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渡部誠司さん のコメント

8月28日から昨日まで入院していて天井をながめながらベットで一日中ラジオを聴いていました。核兵器を持っている国が他の国は核兵器を捨てろという正義や不倫で袋だたきになっている政治家や芸能人のニュースを聞くと立体的に視野を持ってストーリーを頭の中で展開できる人は限られているのかもしれません。スポーツではサッカーワールドカップ予選で日本がオーストラリア勝ったり西武のおかわり君が復帰後奥さんの誕生日ホームランを放つなど元気にもしてくれました。
入院中はベッドから出ることは許されずオムツと点滴という地獄のような2週間でしたが退院して自由に動けることの幸せを改めて感じています。
自ら狭い教室に入る必要はないですよね( ^ω^ )
No.1
88ヶ月前
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第152号 2017/9/11 「今も教室に住んでいる人」とは? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ それは「サウナ」で起こった。 その日の僕は、放送の後の余韻と混乱で、どうにも漫画のアイデアが浮かばないので、近所の健康ランドに行く事にした。 そこは昭和風の温泉テーマパークで、「温泉」と呼べるほどのお湯には感じないけど、何しろ露天風呂で月が見える。 サウナもあるので、血流は良くなるし、疲れてヨガをやる体力が残っていない時にはありがたい。 そういえば昔描いた 「ココナッツピリオド」 のエンディングのアイデアはそこで浮かんだ。 今回も何か浮かぶだろう、と、1人でサウナ室に入る。 お客も少ないし、いい感じだ。 ところがだ。 サウナ室に設置してあるテレビがしょうもない民放のニュース番組を流し始めた。 山尾さんとかいう女性議員が神妙な顔で現れた。 どうやら「不倫」なるものを週刊誌にすっぱ抜かれ、責任を取って辞任する、とか言っている。 辞任するという女性議員がどんな人かはわからないけど、ニュースは、さも「大罪を犯した女」みたいに彼女を叩き、嘆いて、呆れている、みたいな感じになってる。 どうもその女性議員は、過去に不倫報道をされた議員を批判していたらしく、「お前だってそうじゃねえか」とばかりにコメンテーターは公開リンチに盛り上がっている。 議員辞職会見は、悪代官が追い詰められ、正義の鉄槌を降される瞬間みたいだ。 なんだかここ数ヶ月民法もネットもこんなのばっかりになってる。 中学生を叩いたとかいうジャズミュージシャンにもみんな怒ってる。・・・らしい。 こういう話を書くと「山田さんはどっち側ですか?容認側ですか?否認側ですか?」なんて聞かれるけど、そんなもん「知らないものはわからない」に決まってる。 そもそも「愛の問題」は当事者にしかわからないものだし。人生の全てが「完全なる潔白」なんて人はいないからだ。 そして人生は想像以上に複雑にできている。 フレンズでは、お父さんに不倫相手がいる事を知って「母さんが可愛そうだ!」と、大騒ぎする息子ジョーイに、お母さんが言う。 「お父さんはあの犬の葬儀屋(お父さんの恋人)と付き合い出してから優しくなったし、おかげで上手くいってるんだから、余計なことはしないでちょうだい」と。 さすがフレンズ脚本チーム。「人生の複雑さ」がよくわかってる。 これは今まで叩かれてきた「芸人」や「ミュージシャン」や「研究者」なんかにも言えるだろう。 簡単に非難できる事なんかそうそうあるもんじゃない。 ところがこの国のマスコミは「悪いヤツ」と決めたら絶対に許さない、みたいな雰囲気になる。 気がつくと僕のいるサウナ室までそんな雰囲気になっている。 僕の隣にいたおっさんは、その会見を見て「ひでえ女」と、ため息をついた。 何だか嫌な気分になって僕はサウナを出た。 何か「変なウイルス」を吸ってしまったみたいな感じだ。 それにしても、日本のマスコミはずっとこうだ。 「叩きやすそうな人間」を見つけては、「世間知らずの学級委員長」みたいな底の浅い正義感で容疑者を袋叩きにしていく。 特に昔人気があったり、清純なイメージで売っていたりした人ほど「袋叩き」は盛り上がる。 なんだかこれ、学校の教室で行われている「いじめ」と変わらない。 おまけに叩かれる人は「名前のある個人」だけど、叩いてるのは「みんな」という名前のない存在だ。 「みんな言ってるよ」とか言うものの、そもそも「みんな」とは誰なのかもわからない。 不倫疑惑の議員も「世間をお騒がせした責任」とか言うけど、迷惑をかけられた「世間」ってのが何者なのかも曖昧だし、そもそも「はるかに迷惑なこと」をやりながら平然と公務についてる人もいる気もする。 誰かを叩く事で日々のストレスを解消するのが「ニュース番組」や「ワイドショー」の仕事になってる感じだ。 そう言えば、今から13年前に僕が描いた 「ゼブラーマン」 の冒頭にも同じ様なシーンがある。 朝のワイドショーで見る「人の不幸」が「心の朝ごはん」とか描いている。 この状況は今も変わらないどころか、まるで国全体が「いじめのある教室」になってるみたいだ。 いじめの起こる「学校の教室」とはどんな所だろう? 僕はそこは「世界が見えない場所」だと思う。  
山田玲司のヤングサンデー
ラブコメ漫画「Bバージン」で「モテるためにはどうしたらいいか?」を描き、対談漫画「絶望に効くクスリ」で400人近くの著名人と対談してきた漫画家山田玲司がその多彩な経験と圧倒的な知識を元に「テレビでは語られない角度」で恋愛、社会問題、漫画、映画、音楽、人生とは何か?など様々な問題を切っていきます。