一

    リサーチャー・白土晴一さんが、心のおもむくまま東京の街を歩き回る連載「 東京そぞろ歩き 」、今回が最終回です。 今回はこれまでの連載では語り尽くせなかった、白土さんが街歩きをするなかで見つけた「何か変なもの」たちを紹介。「そぞろ歩き」の真の楽しみを語っていただきます。 白土晴一 東京そぞろ歩き 第18回 番外編 東京で見つけて気になったもの  「東京そぞろ歩き」というタイトルをつけて、東京のあちこちを歩いてきたが、読み返してみると、東京は本当に広くて多種多様だと思う。高層ビルが立ち並んだ都心だけでなく、武蔵野原野の桑畑から新興住宅街になった土地、大きな河川の流域で水害対策がガチガチに施された下町、旧街道沿いに高層マンションが渓谷のように立ち並んでいる場所もある。  東京と一口に言っても、その景観や雰囲気は土地によってまったく違う。  大学入学を機に上京してから、かれこれ 30 年以上東京に住んでいることになるが、それでもいまだに行ったことがない場所もあるし、ずっと知らなかった東京の歴史的な事実というのもあるだろう。  この連載では街並みから行政の都市計画や住宅政策を考えるのも面白かった...

    2022-09-20

  • 日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想(後編)|中野慧

    ライター・編集者の中野慧さんによる連載『 文化系のための野球入門 ‌』の‌第‌24回「日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想」(後編)をお届けします。 阿部磯雄や押川春浪ら、比較的外来文化にも寛容だった明治期の野球人たちが体育教育に見出していた重要性を、スペンサーの社会ダーウィニズムと三育思想を手がかりに分析します。 前編はこちら 。 中野慧 文化系のための野球入門 第24回 日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想」(後編) 理想のヒーローはジェイソン・ステイサム!?  春浪はテクノロジーの進歩とは裏腹に進行する「健康」の退歩を批判した上で、以下のように続ける。  世人かくもすれば、強壮頑健、石上に寝ね猛虎を撲殺すがごとき体力を、野蛮人の特色のごとく云うなれど、青白き顔色と疲労しやすき身体とは、文明人の特有物として誇るに足るか。肺病と脳病と蚊のごとき脛と火箸のごとき細首とは、第二十世紀の産物として欠くべからざるものなるか。余輩は三間(引用者注:約5.4m)の小河にも鉄橋のかかる今日を誠に目出...

    2022-09-16

  • 日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想(前編)|中野慧

    ライター・編集者の中野慧さんによる連載『 文化系のための野球入門 ‌』の‌第‌24回「日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想」(前編)をお届けします。 精神主義一辺倒だった近代日本野球に対して痛烈な批判を浴びせた橋戸信の『最近野球術』。現代のスタンダードにもなっているコンディショニングや練習法が記された本書が伝えたかったこととは何なのでしょうか。 中野慧 文化系のための野球入門 第24回 日本は武の国なり、古来武を以て国を建つ!? 押川春浪・天狗倶楽部の(実は健康的な)身体思想」(前編) 「科学」を標榜する野球技術書  1905年のアメリカ遠征から帰国した早稲田の主将・橋戸信は、野球技術書『最近野球術』を執筆し、アメリカの野球技術を広く世に伝えた。この本には、「科学」という言葉が頻出する。橋戸が意図したのは、それまでの日本野球界のメインカルチャーだった一高式武士道野球、つまり精神力ですべてを突破しようとする文化に風穴を空けることであった。  一高野球部は、本来彼らが持っているはずの頭脳を活用せず、過剰に精神主義的であることをアイデンティティと...

    2022-09-12

  • 『2つの人生が教えてくれること』──正反対のifストーリーに共通する幸福|加藤るみ

    今朝のメルマガは、加藤るみさんの「 映画館(シアター)の女神 3rd Stage 」、最終回をお届けします。 今回紹介する作品は、Netflixで配信中の『2つの人生が教えてくれること』です。「母としての人生」「自らの夢を叶えた人生」2つのifストーリーを歩む女性を描いた本作。同じ女性として、今後の人生を見据えたるみさんは主人公・ナタリーの姿に何を思うのでしょうか。 加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage 第31回 『2つの人生が教えてくれること』──正反対のifストーリーに共通する幸福 おはようございます、加藤るみです。 この前、知らない番号から電話がかかってきて「わし!! わしやて、わし!!」と言われ、声を聞いてもまったくピンと来ず、本当に誰かわからなくて、恐る恐る「誰ですか?」と聞いたら、まさかの母親からの電話でした。 最初は、あまりにも「わしわし」言うもんだから、人生初のオレオレ詐欺ならぬ、わしわし詐欺を疑いました。 どうやら、母は旅行中に携帯電話を忘れたらしく、もし旅先で何かあったらいけないからと友達に電話を借りて電話してきたみたいです。 そういや、昔から母は自分のことを"わし"と呼ぶんですが...

    2022-09-09

  • 無駄な記憶を消す冒険|高佐一慈

    今朝のメルマガは、お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんが日常で出会うふとしたおかしみを書き留めていく連載「 誰にでもできる簡単なエッセイ 」。今回が最終回です。 身体の「老化」を嘆く高佐さん。年齢を重ねてから思う、「昔の思い出」との付き合い方について綴っていただきました。 高佐さんの連載が本になりました! 高佐一慈(ザ・ギース)『乗るつもりのなかった高速道路に乗って』 PLANETS公式ストアで特典付きで販売中です。 ポストカード付・オンラインイベントアーカイブ視聴リンク付の2種類が選べます。 詳しくは こちらから 。 車は高速道路を爆走する。 インターで降りようにも、降りる恥ずかしさを考えると、このまま高速を進んでいった方がマシなように思う。 こうして僕は、周りの目を気にするがあまり、引くに引けなくなってしまうのだ──。 「こんなに笑えるエッセイは絶滅したと思っていました。自意識と想像力と狂気と気品。読んでいる間、幸せでした。」 ピース 又吉直樹さん、推薦! 誰にでも起こりうる日常の出来事から、誰ひとり気に留めないおかしみを拾い集める、ザ・ギース高佐一慈の...

    2022-09-05

  • 東京ディープチャイナ研究会『攻略! 東京ディープチャイナ~海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』|井本文庫

    NHK出版の編集者・井本光俊さんが「暮らし」や「自然」にまつわるおすすめの本を紹介する連載「井本文庫」。今回ご紹介するのは、『攻略! 東京ディープチャイナ~海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』です。近年東京近郊で話題を呼んでいる「現地系中華」。多くのガイド本とは一味違うかたちで「中華」を紹介・解説してくれる本書の魅力について語ります。 (「井本文庫」のこれまでの連載は こちら ) 井本光俊 井本文庫 東京ディープチャイナ研究会『攻略! 東京ディープチャイナ~海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』」 この書評コーナーでは、暮らしにまつわる本を紹介しています。アウトドアとか自然とか、そういったものを含めた「暮らし」です。今回ご紹介するのは、『攻略! 東京ディープチャイナ~海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』です。 記事化している段階で、この本の新版刊行のアナウンスがなされました。当記事公開時には、新版が刊行されているはずです。サイトの告知によれば、閉店や新規店などによる掲載店の刷新が主な変更点だそうで、「この1年で地図掲載5エリアだけでも、約70店...

    2022-09-02

  • 勇者シリーズ(1)「勇者が剣を取る前夜、神を超える人」|池田明季哉

    デザイナー/ライター/小説家の池田明季哉さんによる連載 『"kakkoii"の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝』 。 前回まで論じてきた、「人間と機械の関係」から独自の想像力を表現してきた「トランスフォーマー」は、1990年以降の「勇者シリーズ」にどのように受け継がれたのか。その足がかりとして独自ローカライズがなされた1980年代末の「トランスフォーマー」シリーズを分析します。 池田明季哉 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 勇者シリーズ(1)「勇者が剣を取る前夜、神を超える人」 前回 ではビーストウォーズというシリーズを通じて、動物というモチーフにどのような想像力が与えられていたのかを扱った。もともとトランスフォーマーは、日本の玩具を自動車/銃をリーダーとして再編集することで、そこに理想像としてのアメリカン・マスキュリニティを託したのであった。ビーストウォーズでは、動物というモチーフを導入することで、エコ思想をはじめとする90年代のトレンドに対して、新しいかっこよさを提案することに成功した。しかし特にアニメーションの脚本については、旧来の価値観の重力から完全に自由になることは難しかったと、いっ...

    2022-08-29

  • 浅草駅から吾妻橋、隅田公園、言問橋、桜橋へ |白土晴一

    リサーチャー・白土晴一さんが、心のおもむくまま東京の街を歩き回る連載「 東京そぞろ歩き 」。 今回は都内屈指の都市河川、隅田川周辺を歩きます。「隅田川テラス」をはじめとして、自然の景観を保護すべくさまざまな土木建築が施された隅田川周辺。スカイツリーを眺めながら、庶民の生活感が汲み取れる竣工の歴史をたどります。 白土晴一 東京そぞろ歩き 第17回 浅草駅から吾妻橋、隅田公園、言問橋、桜橋へ  二十代の頃、アメリカのシカゴに行った。  SF 関連のコンベンションがシカゴで開催され、そこに参加しに行ったのだが、これが 最初の海外旅行だった。  一番安い航空券を利用した単独旅行で、トランジットで降りたアンカレッジ空港で十二時間ほど次の搭乗便を待ち、シカゴ・オヘア空港から宿泊予定のホテルまではタクシーに乗った。いま思えば、そんな大したことではなかったのだが、初めての海外旅行で同行者もいなかったので、なんだかんだドキドキしていたと思う。  それに、これが有名な観光地ならば、まだ気分が楽だったのかもしれないが、そのコンベンションが行われた場所は、アメリカ中西部の新聞として知られたシカゴ・トリビューン本...

    2022-08-26

  • 草花と暮らす〜芒種 梅子黄(ぼうしゅ うめのみきばむ)|菊池昌枝

    滋賀県のとある街で、推定築130年を超える町家に住む菊池昌枝さん。この連載ではひょんなことから町家に住むことになった菊池さんが、「古いもの」とともに生きる、一風変わった日々のくらしを綴ります。 第10回では、東京ではない滋賀の町家ぐらしだからこそできる、植物との「自由な関係」を存分に楽しみます。 菊池昌枝 ひびのひのにっき 第10回 草花と暮らす〜芒種 梅子黄(ぼうしゅ うめのみきばむ)  花が好きで憧れた、亡き先生がいる。たくさんのことを教えていただく時間は叶わなかったけれど、大きな影響を受けているのは確かだ。  私は土や植物、風や雨そして陽射しに直接触れたくて日野町で暮らすようになったのだが、花を日々のことにするのにぴったりでもある。四季折々庭でも散歩に出てもいろんな草花たちに会える。かつて住んでいた東京はどんな植物でもお金で交換してきた。雑草を抜くのにすら仮の住民意識では気を遣う。そんな境界線がきっちりした舗装された世界だった。そのせいか花を活けることは今と違って日常とは少し遠くて、壁ができていた。しかし今、そんな地面続きの家で花を飾ること自体が稽古になって、自由を感じられるよ...

    2022-08-22