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山田玲司のヤングサンデー 第129号 2017/4/3


「幸せ」の正体

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いやいや。
まだ「エヴァ酔い」が覚めません。

まあ、庵野秀明という人に会えたような体験だったので、面白かったんですけどね。

基本的に庵野監督の「壮絶な鬱」が覚めやらぬまま、監督の大好きなものを全力でぶつけては、すべてを「マイナス方向」へ導いていくのが「エヴァ」で、それは90年代の「浮かれた雰囲気」に嘘臭さを感じていた、当時の人達に「リアル」だと感じられて共感を呼んだのも分かりました。

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でね、同時に「良い事言ってるヤツはみんな偽善者だ」っていう、「意識高い系叩き」の流れもこのあたりから始まるんだなあ、なんて思っていました。

僕は理想主義者です。
問題はいくらあっても多様性のある世界は実現したいし、幸せな「循環社会」も、国がない世界も、貧富のない世界も諦めていません。

そんな事を言うと、とたんに「お花畑」とか「スイーツ」とか「意識高い系」とか言いたくて仕方ない人達に意味のない挑発をされるだけなので、普段はそんな事を言いませんけどね。

そもそも「理想」なんかを語れる人は、元々「恵まれている人」だからです。
エヴァに出てくる人は「理想」を信じられるほど、心に余裕がありません。
「自分を認めて(愛して)欲しい」という思いでギリギリの状況なので、見えてくるものは、自分を批判する人の目ばかりになってしまうのです。

これは切ない。